高市首相、就任3カ月で衆院解散を表明 総選挙へ

えんじ色の幕を背に演台に向かって話す首相。紺のスーツを着ている

画像提供, Reuters

画像説明, 衆議院の解散と総選挙の実施を発表する高市早苗首相(19日、官邸)

コー・ユー記者

日本の高市早苗首相は19日、衆議院を23日に解散すると表明した。総選挙が27日公示、2月8日投開票で実施される。高市氏はその選挙を通じ、政権基盤を強力なものにしたい考えを示した。

高市氏はこの日の記者会見で、解散は「国民と一緒に日本の針路を決める」「重い重い決断」だと述べた。そして、国家運営を自分に任せてほしいと語った。

このタイミングで衆院を解散することについては、「高市早苗が、内閣総理大臣で良いのかどうか、今、主権者たる国民の皆様に決めていただく、それしかない」と述べた。

そして、首相就任当初から、「高市内閣が政権選択選挙の洗礼を受けていないということを、ずっと、気にかけてきた」と説明した。

高市氏は昨年10月に首相に就任し、内閣を発足させてから、国民の高い支持を得てきた。

衆議院の465議席を争う総選挙では、生活費の高騰が有権者の最大の関心事となる中、公共支出の拡大などが有権者に支持されるか試される。

高市氏が党首を務める自民党は現在、衆議院で第1党として199議席(無所属の会の3議席を含む)を保有している。日本維新の会と連立を組むことで、過半数をわずかに上回っている。

保守派の故安倍晋三元首相の弟子にあたり、イギリスのマーガレット・サッチャー元首相を敬愛していると話す高市氏は、日本初の女性首相で、日本版「鉄の女」とも呼ばれる。

昨年12月に閣議決定された2026年度予算案では、防衛費が9兆円を超え過去最高となった。日本政府は中国に対する懸念を強めており、中国の軍事活動を「最大の戦略的な挑戦」と位置づけている。

高市氏は昨年11月、中国が台湾を攻撃した場合、日本は自衛隊で対応できると発言。中国はこれに強く反発し、それ以来、両国関係は過去10年以上での最低水準にまで落ち込んでいる。

一方で高市氏は、アメリカとの緊密な関係を追求してきた。昨年10月にドナルド・トランプ米大統領が訪日した際には、互いに称賛し合い、レアアース(希土類)に関する協定に署名。日米関係の新たな「黄金時代」を告げる文書にも署名した。

国内政策では、高市氏は経済成長を促進させようと、政府主導の大規模な支出を提唱している。「アベノミクス」で実施された経済刺激策の再現とみる向きもある。

昨年12月の時点で、高市氏とその政権の支持率は、主要世論調査で60~80%となっていた。

この人気によって、自民党が衆院で単独過半数を確保し、より大胆な政策を容易に進められるようにすることが高市氏の望みだと、静岡大学経営情報学部の竹下誠二郎教授はBBCワールドサービスのポッドキャスト「アジア・スペシフィック」で話した。

「彼女は自身の立場を固め、のちのち物事を円滑に進められるようにしたいと考えている」

しかし、解散・総選挙という高市氏のギャンブルには、相応のリスクが伴う。

自民党の指導力は揺らいでいる。高市氏はこの5年間で4人目の首相だ。前任の首相らは、支持率の低下やスキャンダルで、党総裁の任期を全うせずに首相の座から降りている。

直近の前任者の石破茂前首相も、就任から間もなく、解散・総選挙に打って出た。その結果、自民党は過去最悪レベルまで議席数を減らし、衆院での過半数を失った

さらに直面することになる課題が、新しく合体した野党の存在だ。最大野党の立憲民主党は先週、かつて自民党が長年にわたり連立した公明党と中道系の新党を結成した。

「中道改革連合」という名称のこの新党は、来月の総選挙で自民党と争うことになる。

高市氏は会見で、国民生活や物価上昇に影響を与える経済運営に空白をつくらない「万全の体制を整えた上での」衆院解散だと主張した。

米テンプル大学日本校のジェフリー・キングストン教授(アジア研究)はBBCに、高市氏が期待しているのは「自分が公約を実現すると、国民が信用すること」だと話した。

そして、同氏の高い支持率について、「今後は下がる一方なので、長期のハネムーン期間(新政権発足直後の好意的な目が向けられやすい期間)の恩恵をここで確保しておきたいと考えている」と付け加えた。