戦闘休止の2日間延長で合意、カタール発表 双方の第4陣が帰還

ハマスの人質にされていたイスラエル人の3歳の双子とその母親も27日に解放された(撮影日不明)

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イスラエルとイスラム組織ハマスが、パレスチナ自治区ガザ地区での4日間の戦闘休止を2日間延長することで合意した。仲介役のカタールが27日、発表した。戦闘休止4日目のこの日、ハマスはイスラエル人の人質11人と、それ以外の国籍の人々19人を解放。イスラエルも、収監していたパレスチナ人33人を釈放した。

カタール外務省のマジド・アル・アンサリ報道官は27日午後、「進行中の仲介の一環として、ガザ地区の人道的休止を2日間延長することで合意に達した」と、X(旧ツイッター)で発表した

ハマスは「同じ条件」で延長が実施されると説明した。最初の合意では、パレスチナ人の囚人150人と引き換えにイスラエル人の人質50人を解放するとされた。

イスラエルはまだコメントしていない。延長についてはこれまで、人質10人を解放するごとに戦闘を1日休止するとしている。

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イスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官は27日夜の記者会見で、「実現するまで、決定的なことは何もない。今夜も事態は進展しているが、忍耐が必要だ」と述べた。

アメリカのジョン・カービー国家安全保障会議(NSC)戦略広報調整官は、米政府としてこの延長を歓迎すると表明。

「現在の人道的休止は、戦闘停止と人道支援の急増をすでにもたらしている。この休止を延長すべく、ハマスは今後2日間でさらに20人の女性と子どもを解放すると約束した」と述べた。

そして、「私たちも当然、休止の延長を望んでいるが、それはハマスが人質の解放を続けるかどうかにかかっている」とした。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は26日夜のビデオ声明で、「最終的には全力で目標を実現させる。ハマスの排除、ガザが元の状態に戻らないようにすること、そしてもちろん人質全員の解放だ」と述べている。

10月7日のハマスによるイスラエル襲撃では、少なくとも1200人が殺害され、約240人が人質に取られた。以来、イスラエルはガザ地区を武力攻撃し、ハマスと戦闘している。

ガザ地区のハマス政権は、今回の戦争が始まってから1万4800人以上が地区内で殺害されたとしている。

人質11人と外国人19人解放

イスラエル当局によると、27日にはイスラエル人の人質11人が解放された。3歳の双子とその母親、18歳の若者とその母親、さらに別の子ども6人だという。

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全員、イスラエル南部のニル・オズという同じキブツ(農業共同体)の住民だとされる。

イスラエル軍は、解放された人質がイスラエル領内に入ったとした。子どもたちの父親は全員、ガザ地区に残されているという。

カタールによると、解放された人質にはフランス、ドイツ、アルゼンチンの国籍をもつ人々も含まれているという。

ハマスはまた、別の合意に基づき、イスラエル人ではない19人も引き渡した。うち1人はイスラエルの市民権をもっているとされる。

パレスチナ囚人33人も釈放

イスラエルの刑務所に収監されていたパレスチナ人も、さらに釈放された様子。ロイター通信はハマス系メディアの報道として、子ども30人と女性3人が釈放されたと伝えた。また、釈放された人々を乗せたバスがヨルダン川西岸のラマラに到着したとした。

AFP通信はイスラエル刑務所当局の話として、囚人33人が釈放されたと報じた。

こうした報道に先立ち、ハマスとカタールは、子ども30人と女性3人の計33人のパレスチナ人が釈放される予定だと明らかにしていた。

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ハマスは24日からの3日間でイスラエル人39人を解放。この日、11人が加わって50人となった。ハマスはイスラエルやイギリス、その他の西側諸国がテロ組織に指定している

パレスチナ当局者は26日の時点で、ハマスには人質をさらに40人まで解放する用意があるとBBCに話していた。イスラエルが提示した条件に照らすと、戦闘休止が4日間延長されることになる。

一方、イスラエルは26日までの3日間でパレスチナ人の囚人117人を釈放した。27日の33人を足すと150人になる。

イスラエル当局者は同日の人質解放前の時点で、184人がガザ地区で拘束されたままだとしていた。これにはイスラエル人以外の14人と、二重国籍のイスラエル人80人が含まれるとしていた。

イスラエルは、1日ごとに小規模の人質解放を実現させるアプローチに傾いているとされる。また、人質解放のプロセスが終了した時点でガザ地区での戦争を再開するため、準備を整えていると明らかにしている。

人質から解放後、小児病院で父親と再会したイスラエル人少年(26日、イスラエル中部ペタ・ティクヴァ)

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ガザ地区南部ハンユニスの難民キャンプがあった場所はがれきが広がっている(27日)

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画像説明, ガザ地区南部ハンユニスの難民キャンプがあった場所には、がれきが広がっている(27日)

ガザの人道危機続く

人道危機が深まるガザ地区への支援物資の輸送が、戦闘休止を受け、大幅に増加している。

国連は支援物資の搬入を増やしているが、ガザ住民らに届いているのは膨大な必要量のごくわずかでしかないと警告している。

ガザ地区ではここ数日、大雨が降り続け、気温も下がっている。

動画説明, テント生活の避難者たち、冬用の服や毛布もなく……ガザ地区からBBC記者報告

現地で取材しているBBCのアドナン・エルブルシュ記者は、状況は非常に悪いと報告。特に、十分な防寒着もなくテントで暮らしている避難家族にとっては厳しい環境だとし、「そうした人々の多くが、がれきの中から古着や毛布などを探すために、破壊された家に戻っている」と伝えた。

ガザ地区からイギリスに戻った外科医は、現地の病院の状況について「破滅的」だと述べた。子どもたちの傷口にはうじ虫がわいていたが、物資不足のため食器用の洗剤で洗うしかなかったと話した。