イスラエル軍、戦車でガザ市の主要住宅地区に進入 地上作戦2日目

画像提供, Amir Levy/Getty Images
イスラエル軍がパレスチナ・ガザ市で開始した地上作戦の2日目の17日、市内の主要住宅地域にイスラエル軍の戦車や軍用車など数十台が進入した。住民や目撃者らが話した。
現地で撮影された様子の映像では、戦車やブルドーザー、装甲兵員輸送車が、ガザ市北部のシェイク・ラドワン地区の端へと移動している。イスラエル軍が砲弾や発煙弾を発射し、厚い煙が立ち込めている。
シェイク・ラドワン地区は、現在の戦争が始まる前には何万人もの住民が暮らし、市内有数の人口密集地のひとつとされていた。イスラエル軍がこの地区を制圧すれば、市中心部への到達が見えてくると、住民らは話している。
同地区の住民らによると、建物や主要道路への激しい空爆に続いて、戦車などが進入してきたという。
住民のニダル・アル・シェルビさんはBBCアラビア語の番組で、「昨夜はとても大変だった。夜から明け方まで爆発と砲撃が続いた」、「イスラエル軍の車両がシェイク・ラドワン、タル・アル・ハワ、そしてシェジャイヤからも進入してきた。ものすごく恐ろしい夜だった」と話した。
この日早くに家族と南へと避難したサード・ハマダさんは、「ドローンが何もかも破壊した。ソーラーパネル、発電機、貯水タンク、インターネット網までやられた」、「生活できなくなり、ほとんどの人は危険を覚悟の上で移動するしかなくなっている」とBBCに話した。

画像提供, Getty Images
ガザ市の道路を戦車が走る映像は、同市の住民、その中でも西部と中央部に住む人々に、パニックを引き起こしている。以前の侵攻で、地域全体が完全に破壊された時の記憶がよみがえってくると、住民らは話している。
シェイク・ラドワン地区へのイスラエル軍の侵攻を受け、新たに何千もの家族が南へと逃れている。同軍が避難路としている道路には、荷物を積んだ自動車や荷車の長い列ができている。

画像提供, Reuters
イスラエル国防軍(IDF)は17日朝、地上部隊の支援を目的に、2日間でガザ市全域の150以上の標的を攻撃したと発表した。
イスラエルのメディアによると、IDFは今回の作戦で、遠隔操作できるように改造した、爆発物を積んだ古い軍用車両も使っている。ハマスの陣地まで走らせ、爆発させているという。
イスラエルはガザ市を、イスラム組織ハマスの「最後の主要拠点」と位置づけている。今回の地上作戦については、ハマスが拘束している人質の解放と、最大3000人のハマス戦闘員の打倒が目的だとしている。この作戦は、国際社会から広く非難されている。
「道徳に反するほど非人道的」
「セーブ・ザ・チルドレン」や「オックスファム」など20以上の国際人道支援団体のリーダーらは、「ガザの状況は、道徳に反するほど非人道的だ」と警告した。
支援組織や国連機関などは、避難先となっている「人道的地域」は過密状態で、想定される約200万人のパレスチナ人避難者を支えるには不十分だとしている。
イスラエル軍の命令に従って避難してきた人の中には、テントを張る場所を見つけられず、北へと戻った人もいるとされる。
ガザ北部で暮らすムニール・アザムさんは、「毎日、避難を命じるビラが投げつけられる。だが、イスラエル軍があらゆる方向から建物を砲撃している」、「どこに行けばいいのか。南部に避難できる場所はない」とBBCに話した。
IDFは16日、ガザ市から約35万人が避難したと発表した。国連は、8月以降の同市からの避難者は19万人だとしている。現在、推定で少なくとも65万人が市内に残っている。
ハマス主導の武装集団は2023年10月7日、イスラエル南部を攻撃し、約1200人を殺害、251人を人質に取った。それを受け、イスラエルはガザでの戦争を開始した。
ハマスが運営するガザ保健当局によると、それ以来、イスラエルの攻撃で少なくとも6万5062人がガザで死亡している。ほぼ半数は女性と子どもだという。
ガザ保健当局は17日、イスラエル軍の攻撃により、過去24時間で98人が殺害され、385人が負傷したと発表した。また、4人が栄養不良で死亡したとし、8月下旬にガザ市で飢饉(ききん)が宣言されて以降の栄養不良に関連した死者は154人に上ったと付け加えた












