【ウィンブルドン2023】 ウクライナのスヴィトリナ選手、準決勝へ 「戦争が私を強くした」

Iga Swiatek and Elina Svitolina

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画像説明, 勝利したスヴィトリナ選手(左)に、シフィオンテク選手は試合後、優勝を願っていると伝えた

テニスのウィンブルドン選手権で、ウクライナのエリナ・スヴィトリナ選手(28)が躍進を続けている。11日には第1シード選手を破り、準決勝進出を決めた。自国での戦争が自分を精神的に強くしていると、試合後に話した。

この日、ロンドン郊外のオール・イングランド・クラブのセンターコートであった準々決勝では、スヴィトリナ選手がポーランドのイガ・シフィオンテク選手(22)に7-5、6-7(5-7)、6-2で勝利した。

スヴィトリナ選手は、昨年10月に出産し、3カ月前にツアーに復帰したばかり。今大会にはワイルドカード(主催者推薦)で出場している。

試合後、戦禍に見舞われている母国ウクライナに「ちょっとした幸せをもたらす」ことができてうれしいと話した。そして、戦争によって物事の見方が変わったとした。

「精神的に、困難な状況も災難だとは思わなくなった」

「人生にはもっとひどいことがあるので」

「戦争が私をさらに強くしたし、戦争で私は精神的にも一段と強くなったと思う」

出産と戦争で別人に

この日の試合では、観客席からは熱のこもった大声援がスヴィトリナ選手に送られた。

同選手はそうした声援に感謝するとともに、自分でも「意外だ」という準決勝進出が、ウクライナにどういう影響をもたらすかと思うと、一層うれしくなると話した。

「子どもたちが携帯電話で(試合を)見ている場面の動画が、インターネットにたくさんあった。それを見ていると、心にジーンとしみてくる」

スヴィトリナ選手が4大大会(グランドスラム)の準決勝に進むのは3回目。ウィンブルドンでは2019年にベスト4まで勝ち進んでいる。

現在の世界ランキングは76位だが、今大会の躍進で30位以内に入るとみられている。過去の自己最高は3位。

「トップに返り咲きたいという大きな思いはある。でも、子どもと戦争が私を別人にしたように思っている。物事を少し違ったふうに見るようになった」

「前より冷静になっている」

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シフィオンテク選手が応援

敗れたシフィオンテク選手は、スヴィトリナ選手と友人同士。それだけに、スヴィトリナ選手のグランドスラム初優勝を願っていると述べた。シフィオンテク選手は、ウクライナがロシアに侵攻されて以来、帽子に黄色と青色のリボンをつけて試合でプレーし、ウクライナへの支持を表明している。

「彼女にはネットで、この大会で優勝してもらいたいと伝えた」

スヴィトリナ選手は13日の準決勝で、ノーシードのマルケタ・ヴォンドロウソヴァ選手(チェコ)と対戦する。

スヴィトリナ選手は、ウクライナが侵攻されて以来、ロシアやその同盟国ベラルーシの選手との試合後の握手を拒んでいる。

9日の4回戦では、ベラルーシのヴィクトリア・アザレンカ選手(33)を下したあと、やはり握手をしなかった。しかし、観客のブーイングを浴びたのはアザレンカ選手のほうだった。アザレンカ選手はこの出来事について「フェアではなかった」と言う一方で、「ロシアやベラルーシの人とは握手したくない」というスヴィトリナ選手の決意を「尊重」すると述べていた。