イスラエルとパレスチナ、暴力の抑制で合意 共同声明を発表

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イスラエル政府とパレスチナ自治政府は26日、暴力の激化を止めるため、直ちに対策を取るとする共同声明を発表した。
双方の間ではこのところ暴力が増え、死者も出ており、紛争の拡大を恐れる声が出ている。
そうしたなか、イスラエルとパレスチナの安全保障トップらが何年かぶりに、ヨルダン南部の紅海のリゾート地アカバで会談した。アメリカの大統領顧問(中東担当)トップのブレット・マクガーク氏と、エジプトの代表者も同席した。
会談では、信頼醸成の取り組みに対する支援と、和平実現への努力で合意した。
共同声明は冒頭で、「双方(パレスチナとイスラエル)は、これまでの全ての合意を守り、公正で永続的な和平に向けて努力することを確認した」と説明。
「双方は対立の緩和と、これ以上の暴力の防止に努めることの必要性を再確認した」としている。
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共同声明によると、イスラエルは新たな入植地建設の議論を4カ月間停止する。その代わり、パレスチナは国連でイスラエルに対する行動を取らない。
関係5者はまた、来月にエジプト・シャルムエルシェイクで会談をもつことで合意した。
アメリカのジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、双方の姿勢を「歓迎する」とした。そのうえで、「イスラエル人とパレスチナ人の双方にとって安定し繁栄した未来を築くために」今後数カ月でさらなる作業が必要だと述べた。
一方、イスラエルのベザレル・スモトリッチ財務相は、「入植地の建設や開発を凍結することは、1日たりともありえない」と発言。イスラエル国防軍(IDF)は制限なく「テロに対抗するための行動を続ける」と付け加えた。スモトリッチ氏は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の連立政権を支える極右グループのリーダー。
パレスチナの武装組織ハマスは、パレスチナ自治政府を「価値のない」会談に参加したとして非難した。ハマスはガザ地区を支配している。
イスラエル人2人が殺害される
この会談のさなか、イスラエルが占領するヨルダン川西岸ナブルス近郊のハワラ村で、銃を持ったパレスチナ人がイスラエル人2人を殺害した。
イスラエル軍は犯人を追うとともに、ヨルダン川西岸に2個大隊を追加派遣して兵力を増強していると表明した。また、殺害された1人は兵士だと明らかにした。
イスラエル政府は「パレスチナのテロ攻撃」だと非難。ネタニヤフ首相は「テロリストを抑止し、イスラエルの安全を維持するため(中略)あらゆる行動を続ける」と述べた。
銃撃は、パレスチナ人とイスラエル人入植者の間でよく対立が生じる、交通量の多い道路で起こった。犯行声明はすぐには出されていない。
この事件では、パレスチナの武装集団や単独攻撃者に対し、パレスチナ自治政府の影響力が及んでいないことが浮き彫りになった。
パレスチナ人も射殺される
この銃撃事件の数時間後、イスラエル人入植者の大集団がハワラ村に入り、石を投げたり木や車に火を放ったりした。
パレスチナ側によると、少なくとも民家15軒と車数台が燃やされた。自宅から避難を強いられた家族もいたという。
パレスチナ赤新月社の救急隊によると、数百人が負傷した。
一方、ヨルダン川西岸のザタラ村では、イスラエル人入植者と兵士が同村に入り、パレスチナ人男性1人を射殺した。パレスチナ保健当局が明らかにした。
今年すでに70人以上が死亡
今年になってから、パレスチナ側は武装勢力と民間人合わせて60人以上が、イスラエル軍によって殺害された。イスラエル側は13人が攻撃によって死亡しており、準軍事警官1人を除いて全て民間人だった。
最近では、ジェニン難民キャンプで10人、ナブルス旧市街で11人のパレスチナ人が、イスラエル軍の強襲で死亡した。2005年以降では死者が最も多い作戦行動となった。
イスラエル国防軍はこれらの作戦について、イスラエル人の入植者や兵士を狙って発砲し、さらなる攻撃を計画した指名手配者らの拘束が目的だったと説明した。この作戦では、パレスチナ人の武装勢力と民間人の両方が死亡した。
イスラエルが占領する東エルサレムの入植地にあるシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)の外では先月、パレスチナ人による銃撃事件が発生した。イスラエル人6人とウクライナ人1人が死亡し、同種の事件としては2008年以降で死者が最多だった。
これからの数週間は、イスラム教の聖なる月である断食月(ラマダン)と、ユダヤ教の過越祭の祝日が再び重なるため、緊張の高まりが特に懸念されている。








