ウクライナ選手、ベラルーシ選手と握手せずブーイングされる 全仏女子シングルス

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テニスの全仏オープンの女子シングルスで28日、1回戦で敗退したウクライナのマルタ・コスチュク選手(20)が、対戦相手のベラルーシのアリーナ・サバレンカ選手(25)との試合後、握手を避けたところ、観客からブーイングを受けた。
ベラルーシはロシアの同盟国で、ロシア軍が自国領土を足掛かりにウクライナに侵攻することを認めている。
両選手は、慣例となっているコイントス後の写真も撮らなかった。サバレンカ選手の勝利が確定すると、コスチュク選手はまっすぐ主審と握手しに行き、そのまま自分の椅子に戻った。この様子に、コート・フィリップ・シャトリエに集まった観客からブーイングが出た。
コスチュク選手は試合後、観客の反応について「正直言ってみんな恥ずかしいと思うべきだ 」と発言。「戦争が終わった10年後に、どう反応するのか見てみたい。自分のしたことに、良い気持ちは抱かないと思う」と述べた。
一方のサバレンカ選手は当初、ブーイングが自分に向けられていると考えて硬直した。しかし、コスチュク選手がコートを去る時に再びブーイングを受けているのを見て、事態を把握したようだった。
試合後のインタビューでサバレンカ選手は、「とてもつらい試合だった。感情的につらかった」と語った。
「ブーイングは私に向けられたかと思い、少し驚いた。でもすぐに皆さんが応援してくれていると分かった」
また、「(コスチュク選手は)コートを去る時に、あのような扱いを受けるべきではなかった」と述べた。
「誰も戦争を支持していない」に反発
サバレンカ選手はこれまで、「誰も戦争を支持していない」と繰り返していた。今回の試合前には、コスチュク選手に「憎まれて」いても理解できると語っていた。
「戦況について、私は何度も何度も言ったが、ロシアの選手もベラルーシの選手も、この世界では誰も戦争を支持していない。誰もだ。誰も、戦争を支持できるはずがない」
「もちろん、私たちは戦争を支持しない。もし私たちが少しでも戦争に影響を与えられるなら、戦争を止められるなら、そうすしている。しかし残念ながら、私たちの手には負えない」
しかしコスチュク選手は、サバレンカ選手が直接戦争に反対したことはないと指摘。「自身の責任を拒否」した後に自身の「大きなプラットフォーム」を使っていると批判した。
「(サバレンカ選手は)自分自身はこの戦争を支持しないとは、決して言わない」と、コスチュク選手は述べた。
「彼女はまず、自分自身のことを話すべきだと思う。私は個人的に、この戦争を支持しているテニス選手を複数知っている」
「誰も(戦争を支持して)いないと言うのはちょっと言い過ぎだと思う。人は自分のことしか話せないのに」
コスチュク選手は昨年の全米オープンでも、ベラルーシのヴィクトリア・アザレンカ選手との握手を拒否。また、今年1月の全豪オープンでロシアのウラジーミル・プーチン大統領の支持者がロシアの国旗を振っていたのを見て「とても傷ついた」と話していた。
世界ランキング39位のコスチュク選手はこの日、全豪オープンで優勝したサバレンカ選手に6-3 6-2で負けた。
試合は、サバレンカ選手が2回ダブルフォルトするなど不安定なスタートを切った後、コスチュクが最初のブレークに成功した。しかし、このブレークがサバレンカ選手を闘志に火をつけたようだった。
サバレンカ選手はすぐにブレークを返し、6ゲームを連続で奪取。コスチュクはこれに応えられなかった。
その後1ゲームを取りこぼすも、サバレンカ選手は最後のサービスゲームで2つのブレークポイントをしのぎ、最初のマッチポイントで勝利を収めた。
サバレンカ選手は全仏オープンの優勝候補の1人。現在女子の世界ランキング1位のイガ・シフィオンテク選手(ポーランド)が準々決勝に進出できなかった場合、サバレンカ選手が世界ランキング1位になる可能性がある。





