トランプ氏、米がグリーンランドを「所有」する必要があるのはロシアや中国から守るためと

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ドナルド・トランプ米大統領は9日、アメリカがグリーンランドを「所有」する必要があるのだと述べ、その理由は、ロシアと中国がグリーンランドをとるのを防ぐためだと話した。
トランプ氏はBBCの質問に答えて、「国と言うのは、所有権を持たなくてはならないし、所有権を守るのであって、リースを守ったりしない。我々はこの先、グリーンランドを守らなくてはならない」と、記者団を前に話した。
さらに大統領は、「簡単な方法」でやるか、さもなければ「難しい方法」でやるとも付け足した。
ホワイトハウスは7日にも、グリーンランドの購入を検討していると述べたが、武力による併合の選択肢も否定していない。
グリーンランドは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国デンマークが保有する準自治領。
デンマークとグリーンランドは、グリーンランドは売り物ではないと反発している。デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、アメリカが軍事力でグリーンランドを奪うようなことがあれば、それはNATOの終わりを意味すると述べている。

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グリーンランドは人口密度がきわめて低い土地だが、北米と北極の間に位置するため、ミサイル攻撃の早期警戒システムや、船舶監視の拠点に適している。
トランプ氏はかねて証拠を示さないまま、グリーンランドがアメリカの国家安全保障にとって不可欠だと繰り返し、「ロシアと中国の船がそこら中にいる」と主張してきた。
アメリカはすでに第2次世界大戦以来、グリーンランド北西端のピトゥフィク基地に兵100人以上を恒久的に駐留させている。
デンマークとの既存の協定では、アメリカは自らの判断でどのような規模の部隊でもグリーンランドに派遣する権限を持っている。
しかしトランプ氏は9日に記者団に対し、リース契約では不十分だと述べた。
「国というのは、9年契約や、たとえ100年契約でも、そのようなものを結ぶことなどできない」と述べ、必要なのは所有権だと話した。
「私は中国の人たちが好きだし、ロシアの人たちも好きだ」、「だが、私は彼らがグリーンランドの隣人になってもらいたくないし、そんなことにはさせない」と、トランプ氏は強調。「ちなみに、NATOもこのことを理解しないとならない」とも述べた。
デンマークと同様にNATO加盟国の主要な欧州諸国とカナダは今月6日、「デンマークとグリーンランドだけが、自分たちの関係に関する事柄を決められる」と再確認する共同声明を出し、デンマークを支持した。
欧州諸国とカナダは、自分たちはアメリカと同じように北極圏の安全保障を重視しているのだと強調。それは、アメリカを含む同盟諸国が「共同で」達成すべきものだと述べたほか、「国連憲章の原則、主権、領土保全、国境の不可侵を守る」よう求めた。
グリーンランドの将来への懸念は、トランプ政権が今月3日に軍事力によって南米ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束した事態を受けて、再燃している。
トランプ氏米はかつて1期目の2019年にもグリーンランドを買うと提案し、売却対象ではないと当時も告げられていた。
マルコ・ルビオ米国務長官は来週にも、デンマークと協議する予定。
天然資源が豊富なグリーンランドについては近年、気候変動で氷床が溶けるにつれ、レアアース、ウラン、鉄などが採取しやすくなっており、その意味でも関心も高まっている。科学者たちは、この地域には石油とガスが大量に埋蔵されている可能性があると考えている。
他方、グリーンランドの野党を含む政党幹部は9日夜、「アメリカはこの国の意向をないがしろにするのをやめる」よう、共同声明であらためて要求した。
「我々はアメリカ人になりたいわけではないし、デンマーク人になりたいわけでもない。我々はグリーンランド人でいたいのだ」と、グリーンランドの各政党幹部は述べ、「グリーンランドの未来は、グリーンランドの人々が決めるべきだ」と強調した。











