トランプ氏、ジュリアーニ元顧問弁護士ら数十人に恩赦 2020年大統領選の結果覆そうと画策

ダークスーツに赤いネクタイを着けたジュリアーニ氏が、メディアに話をしている

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画像説明, トランプ米大統領は自身の顧問弁護士だったルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長に恩赦を与えた。ジュリアーニ氏は2020年大統領選の開票作業をめぐり、2023年に名誉棄損で210億円の支払いを命じられた

アメリカのドナルド・トランプ大統領は10日、第1次政権で自身の顧問弁護士を務めたルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長ら数十人に恩赦を与えた。ジュリアーニ氏らは、2020年米大統領選の結果を覆そうとしたとして起訴された。

第1次トランプ政権のマーク・メドウズ元大統領首席補佐官にも恩赦が与えられた。トランプ氏は、「国による重大な不正義を終わらせる」と誓った。

恩赦の対象には、いわゆる「偽の選挙人」も含まれていた。彼らは、2020年大統領選での民主党候補ジョー・バイデン氏の勝利を認定する手続きを乗っ取ろうとしたとして起訴された。

しかし、トランプ氏による今回の動きは主に象徴的なものにとどまる。恩赦の対象者は全員、州レベルの検察官に起訴されているが、恩赦は連邦犯罪にしか適用されない。

司法省の弁護士エド・マーティン氏は、ソーシャルメディアで「完全かつ無条件の恩赦」を発表。文書は、この恩赦は「国家的和解のプロセス」を継続するものだと主張している。

ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官はBBCに宛てた声明で、「選挙結果に異議を唱えて起訴されるのは共産主義のヴェネズエラでは起きても、アメリカでは起こりえない。トランプ大統領は、バイデン政権の共産主義的手法を完全に終わらせようとしている」と説明した。

今回の恩赦はトランプ氏自身には適用されない。トランプ氏は自分は不正行為をしていないとし、大統領は自分自身に恩赦を与える権限を持つと長らく主張してきた。しかし、実際に自分自身に恩赦を与えようとすれば、法的な異議申し立てが予想される。

ジュリアーニ元ニューヨーク市長は、2020年大統領選の開票作業をめぐり、ジョージア州の選挙管理職員が不正を行ったと主張して名誉毀損(きそん)で訴えられた。首都ワシントンの連邦地裁の陪審は2023年12月、選挙職員2人に計1億4800ドル(約210億円)を支払うよう、ジュリアーニ弁護士に命じた。この6日後、ジュリアーニ氏はニューヨーク市の裁判所に破産を申請した

2021年には、首都ワシントンとニューヨーク州の弁護士資格が停止された

黒いハイネックのトップスにヒョウ柄のカーディガンを着たシドニー・パウエル氏が、前方を見て話をしている。後ろにはジェナ・エリス氏が微笑んで立っている

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画像説明, トランプ氏の元弁護士シドニー・パウエル氏(中央)とジェナ・エリス氏(左)も恩赦を受けた

トランプ氏の元弁護士シドニー・パウエル氏、ジェナ・エリス氏、ジョン・イーストマン氏、ケネス・チェスブロ氏も恩赦を受けた。4人は2020年大統領選の結果を覆そうと法的異議を申し立てたが、いずれも敗訴している。

パウエル元弁護士は大統領選の後、電子投票システムによって数百万もの票がバイデン氏への票に振り替えられ、民主党は「共産主義者の資金」のおかげで勝利したと主張した。この発言を受け、トランプ陣営は同氏と距離を置くようになった。

バイデン前政権下では、トランプ氏自身も2020年大統領選での敗北を覆そうとしたとして起訴された。しかし、トランプ氏が大統領に再選した後、現職大統領の訴追を禁止する司法省の方針を理由起訴は取り下げられた

2020年大統領選をめぐっては、アリゾナ、ジョージア、ネヴァダ、ミシガン、ウィスコンシン各州でも、トランプ氏の側近らに対する訴訟が起きたが、その一部は停滞または棄却されている。

今年9月にはミシガン州の判事が、2020年大統領選でトランプ氏が勝利したとする偽の選挙人名簿を作成した偽造および共謀の罪に問われた、共和党員15人に対する訴えを棄却した。

投票結果を州選挙委員会と知事が認定することで、どの党の選挙人が選挙人団投票で投票するかが決まる。

選挙人は通常、選挙結果に応じて、その州で最多得票を得て勝った自党の候補に投票すると誓約している。