極右団体プラウド・ボーイズの4人、扇動共謀で有罪評決 5人目も重罪で有罪 米議会襲撃

画像提供, Getty Images
2021年1月6日の米連邦議会襲撃事件について、首都ワシントンの連邦地方裁判所の陪審は4日、極右団体プラウド・ボーイズの4人に対して扇動共謀の罪で有罪の評決を下した。同じ罪で起訴されていた5人目についても、同罪では無罪評決を出したものの、他の複数の重罪で有罪と評決した。
連邦議会襲撃事件では、2020年米大統領選でジョー・バイデン氏の当選を認めず、選挙結果を覆そうとしたドナルド・トランプ氏の支持者らが、バイデン氏の当選認定手続きを阻止しようと議事堂に乱入した。
プラウド・ボーイズは当日、100人以上がこの襲撃に参加し、大きな役割を果たしたとされる。
<関連記事>
- トランプ氏の刑事訴追を勧告、「反乱」関与の疑いで 米下院調査委(2022年12月)
- 米極右指導者に有罪評決 議会襲撃事件の扇動共謀罪で(2022年11月)
- 米議会襲撃 65日間の危険信号(2021年1月)

平和的な権力移行を暴力で阻止しようとしたとして扇動共謀の罪に問われていた5人のうち、ワシントン連邦地裁の陪審は、4人について有罪を認めた。さらに、4人を含め被告5人全員について、議事堂のフェンス破壊、公務執行妨害、公務執行妨害を意図した共謀などの重罪で、有罪を認めた。
扇動共謀の罪は、最大禁錮20年の重罪。量刑は後日、言い渡される。
扇動共謀罪で有罪になったのは、次の4人。
- 「プラウド・ボーイズ」元委員長の「エンリケ」ことヘンリー・タリオ被告(襲撃の2日前、2020年に「黒人の命も大事だ(BLM)」運動の旗を燃やした容疑で逮捕され、襲撃には不在。後に有罪となり約5カ月の禁錮刑を言い渡されている)。
- 「ルフィオ・パンマン」ことイーサン・ノーディーン被告(31)。襲撃当時、メンバーを先導していた。
- ジョー・ビッグス被告(38)。米陸軍出身で、陰謀論司会者アレックス・ジョーンズ氏の放送に出演していた。
- ザカリー・レール被告(36)。元海兵隊員で「プラウド・ボーイズ」のフィラデルフィア支部長。襲撃に参加。

5人目のドミニク・ペゾーラ被告(44)は、扇動共謀罪では無実になった。ニューヨーク州在住で元海兵隊員のペゾーラ被告は、襲撃事件当時、プラウド・ボーイズに加わって比較的間もなかった。現場では警官の盾を奪い、議事堂の窓ガラスを割って率先して内部に侵入。議事堂内で葉巻に火をつけていた。
公判でペゾーラ被告は、自分は単独で行動しており、他の被告とは当日になるまで会ったことがなかったと証言していた。
計画性の証拠

公判で検察側は、被告らがソーシャルメディアで繰り返した暴力的な脅迫や、テキストメッセージ、動画などを大量に証拠として提出し、被告らが2020年大統領選の結果認定を妨害しようと共謀したと主張した。
検察が証拠として提出したタリオ被告による投稿のひとつには、バイデン氏に対して「アメリカ国民はお前に対して戦争している。それを忘れないように。トランプなしでは平和もない」などと書かれていた。内戦、銃殺刑、「裏切り者」などについての投稿も複数あった。
ほかに、すでに扇動共謀罪について有罪を認めていた、別の元プラウド・ボーイズメンバー、ジェレミー・バーティノ被告が、検察側の証人として証言した。
公判では、陪審への威圧が懸念されたほか、陪審の人選に時間がかかり、弁護側が誤審を主張するなど、手続きをめぐり紛糾(ふんきゅう)することが多く、審理には3カ月以上かかった。
弁護側は、「プラウド・ボーイズ」は統制の取れた団体では決してなく、各自がばらばらに、主に非暴力的に行動しており、議事堂襲撃を企図した事前の計画などなかったと主張。また、長く警察の情報提供者だったタリオ被告は、襲撃以前にワシントン警察に連絡をとり、警官に自分たちの当日の計画も告げていたと主張した。
最終弁論で弁護側は、トランプ氏が1月6日にワシントンに集まるよう支持者に呼び掛けていたことを強調し、被告たちは単にその呼びかけに応じたまでだと主張。「総司令官に『大騒ぎになる。その場にいるように』と言われて、(被告たちは)そうしたのだ」と、ビッグス被告のノーム・パティス弁護士はトランプ氏のツイートに言及した。
米連邦法の「扇動共謀」とは、政府転覆や政府破壊を陰謀計画すること、もしくは「アメリカのいかなる法についてもその実行を阻止、妨害、あるいは遅延させる」ために暴力を使うことを意味する。
アメリカの南北戦争に由来するもので、昨年11月には極右団体「オース・キーパーズ」の幹部が同罪で有罪となった。量刑言い渡しは今月行われる予定。扇動共謀罪による有罪評決は、1995年以来だった。
扇動共謀罪は、合衆国憲法が唯一規定する犯罪「反逆罪」よりは立証のハードルが低く、公開法廷もしくは自供で少なくとも証人2人の証言が得られれば、立証されたことになる。死刑が適用され得る「反逆罪」に比べると、禁錮最高20年という量刑も、比較的軽い。








