イスラエル、ガザ空爆 武装勢力幹部や民間人に多数の死傷者

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イスラエル軍が9日、パレスチナ自治区ガザ地区を空爆し、少なくともパレスチナ人15人が死亡した。死者にはパレスチナの武装組織「イスラム聖戦(PIJ)」の幹部3人が含まれているという。
パレスチナの保健当局は、死者には女性と子供が計8人含まれていると述べた。さらに22人が負傷しているという。
イスラエルは、この日の攻撃で標的としたPIJの幹部らは、イスラエル市民に対する攻撃に関わっていたと述べている。
PIJはガザ地区の武装勢力として、同地区を支配するイスラム組織ハマスに続く規模を持つ。イスラエル破壊を誓い、ここ数年はガザ地区からイスラエルに向けて多くのロケット攻撃を行っている。
イスラエルの刑務所では先週、ハンガーストライキを行っていたパレスチナ人が死亡した。これを受けてPIJをはじめとする武装勢力が2日間にわたってイスラエルを攻撃。ガザ地区への攻撃は、これに対する報復措置だった。
PIJは報復するとしている。また、ガザ地区を拠点とする武装勢力も、イスラエルへのロケット攻撃で対抗するとみられる。
この事態がどれだけ激化するかは、ハマスが参戦するかどうかにかかっているという。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、同国は「あらゆる可能性に向けて準備している」、「敵は、我々を試さない方がいい」と語った。
イスラエルとPIJは昨年8月にも、3日間にわたり攻撃を繰り返し、ガザ地区でパレスチナ人49人が殺された。今回の攻撃はそれ以降で最も多くの死者数を出した。

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イスラエルは9日午前に攻撃を開始。戦闘機とヘリコプター合わせて40機がガザ地区を数回にわたって攻撃した。住宅などが被害にあい、住民はパニックに陥った。
写真からは、集合住宅の少なくとも2戸で玄関が吹き飛ばされているのがわかる。他の住宅も損害を被った。
ガザの保健省は、4人の子供と4人の女性が死亡したと発表。負傷者の半数も女性や子供で、何人かは重傷で入院していると述べた。
ロシア政府は、ガザ地区在住のロシア人医師、ジャマル・ハスワン氏が妻と子供1人と共に死亡したと発表した。
PIJのアルクッズ旅団は、3人の幹部が妻や子供たちと共に殺されたと発表した。
アルクッズ旅団は声明で、「殉教者の血が我々の決意を確固たるものにする。(中略)我々は撤退せず、神のおぼしめしのままに抵抗を続ける」と述べた。
イスラエル軍の報道官は、兵器を製造していた10カ所と、PIJの軍事施設6カ所を攻撃したと説明。民間人への被害を最小限に抑えるよう努力したと話したものの、標的の家族に加え、ハスワン氏とその家族が死亡したことを認めた。

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ネタニヤフ首相は内閣安全保障会議の冒頭で、「先週ロケット弾が発射された日、私は国防相と共に、実質的にはガザ地区の組織の上層部を攻撃する、宿敵のテロリストを標的とした作戦の準備を命じた」と述べた。
「我々の信念は明確だ。害をなすものには大きな武力で攻撃する」
一方、ハマスの指導者イスマイル・ハニヤ氏は、「指導者暗殺は占領者(イスラエル)に安全ではなく、さらなる抵抗をもたらす」と警告した。
ガザ地区の武装勢力は共同声明の中で、「イスラエルの不誠実な侵攻」による死者を追悼。その責任を負う者は「代償を払う」準備をするべきだとした。
ヨルダン川西岸地区に拠点を置くパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長は、「この危険なエスカレーションは全面的にイスラエルの責任だ」と述べた。
国連のトル・ウェネスランド特別調整官(中東和平担当)は、民間人殺害を非難した上で、全当事者に対し、「すべての人に壊滅的な結果をもたらす広範な紛争を避ける」ため、最大限の自制を訴えた。
イスラエル軍は、9日、ヨルダン川西岸地区のナブルスを急襲作戦を実施した。
パレスチナメディアによると、これによってパレスチナ人2人が拘束されたほか、13人が負傷した。イスラエルメディアは、装甲車のそばで爆弾が破裂し、兵士1人が軽傷を負ったと報じた。

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