米NY裁判所、トランプ氏の金融詐欺認定 「純資産を繰り返し過大申告」

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米ニューヨーク州の裁判所は26日、ドナルド・トランプ前大統領と息子らが約10年間にわたり、純資産を過大に「繰り返し」申告していたとして、詐欺で有責と認めた。同州司法長官がトランプ氏らを訴えた民事訴訟での判断。
この訴訟は、ニューヨーク州のレティシア・ジェイムズ司法長官が昨年9月に起こした。トランプ氏と成人した2人の息子、トランプ一族が経営する「トランプ・オーガナイゼーション」について、2011年から2021年にかけて純資産と資産価値を偽って申告したと主張している。
トランプ氏らの目的については、銀行融資や保険取引で有利な条件を引き出し、納税額を少なくするためだったとしている。
ニューヨーク州の裁判所の判事はこの日、「(トランプ氏側が提出した)文書には明らかに、被告らがビジネスで使用した詐欺的な評価が含まれている」と判断した。
今回の判断はトランプ氏にとって大きな打撃となる。裁判は陪審員なしで10月2日に始まる予定。短くとも12月までは続く。
トランプ氏の弁護人は26日夜に声明で、判事の決定は「誤審」だと主張した。
ジェイムズ氏はまだ六つの争点が残るこの裁判で、トランプ氏が不正に取得した2億5000万ドルの返済と、トランプ氏が地元ニューヨーク州で事業を行うことの禁止を求める。
トランプ氏側の主張
トランプ氏の弁護団は、問題になっている融資はかなり以前に行われたもので、トランプ氏の行為によって国民が被害を受けたわけではないと主張。訴えを退けるよう求めた。
トランプ氏は、いかなる不正行為も行っていないと主張している。26日の判断については、自分に偏見を持っている検察官が起こした、新たな政治的「魔女狩り」だと一蹴した。そして、「非常に政治色が強い」判事だと非難した。
弁護団は声明で、今回の判断は「基本的な法律、会計、ビジネスの原則」を無視しているとした。
裁判所は26日、トランプ・オーガナイゼーションのニューヨーク州での事業ライセンスの取り消しや、10日以内にそのプロセスを監督できる独立した監視員を推薦するよう命じた。
現在はフロリダ州に住むニューヨーク出身のトランプ氏にとって、これは法的損失だといえる。
今回の判断はトランプ氏の会社を解体させるものではないが、トランプ・タワーや、ウォール街40番地にあるトランプ・ビルディングといったニューヨークの代表的な不動産に対する支配を終わらせる可能性がある。
アーサー・エンゴロン判事は26日、訴えを却下するよう求めるトランプ氏側の訴えを却下。裁判所がすでに退けた主張をしたとして、弁護人5人にそれぞれ7500ドルの支払いを命じた。
22日の法廷弁論で、ジェイムズ司法長官事務所の弁護士は、トランプ氏は自身の会社が雇った鑑定人たちが提示した評価を過大に膨らませた声明を承認していたと述べた。
しかし、トランプ氏の弁護人の1人クリストファー・キセ氏は、トランプ氏が「投資の天才」で、「ほかの人が気付かないところに価値を見いだす達人」であることを示す行動だと主張した。
判事が声を荒げる場面も
エンゴロン判事はこの主張を受け入れず、キセ氏に何度も質問を投げかけた。時には椅子に拳をたたきつけて声を荒らげる場面もあった。
「虚偽の主張をし、それをビジネスに利用することはできない。それは、この法律で禁止されている」
略式判決ではさらに踏み込み、トランプ氏の行動は単なる金持ち自慢を超えたものであり、トランプ氏と会社は同氏の財務状況について繰り返しうそをついてきたと指摘した。
「被告の世界では、家賃規制のあるアパートには規制のないアパートと同じ価値があり、制限のある土地には制限のない土地と同じ価値があるようだ。制限が、跡形もなく消えることもあるようだ」
「それは空想世界の話であり、現実世界には存在しない」
トランプ氏はいまも、ニューヨーク州での裁判の延期を求めている。
控訴裁判所は今週、トランプ氏の訴えについて判断を下す。トランプ氏に不利な判断が出れば、同氏は残りの裁判を法廷で闘わなければならなくなる。
2024年米大統領選の共和党候補選びでリードしているトランプ氏は現在、四つの刑事事件で起訴されている。罪状は計91件。トランプ氏はいずれも無罪を主張している。










