ゾウが住民襲い20人死亡、当局は1頭のオス追う インド

画像提供, Mohammad Sartaj Alam/BBC
日本でクマに人が襲われる被害が相次ぐなか、インド東部ジャルカンド州では野生のゾウが人を殺す事案が連続し、死者は9日間で少なくとも20人に上っている。襲ったのは同じゾウとみられており、当局は捕獲に努めているが、まだ成功していない。
ゾウに人命が奪われる被害は、年明け1日から9日にかけ、同州西シンブム地区のチャイバサとコルハンの森林地帯で続出した。一帯はアジア最大級のサラノキの森の一部。
地区の行政トップのチャンダン・クマールさんは、死亡した20人には森林作業員1人も含まれているとBBCに話した。当局は、遺族への金銭補償を発表した。
死亡事案の大半は夜間に発生している。インド農村部では住民らが夜、畑や納屋に行き、保管してあるモミなどを守ることが一般的で、そこを襲われたとみられている。
当局によると、マンガル・シン・ヘンブラムさん(34)は、ボディジャリ村の自宅近くで、仕事から帰る途中に襲われ死亡した。
ウルドゥブ・バホダさん(62)は、家族によると、ビルシン・ハツ村で自分の畑を見張っていて殺されたという。
同じ夜、隣村でヴィシュヌ・スンディさん(42)が、自宅前で寝ていたところを踏みつけられた死んだ。スンディさんの息子が説明した。
5日には、クンドラ・バホダさんと子ども2人(6歳のコダマさんと8歳のサムさん)が殺された。クンドラさんの妻プンディさんは、けがをした娘(2)を連れて逃げ、あとになって夫と子ども2人の死亡を知ったという。

画像提供, Mohammad Sartaj Alam/BBC
この地域では何年か前から、人とゾウの衝突が報告されてきた。当局や研究者らは、森林の減少、ゾウ生息地の分断化、ゾウの移動ルート付近での人間活動の増加などが関係しているとみている。
当局によると、問題のゾウの居場所を突き止めるため、100人以上の森林当局職員による大規模な捜索活動を進めているという。
地域の森林管理官クルディープ・ミーナさんは、「前例のない事態だ。オスのゾウ1頭がこのような大勢の死亡と関連するのは、この地域では初めてだ」と説明した。
これ以上の人命や財産の損失を防ぐため、地域全体が厳戒態勢に置かれているとミーナさんは言い、問題のゾウを追跡し、捕獲し、安全に野生に戻すことが最優先事項だと述べた。
森林当局によると、このゾウは若く機敏で、特に夜間は頻繁に居場所を変えるため、追跡が困難だという。当局は、伝統的なドラムの警報を使って住民に警告を発し、夜は屋外に出たり、外で寝たりしないよう呼びかけている。
森林管理官のミーナさんによると、今回のゾウは男性ホルモンの増加で攻撃性が高まる交尾期にある様子が、これまでの分析からうかがえる。当局は、そうした攻撃的な行動は通常15~20日で収まるとしている。
当局はまた、このゾウは群れからはぐれた可能性があると指摘。現在地を突き止め、森の中で再び他のゾウたちと合流できるようにする必要があるとしている。








