ウクライナの反転攻勢、冬の到来まで「30日しかない」可能性=米軍トップ

米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は10日、ウクライナのロシア軍に対する反転攻勢について、活動の妨げとなる厳しい冬の到来までに残された期間は30日余りだとの見解を示した。BBCのインタビューで語った。
BBCのテレビ番組「サンデー・ウィズ・ローラ・クンスバーグ」のインタビューでミリー統合参謀本部議長は、寒さが厳しくなればウクライナの作戦遂行がより難しくなると指摘した。
ミリー氏は、攻勢の進展ペースが期待されていたよりも遅いことを認めつつ、「激しい戦争は依然続いている」と述べた。
「ウクライナ軍はいまも努力を継続し、着実に前進している」
また、反転攻勢が失敗したかどうかを判断するには時期尚早だとし、ウクライナ軍は「ロシア軍の前線を非常に安定したペースで進んでいる」と述べた。
「まだそれなりの時間、おそらく30日から45日ほど、戦う価値のある天候が続くため、ウクライナ軍の作戦は終わっていない」
「まだ終わっていない戦闘がある(中略)彼らが成し遂げようとしていることのための戦闘を終えていない」
ウクライナは今夏に開始したロシア軍に対する反転攻勢で、ロシアに占領された地域の解放を目指している。これまでのところ、わずかな成果しか得られていない。
しかし、ウクライナ軍の将官たちは、同国南部でロシア軍の「第1防衛線」を突破したと主張している。
「私はこの(戦争が)始まった当初、長期にわたる、進展の遅い、困難かつ多くの犠牲を伴う戦いになると指摘した。まさしく今、そういう状況になっている」と、ミリー氏は述べた。
英軍トップ、「ウクライナが勝ち、ロシアが負けつつある」
同じインタビューの中で、英軍制服組トップのトニー・ラダキン国防参謀総長は、「ウクライナが勝ち、ロシアが負けつつある」と述べた。
「ロシアの目的は、ウクライナを征服し、ロシアの支配下に置くことだ」
「そういうことは起きていないし、今後、決して起きない。だからウクライナが勝ちつつあると言える」と、ラダキン氏は述べた。
また、ウクライナ軍は領土奪還のための戦いで前進しており、ロシアが占領した土地の50%を奪還していると付け加えた。
ウクライナの前進スピードについては、ロシアに対する国際社会の「経済的圧力と外交的圧力」にかかっていると指摘。「こうした圧力により、ロシアは苦しんでいる」とした。
プーチン氏は「絶望的な状況」
一方で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と北朝鮮の同盟関係が、プーチン氏が絶望的な状況に置かれていることを示していると、ラダキン氏は指摘した。
また、ロシアがパートナー関係を築ける国が他にはほとんどいないことが、ロシアと北朝鮮の結びつきからうかがえるとした。
アメリカメディアは4日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が今月、ロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領と会談する計画があると報じた。ウクライナ侵攻で使用される武器の提供について話し合うという。

画像提供, Reuters
米韓両政府の間では、北朝鮮がロシアに武器を売却する見返りに何を得るのかということが懸念されている。アジアにおける北朝鮮とロシアの軍事協力が強化される可能性もある。
ラダキン氏は、北朝鮮とロシアのこうした同盟関係は、「ロシアがウクライナに侵攻したことで犯した、壊滅滅的な過ちを反映している」と指摘した。
同時に、ロシアの国内情勢をも映し出しているという。
「ロシア経済がひっ迫し、制裁がより大きな影響を及ぼしているという事実を見れば、ロシアにはそれほど多くの国際的パートナーがいないことが分かる」
「ロシアは国民の50万人を失っている。彼らは国外へ逃れてしまったので。少なくともあと100万人以上が出国を望んでいる」
「この戦争を支え続けるのに必要な人数の確保に苦慮している」
トランプ前米大統領について
インタビューでは、ドナルド・トランプ前米大統領についての言及もあった。ミリー氏は、最高司令官が収監された場合も仕えるかどうか尋ねられると、アメリカ軍の忠誠は「憲法に対する」ものだと答えた。
トランプ氏は2024年米大統領選の共和党候補の座を狙っている。しかし、前回の米大統領選をめぐり複数の罪で起訴されているトランプ氏は、有罪となれば禁錮刑が科される可能性がある。
「我々は合衆国憲法という文書に対して宣誓している」とミリー氏は述べた。
「なので、誰がホワイトハウスに住もうとも、我々は常にその憲法に忠実だ」
その上で、正式に選ばれた大統領であれば誰であろうとも、軍はすべての合法的な命令に従うとした。
ミリー氏は、自らの政界進出は否定したうえで、数週間後に引退したら「最高のおじいちゃん枠に立候補したい」と話した。









