トランプ前大統領が出廷、裁判を「でたらめ」と非難 一族企業めぐる民事訴訟

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アメリカのドナルド・トランプ前大統領は2日、経営する企業が不正に利益を得ていたとして訴えられた民事裁判で出廷し、裁判官と検察官を非難した。裁判の結果によっては、一族のビジネス帝国が揺らぎかねない状況となっている。
トランプ前大統領は任意でニューヨーク州裁判所に出廷した。青色のスーツに身を包み、前方を見ながら、提訴したレティシア・ジェイムズ州司法長官の横を通って法廷に入った。
最前列に座っていたジェイムズ氏は視線をそらした。
この裁判では、前大統領、企業「トランプ・オーガナイゼーション」、同社の幹部数人、前大統領の息子2人(ドナルド・ジュニア氏とエリック氏)が被告となっている。
前大統領らは、詐欺、ビジネス記録の改ざん、虚偽の財務諸表の発行、共謀に関わったとされている。
開廷すると、前大統領はアーサー・エンゴロン判事の方に時折視線を向けながら、主張を展開した。
法廷の外で非難
この数分前には、前大統領は法廷の外で記者団に向かい、同判事を「悪党の裁定者」と非難。その声は裁判所内に響き渡った。
ジェイムズ州司法長官についても批判。「これはペテンだ、でたらめだ。言っておくが、私の財務諸表は驚異的だ」、「犯罪はなかった。犯罪は私に対して行われた」と主張した。

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前大統領の個人攻撃ぶりからは、傍聴人らでいっぱいの法廷が緊迫した空気に包まれることが予想された。しかし、今回の法廷ドラマの鍵を握る3人が直接やり合う場面はほとんどなかった。
検察が主張を述べる間、前大統領はじっと座り、時折弁護団にささやいていた。
一方、ジェイムズ州司法長官は、自らのチームの検事がビジュアル素材を使って主張を展開するのをじっと見ていた。

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検察は、トランプ前大統領とその他の被告らが意図的かつ継続的に不正を行い、前大統領は1億ドル(約150億円)超の利益を得たと主張した。
今回の訴訟の軸となるこの訴えをめぐっては、エンゴロン判事が先週、前大統領に不利な略式判決を出している。同判事は前大統領について、有利な銀行融資を受けるため、不動産を数億ドル規模で過大評価したと認定した。
この日の法廷では、検察に続き、前大統領の弁護団が主張を展開。アリーナ・ハバ氏は、前大統領が資産の価値を膨らませたことはないとし、私邸があるフロリダ州のリゾート「マール・ア・ラーゴ」は少なくとも10億ドルで売れると訴えた。
ハバ氏はまた、ジェイムズ州司法長官が政治的な動機に基づいて提訴したと主張。これに対してはエンゴロン判事が怒りをあらわにし、すでに退けた主張だと述べた。
前大統領の元会計士が証人に
昼食を挟んだ午後の法廷では、検察側の最初の証人として、トランプ前大統領の会計士だったドナルド・ベンダー氏が証言した。同氏は昨年、トランプ・オーガナイゼーションに対する刑事裁判で証人となり、同社がボーナスやぜいたくな手当てに関して脱税を図ったと述べた。
この裁判は3カ月にわたって続くと見込まれている。陪審ではなくエンゴロン判事が判決を出す。
民事裁判なので、犯罪に当たる行為が認められても、被告らが刑務所に収監されることはない。
ジェイムズ州司法長官は、前大統領に2億5000万ドル(約375億円)の支払いと、一族のニューヨーク州でのビジネスを禁じる制裁措置を求めている。
前大統領は、自らのブランドの象徴となっている不動産のいくつかを失う可能性もある。










