イスラエル、トランプ氏提唱のガザ「平和評議会」の人選に反発

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レイチェル・ムラー=ヘインディク記者
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は18日、パレスチナ・ガザ地区に関してアメリカのドナルド・トランプ大統領が提唱する「平和評議会」について協議するため、上級補佐官らとの会議を招集した。これに先立ちイスラエルは、同評議会の下部組織の一つ「ガザ執行委員会」の構成について、同国抜きで話し合いが行われたと指摘した。
アメリカは16日、「ガザ執行委員会」の最初のメンバーとして、トルコ外相、カタール政府高官、トニー・ブレア元英首相、トランプ氏の義理の息子ジャレッド・クシュナー氏らを指名した。
これについてイスラエルの首相官邸は、「イスラエルと調整しておらず、その方針に反する」としている。
「平和評議会」は、イスラエルとガザのイスラム組織ハマスの戦争を終わらせるためにトランプ氏が示した20項目の計画の一部。ガザの運営を一時的に監督し、復興の管理にも当たるとされる。
同評議会の正確な構成は今も不明で、まだメンバーを集めているとされる。
ホワイトハウスの声明によると、「ガザ執行委員会」は、戦後のガザ統治を担う技術官僚的な暫定的パレスチナ行政機構「ガザ行政国家委員会(NCAG)」の現場での活動を監督する。
これらとはまた別の組織で、クシュナー氏とブレア氏もメンバーになっている「創設執行理事会」は、投資と外交の仕事を高いレベルで集中的に担当する。
「ガザ執行委員会」のイスラエル人メンバーは、今のところ、イスラエル生まれで現在キプロスを拠点とする実業家ヤキール・ガベイ氏だけだ。パレスチナ人は、どちらの組織にも含まれていない。
イスラエルの極右政治家のイタマル・ベン・グヴィル国家安全保障相は、「ガザ地区には『リハビリ』を監督する『行政委員会』は必要ない。ハマスのテロリストを排除しなくてはならない」とXで書いた。
イスラエルの野党指導者ヤイル・ラピド氏は、今回の発表について、「イスラエルにとって外交的失敗」だとした。
イスラエルのガザでの軍事行動に批判的なカタールとトルコの政府関係者らも、この協議体のメンバーになっていることが確認されている。
評議会への参加に10億ドル求める
ホワイトハウスによると、包括的な「平和評議会」は、世界の指導者らで構成され、トランプ氏が議長を務める。
メンバーについては、イギリス、ハンガリー、アルゼンチン、ヨルダン、トルコ、インド、エジプトの首脳らに声がかかっていると報じられている。
各国政府は慎重な構えで、トランプ氏の盟友のハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相だけが、メンバーになることを引き受けたと明らかにしている。
ホワイトハウスによると、選ばれたメンバーらは、「効果的な統治と、ガザの人々の平和、安定、繁栄を促進する最高水準のサービスの提供」のために働くという。
英政府関係者は、「平和評議会」について、より明確な情報を求めているところだとBBCに話した。
米ブルームバーグは17日、トランプ氏が、同評議会への参加を望む国に10億ドル(約1580億円)の拠出を求めていると報じた。
米政府関係者は米CBSニュースの取材に対し、この報道を認めつつ、各国は何の支払いもせずに3年間、メンバーに加わることができると説明した。
カナダのマーク・カーニー首相は18日、トランプ氏の計画には基本的には賛成だが、財政などに関する詳細についてはまだ検討中だと述べた。
カーニー氏は訪問先のドーハで記者団に対し、カナダにはメンバーとしての費用を「無制限に」負担できる支援資金はないと強調した。
こうしたなか、国連は17日、ガザの人道危機は「終わりから程遠い」と警告した。
国連によると、ガザでは建物の約8割が破壊や損壊している。戦争を生き延びた家族は、冬の天候と、食料および避難場所の不足に苦しんでいる。
国連人道問題調整事務所(UNOCHA)のオルガ・チェレフコ氏は、停戦発効からの数カ月で何トンもの支援物資が届けられ、道路が整備されたのは、「応急処置」であって解決策ではないと述べた。
厳しい冬の天候が、建物を破壊し、医療へのアクセスを難しくするなど、状況をさらに複雑にしている。
イスラエルは、人道支援を促進していると主張し、すでにガザに運び込まれている物資を国連が分配できていないと非難している。また、すべての制限は、ハマスが侵入し、救援活動につけ込むのを阻止するためだとしている。











