ガザの「平和評議会」、サウジやトルコなど7カ国が参加表明 プーチン氏は検討中と

金の装飾が飾られた部屋で、スーツ姿のトランプ氏と、サウジアラビアの伝統的な服を着たサルマン皇太子が、笑顔で手をつないでいる

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画像説明, トランプ米大統領(右)とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(2025年11月、ホワイトハウス)

サウジアラビア、トルコ、エジプトなど7カ国は21日、パレスチナ・ガザ地区に関してアメリカのドナルド・トランプ大統領が提唱する「平和評議会」に参加する意向を明らかにした。

新たに参加を表明したのは、サウジアラビア、トルコ、エジプト、ヨルダン、インドネシア、パキスタン、カタール。これらの国々は、先に参加を公表していたイスラエルに合流する。

一方、トランプ氏は21日夜、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が前日夕に参加に同意したと述べたが、プーチン大統領は、ロシアはこの招待についてなお検討中だとロイター通信に話した。

国連安全保障理事会は昨年11月の決議で、トランプ氏の20項目からなる和平計画と「平和評議会」の設置を承認。安保理は、同評議会の活動を2027年末まで承認している。今月14日に開始された和平計画の第2段階では、ガザの再建と完全な非武装化が進められる。

「平和評議会」は当初、イスラエルとイスラム組織ハマスの間で続くガザでの2年に及ぶ戦争を終結させ、復興を監督することを目的としているとみられていた。しかし、その憲章草案にはパレスチナ自治区への言及はなく、国連の機能と取って代わることを意図した設計になっているとみられている。

しかし共同声明の中でサウジアラビアは、イスラム教徒が多数を占める諸国グループは、ガザにおける恒久的な停戦の確立、復興支援、そして自分たちが「公正で恒久的な平和」と呼ぶものの前進という目的を支持すると述べた。

他方、トランプ氏はスイス・ダヴォスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会で、ロシアのプーチン大統領が同評議会への参加招待を受け入れたと話した。「彼は招待され、受け入れた。多くの人々が招待を受け入れている」とトランプ氏は述べた。

ロイター通信によると、トランプ氏のこの発言にプーチン大統領は速やかに反応し、招待については検討中だと述べた。プーチン氏は、ロシアは凍結されている自国資産から10億ドル(約1600億円)を拠出する用意があると述べ、この同評議会は主に中東に関連するものと認識していると話したという。

トランプ氏の新しい機関に、何カ国が招待されているかは不明だ。カナダとイギリスも含まれているが、共に現時点では公に反応していない。一方、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、アルバニア、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ハンガリー、カザフスタン、モロッコ、ヴェトナムは、すでに参加を表明している。

21日にはキリスト教カトリック教会のローマ教皇庁(ヴァチカン)も、教皇レオ14世が招待を受け取ったと明らかにした。ヴァチカンのピエトロ・パロリン国務長官は記者団に対し、教皇が参加の是非を判断するには時間が必要だと述べた。

一方、スロヴェニアのロベルト・ゴロブ首相は、「平和評議会」が「より幅広い国際秩序に、危険な形で干渉する」として、招待を辞退したと述べた。

憲章の内容と組織体制

流出した文書によると、「平和評議会」の憲章は、3カ国が正式にその効力を受けることに同意した時点で発効するとされている。加盟国には更新可能な3年の任期が与えられるほか、10億ドルを拠出した国には常任の地位が提供されるという。

憲章は「平和評議会」について、国際法の下で平和構築の機能を遂行する権限を付与された国際機関だと宣言している。トランプ氏は議長を務めるほか、アメリカ代表としても参加する。議長には、同評議会の「執行理事会」のメンバー任命や、下部組織の設置・解散の権限がある。

ホワイトハウスは16日、「執行委員会」の創設メンバー7人を発表。これにはアメリカのマルコ・ルビオ国務長官とスティーヴ・ウィトコフ中東特使、トランプ氏の娘婿でもあるジャレッド・クシュナー大統領顧問、そしてイギリスのトニー・ブレア元首相が含まれている。

