ハマスが人質の第3陣17人を解放、イスラエルは39人釈放 双方が戦闘休止の延長示唆

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イスラム組織ハマスは26日、パレスチナ自治区ガザ地区で拘束する人質のうち新たに17人を解放した。イスラエルはこれと引き換えに、国内の刑務所に収監していたパレスチナ人39人を釈放した。現在の戦闘休止合意の期限が迫る中、ハマスとイスラエルは戦闘休止をさらに延長する可能性を示唆している。
ハマスが解放した人質は、子供9人を含むイスラエル人14人とタイ人3人。イスラエルとアメリカの二重国籍を持つ、4歳の少女アヴィガイル・アイダンちゃんも含まれる。
イスラエル軍は、この日に解放された人質全員がイスラエル国内に入ったことを発表した。このうち12人は南部ベエルシェバの西にあるハッツェリム空軍基地に移送され、診察を受けた後、病院に搬送され、家族と再会するとした。
イスラエル人の人質のうち1人は、イスラエル側へ戻るとすぐに、ヘリコプターで病院に搬送された。イスラエル・メディアは、重体の84歳イスラエル人女性が、イスラエル側に引き渡された後、直接病院に搬送されたと伝えた。
他方、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区ラマラでは26日、戦闘休止合意の一環で釈放されたパレスチナ人の帰還を大勢が喜んだ。

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戦闘休止の延長を模索
イスラエルとハマスが合意したガザ地区での4日間の戦闘休止はこの日、3日目に入った。この3日間で解放されたハマスの人質は計54人、イスラエルに釈放されたパレスチナ人は計117人となった。
イスラエルとハマスの4日間の戦闘休止合意は、27日でその期限が切れる。
24日に始まった現在の戦闘休止合意では、150人のパレスチナ人受刑者と引き換えに、4日間で計50人のハマスの人質が解放されることになっている。
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4日間の戦期限が翌日に迫るなか、イスラエルとハマスの双方は戦闘休止延長の方向に向かっているようだと、ヨルダン川西岸地区で取材するBBCのルーシー・ウィリアムソン記者はみている。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は26日、ジョー・バイデン米大統領との電話会談で当初の合意通り、10人の人質が解放されるごとに、戦闘休止を1日延長することを受け入れるとした。ただ、戦闘休止が終わればガザ地区での作戦を再開すると伝えた。
米ホワイトハウスによると、ネタニヤフ氏とバイデン氏は「人質全員の解放を確保するために努力を継続する」ことで一致したという。
ハマスの側も、戦闘休止期間を延長し、解放する人質の人数を増やす意向を示している。
ハマスは声明で、「戦闘休止合意に明記されているように、解放する人質の人数を懸命に増やすことで、4日間の期限終了後にも戦闘休止を延長できるよう、模索している」とした。
カタールで行われている人質解放交渉に詳しいパレスチナの高官も、ハマスが交渉仲介役に対して戦闘休止を2〜4日延長する意向を示していると、BBCに語った。
延長が実現すれば、イスラエルで収監されているパレスチナ人がさらに20〜40人釈放される可能性がある。
両親を殺され、拘束中に4歳に
10月7日にハマスの奇襲でイスラエル南部から連れ去られたアヴィガイル・アイダンちゃんは、拘束下で4歳の誕生日を迎え、26日に解放された。アイダンちゃんの両親は、襲撃時にハマスの武装集団に殺害された。
親族は「今日という日が来ることを願い、祈っていた」と話した。「アヴィガイルが無事に戻ってきたことへの安堵と感謝を表す言葉がみつからない」。大おばのリズ・ハーシュ・ナフタリさんと、いとこのノア・ナフタリさんは声明でこう述べた。
また、解放に尽力したバイデン大統領やカタール政府などに感謝するとともに、残りの人質の解放を求めた。
人質解放は「集中的な外交」の結果
バイデン氏は先に、アヴィガイルちゃんは「恐ろしいトラウマ」を経験した、彼女が「耐えたものは想像を絶する」と記者団に述べた。アヴィガイルちゃんの周りの人たちが「愛と思いやり」で彼女を包むだろうとも話し、「アメリカの集中的な外交」による解放実現だとした。
「我々は圧力をかけ続け、さらに多くのアメリカ人が解放されることを期待している」、「人質全員が愛する人のもとに戻るまで、我々は取り組みをやめない」と、バイデン氏は述べた。
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ハマスが26日に解放した人質には、イスラエル人のハガル・ブロダッチさん(40)と娘オフリさん、息子ユヴァルさん(8)、息子オリアくん(4)も含まれる。

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ハマスの奇襲を受けたイスラエル南部のキブツ(農業共同体)ニル・オズの自宅から連れ去られた、ダフナ・エルヤキさん(15)とエラ・エルヤキムさん(8)姉妹は、母親マーヤン・ジンさんと再会した。
母親は、娘たちが戻ってきたことを喜んでいるものの、「悲しみが混じった喜び」だと声明で述べた。
「娘たちがここにいることはうれしい。しかし、まだ帰ってきていない人たちがいるのは、悲しい。全員が無事に家に戻るまで、私の心は完全には回復しない」
娘たちが誘拐されて以降、「絶望と希望のはざまで、苦しみと前向きな気持ちのはざま」で過ごしてきたと、母親は述べた。
「娘たちは、新しい複雑な状況へと戻ってきた。これからは回復のために時間がかかる」

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釈放されたパレスチナ人「屈辱」語る
戦闘休止初日の23日にイスラエルの刑務所から釈放されたパレスチナ人は、刑務所での生活は「屈辱的」だったと語った。
刑務所に収監されていたサラ・アル・スワイサ氏は、収監者に対してペッパースプレーが使用されていたとした。
自分たちは暗い部屋に閉じ込められ、「寒くてつらかった」と主張。「私たちの苦しみに共感したのは、ハマスだけだ」と付け加えた。













