トランプ氏と高市氏が会談 日米「黄金時代」に関する合意文書に署名

トランプ氏と高市氏が横並びで立って笑顔を見せている。背後には日米の国旗が立てられている

画像提供, Getty Images

画像説明, 署名した合意文書を手にするトランプ米大統領(左)と高市首相(28日、東京・迎賓館)

ドナルド・トランプ米大統領と高市早苗首相が28日午前、東京・元赤坂の迎賓館で会談した。両首脳はその後、署名式に臨み、日米の関係強化とレアアースに関する合意文書に署名した。

両首脳が署名したのは、日米関係の新たな「黄金時代」を示す文書と、重要な鉱物に関する文書。

「黄金時代」の文書は、戦略的投資と両国共通の国益に関し、今年初めに双方が交わした合意に関するもの。一方、重要鉱物の文書は、レアアース供給確保の枠組みを示す内容となっている。日本はレアアースが豊富なことが知られているが、多くは海中にあるため採掘が難しい。

署名式でトランプ氏は、日本はアメリカにとって「最強レベルの同盟国」だとたたえた。また、首相に就任して間もない高市氏を「偉大な首相の一人」と評し、日本に初めて女性の首相が誕生したのは「大きなこと」だと述べた。

両首脳はこの日午前、迎賓館に到着すると、自衛隊の楽隊による日米の国歌や行進曲の演奏で迎えられ、儀仗(ぎじょう)隊の栄誉礼を受けた。

トランプ氏と高市氏が中央の壇上に並んで立ち、両横にはそれぞれの側近らが整列した。トランプ氏の脇には、マルコ・ルビオ国務長官、スコット・ベッセント財務長官、ハワード・ラトニック商務長官らが並んだ。スージー・ワイルズ大統領首席補佐官、スティーヴン・ミラー次席補佐官(政策担当)もいた。

両首脳らはその後、テーブルを挟んで着席。トランプ氏に同行取材しているBBCのアンソニー・ザーカー北米特派員によると、野球、花火、桜の話題で会談が始まった。

高市氏は、開催中の米大リーグ・ワールドシリーズのロサンゼルス・ドジャースの試合を、到着したばかりのトランプ氏と一緒に少し観戦したと述べた。

高市氏はまた、アメリカが来年建国250年を迎えることに触れ、桜と日本製の花火を贈ると約束した。

トランプ氏はこれに気を良くした様子だったが、日本の防衛費を国内総生産(GDP)の2%に引き上げると高市氏が約束したことを、よりいっそう歓迎したかもしれないと、ザーカー記者は伝えた。

トランプ氏は、アメリカにとって日本ほど親密な同盟国はないと述べた。また、自分の良い友人だった故・安倍晋三元首相が、高市氏のことを高く評価していたと話した。

トランプ氏と高市氏が壇上に立っている。両脇には日米両国の政府高官らが並んで立っている

画像提供, AFP via Getty Images

画像説明, 自衛隊の儀仗(ぎじょう)隊の栄誉礼を受ける両国の首脳ら(28日、東京・迎賓館)
トランプ氏と高市氏がテーブルを挟んで立っている。高市氏がトランプ氏を見て右手を差し出し、トランプ氏は横を向いて笑顔を見せている

画像提供, Getty Images

画像説明, 会談に臨むトランプ氏(左)と高市氏(右)
両国の代表団がテーブルを挟んで向き合っている

画像提供, BBC/Anthony Zurcher

BBCのシャイマ・ハリル東京特派員によると、会談の冒頭で高市氏は、二国間関係は「世界で最も偉大な同盟」になったと述べた。また、中東和平を推進したとトランプ氏の役割を称賛した。

ハリル特派員は、トランプ氏が高市氏にとりわけ好意的な姿勢を示したと指摘。大統領は首相に、「あなたに伝えておきたい。質問、疑問、欲しいもの、頼みごと、日本のためにできることがあれば何でも、私たちはあなたの役に立つ」と述べたという。

ハリル特派員はさらに日本政府関係者の話として、高市氏がトランプ氏に、ノーベル平和賞に推薦する予定だと伝えるつもりだと伝えている。

日米間では、関税や日本の防衛費、アメリカ産農産物の購入、アメリカへの投資などが論点となっており、首脳会談ではこれらが話し合われたとみられる。

拉致被害者家族と面会

トランプ氏はその後、北朝鮮による拉致被害者家族と面会し、高市首相も同席した。トランプ氏は大統領1期目にも、拉致被害者家族と面会している。

トランプ氏は、「私は以前も家族の人たちに会っているし、ずっと支えている。アメリカもずっと支えている」と述べた。

「私たちは何もしていない。あまりに忙しくて」、「だが、できる限りのことをする」とも話した。

日米両首脳が中央に立ち、両脇に拉致被害者家族が被害者の写真を手にして立っている

画像提供, Getty Images

画像説明, 北朝鮮による拉致被害者家族と並ぶトランプ氏と高市氏(28日、東京・迎賓館)

横須賀基地の米空母で演説

動画説明, 戦争は「しない方がいい」が……防衛から日米関係まで、トランプ氏が米海軍横須賀基地で演説

トランプ氏はこの日午後、大統領専用ヘリコプター「マリーン・ワン」で神奈川・横須賀の米軍基地に向かい、停泊中の米原子力空母「ジョージ・ワシントン」に降り立った。高市氏も同乗した。

トランプ氏は艦内で米兵らを前に演説。「歴代政権とは異なり、私たちは政治的に正しくあろうとはしない。それでも構わないだろう? アメリカを守るためなら」と述べると、喝采を浴びた。

そして、「これからは、戦争になれば、その戦争に勝つ」と言った。

トランプ氏はその後、高市氏を演壇に招き、「親しい友人」と紹介。「私たちのきずなは、ひどい戦争の灰の中から生まれ、80年以上かけて成長し、現在のような美しい友情になった」と述べた。

続いて高市氏が演説し、6年前にこの同じ場所で、安倍元首相とトランプ氏が、この地域の平和と安全を確かなものにするために協力する決意を示したと述べた。

高市氏はまた、両国は安全保障の面で、かつてない厳しい環境に直面していると説明。「平和は言葉だけではなく、確固たる決意と行動によってこそ守られる」と述べた。

さらに、日本は防衛力を根本的に強化し、地域の平和と安定に一層積極的に貢献する用意があると付け加えた。

トランプ氏と高市氏が演台に並んで立っている。背後には迷彩服を着た米兵がたくさん並んでいる

画像提供, The White House

画像説明, トランプ氏と高市氏は、米空母の艦内で米兵らに向けて演説した(28日)

トランプ氏にとって日本は、今回のアジア歴訪で2番目の訪問国。トランプ氏は26日にマレーシアに到着し、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席した。29日に韓国に移動し、31日に同国で開幕するアジア経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する予定。