「平和評議会」の「執行理事会」メンバーを、顔写真と共に紹介している図。メンバーはマルコ・ルビオ米国務長官、トランプ氏の娘婿でホワイトハウス顧問のジャレッド・クシュナー氏、スティーヴ・ウィトコフ米・中東特使、トニー・ブレア元英首相、エクイティーファーム「アポロ・グローバル・マネジメント」のマーク・ローワン最高経営責任者、世界銀行のアジェイ・バンガ総裁、ロバート・ゲイブリエル米大統領次席補佐官(国家安全保障問題担当)

一方、和平計画の第2段階における「平和評議会」の現地代表には、ブルガリアの政治家で国連特別調整官(中東和平担当)を務めたことのあるニコライ・ムラデノフ氏が選ばれた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の事務所は18日、現場での活動を監督する「ガザ執行委員会」の構成について、「イスラエルと調整しておらず、その方針に反する」と述べた

イスラエルのメディアは、「ガザ執行委員会」にトルコとカタールの代表を含めるという決定が、「イスラエルの頭越しに」行われたと報じた。トルコとカタールは、エジプトとアメリカと共に、昨年10月に発効した停戦の仲介に関与した。

「平和評議会」の「ガザ執行委員会」メンバーを、顔写真と共に紹介している図。メンバーはスティーヴ・ウィトコフ米・中東特使、トランプ米大統領の娘婿でホワイトハウス顧問のジャレッド・クシュナー氏、トニー・ブレア元英首相、エジプト総合情報局のハッサン・ラシャド長官、エクイティー・ファーム「アポロ・グローバル・マネジメント」のマーク・ローワン最高経営責任者、トルコのハカン・フィダン外相、アラブ首長国連邦(UAE)のリーム・アル・ハシミ国際協力担当国務相、ブルガリア人政治家で元国連特別調整官(中東和平担当)のニコライ・ムラデノフ氏、シグリッド・カーグ国連特別調整官(中東和平担当)、カタールのアリ・アル・タワディ戦略問題担当相イスラエル人の不動産開発実業家ヤキール・ガベイ氏

ハマスとイスラエルは、和平計画の第1段階として戦闘を停止。イスラエルからガザに連れ去られた人質とイスラエルにいるパレスチナ人囚人をそれぞれ引き渡したほか、イスラエル軍が部分撤退し、ガザへの人道援助の搬入量を増やした。

イスラエルは先に、ガザで死亡したイスラエル人人質の遺体をハマスが引き渡した後でなければ、第2段階には進めないとしていた。

第2段階は重大な課題に直面している。ハマスはこれまで、独立したパレスチナ国家の樹立なしに武装解除はできないと主張している。一方、イスラエルは第1段階の部分撤退には応じたが、完全撤退については約束していない。

UNICEFと書かれたテントのそばに子供が立っている。手前では、建物の壁の弾痕に洗濯ひもがかけられ、さまざまな衣服がさげられている

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画像説明, ガザ中部デイル・アル・バラフの避難民キャンプで、テントから外を見つめる子ども(2026年1月19日)

ガザでの停戦も脆弱(ぜいじゃく)で、ハマスとイスラエルは互いに、相手が停戦合意に違反していると非難し合っている。ハマスが運営するガザの保健省は、昨年の停戦発効後もイスラエルがガザを空爆し、460人を超えるパレスチナ人が殺害されたとしている。一方のイスラエル軍は、同じ期間にパレスチナ側の攻撃によって兵士3人が殺されたと述べている。

ハマスは2023年10月7日、イスラエル南部への襲撃を主導し、約1200人を殺害、251人を人質として連れ去った。

これを受けてイスラエルはガザ地区での軍事作戦を開始した。ハマス運営のガザ保健省によると、これまでに7万1550人以上が殺されている。