日韓首脳が奈良で会談 K-POPのドラムセッションの動画が話題に

李氏と高市氏がそれぞれ、ドラムセットに座っている。共に青いジャケットを着て、両手に持ったドラムスティックを掲げ、笑顔を見せている。ドラムセットの間に設置されたモニターに、韓国と日本の国旗が並んで表示されている

画像提供, X / Lee Jae Myung

画像説明, 韓国の李大統領(左)と日本の高市首相は会談後、K-POPの曲に合わせてドラムをたたいた

コー・ユー記者、ジェイク・クウォン・ソウル特派員

東アジアの首脳2人によるシュールなドラムセッションがインターネットで話題を呼び、日本と韓国の外交関係への注目が高まっている。

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と日本の高市早苗首相は13日、そろいの青いジャケットを身にまとい、K-POPのヒット曲に合わせてドラムをたたいた。楽曲には、K-POPの人気グループ「BTS」の「ダイナマイト」や、ヒット映画「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」の劇中歌「ゴールデン」も含まれていた。

李氏は今週、日本を公式訪問した。高市氏が過去にヘヴィメタルバンドでドラムを担当していたことをふまえ、今回のパフォーマンスが行われた。

李氏にとっては、地域の大国の一つである日本に対する外交的な働きかけでもあった。韓国は日本との間で複雑な歴史を抱えながらも、安全保障同盟を共有している。

李氏が「少しぎこちなかった」と話した13日のドラムセッションは、動画が急速に拡散された。

李氏は今回の訪日で、高市氏の故郷・奈良を訪れ、高市氏にドラムセットを贈った。両首脳は演奏後、サインを入れたドラムスティックを交換した。

高市氏はその後、Xへの投稿で、「昨年APEC(アジア太平洋経済協力会議)でお会いした際に、ドラムをたたくのが夢だとおっしゃっていたので、サプライズで準備しました」と書いた。

このジャムセッションの映像は、ソーシャルメディアで称賛された。

Xにはコリア語で、「音楽には、言葉よりも深いレベルで心をつなぐ力があるようだ」、「このような交流は静かかもしれないが、韓日関係の前進にきっと役立つ」などと投稿があった。

Xの日本語の投稿には、「ポーズだけでなく実際に2人でドラムを叩(たた)いてるっていうのがもう楽しそうで何より」、「韓国も日本も色々大変な状況ではあるけど、お互いが歩み寄れば必ず良い方向へ向かうと思う」というものもあった。

隣同士の両国の間には長年、日本による植民地支配の過去から生じる怒りや領土問題など、困難な問題が存在している。

しかし、両国ともアメリカの同盟国であり、東アジア地域で存在感を強める中国への対抗で協力してきた。

高市氏は13日の共同記者会見で、この地域の「戦略環境」が厳しさを増す中、日韓米の連携はますます重要になっているとした。

李氏と高市氏はまた、経済における協力の強化でも合意した。日本に対しては中国が最近、レアアース(希土類)と軍民両用(デュアルユース)品目の輸出規制を強化している。

李氏の外交手腕への評価

李氏の外交官としての滑らかな手腕は、韓国で同氏の支持率を上昇させている。

高市氏とのジャムセッションが話題になる数日前には、李氏は北京で中国の習近平国家主席と会談。習氏と一緒のところを中国製スマートフォンで自撮りした

昨年10月には、アメリカのドナルド・トランプ大統領と会談した際に、大きな金の王冠の複製を贈った。

李氏がまだ魅了できていない唯一の指導者が、北朝鮮の金正恩総書記だ。李氏は和平を呼びかけているが、北朝鮮は拒んでおり、和解にはほとんど関心を示していない。今週も北朝鮮は、自国領内で韓国が監視ドローンを飛行させたと非難し、謝罪を要求している。

ダークスーツ姿の李氏と、青いジャケットを着た高市氏が、演壇で握手している。背後には両国の国旗が立てられている

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画像説明, 李大統領の外交手腕は国内外で称賛されている

日本とアメリカは当初、李氏の大統領就任を警戒した。韓国以外で比較的無名だった李氏の評判は、社会主義経済運動に共感する熱血漢というものだった。

アメリカは、韓国が最大の貿易相手国の中国に傾くのではないかと恐れた。

一方で日本は、2019年のいさかいの再来を心配した。この年、日本が韓国への輸出規制を強化すると、韓国は情報共有協定を破棄すると脅したのだった。

この争いは、韓国の裁判所が日本企業に対し、戦時中の強制労働の生存者への補償を命じたことが背景となっている。日本はこの問題について、すでに解決済みとの立場を取っている。

日米がこうした不安を抱える中、李氏は就任以来、アメリカ、中国、そして日本と、地域の大国の間で巧みな外交的綱渡りを見せている。

李氏はXへの投稿で、高市氏のドラムの腕前を称賛。両者の外交努力を、音楽セッションになぞらえた。

「互いの違いを尊重しつつ、リズムを合わせていったように、日韓両国も協力の深さを増しながら 一歩ずつ、より近づいていけることを期待します」