米議会襲撃、トランプ氏が「ツイートで扇動」 下院調査委で証言

画像提供, Reuters
昨年起きた米連邦議会襲撃事件について調査する下院特別委員会は12日、7回目の公聴会を開いた。ドナルド・トランプ前大統領のツイートが、極右の過激派を駆り立て、首都ワシントンに集結させたなどとする証言が出た。
特別委のメンバーは、「トランプ氏の在任中で最も狂気じみた会合」の後に問題のツイートを投稿したと述べた。
トランプ氏は当時、2020年大統領選でジョー・バイデン氏に敗北したと、側近から繰り返し伝えられていたにもかかわらず、支持者への呼びかけを強行した。
公聴会の数時間前、トランプ氏(共和党)は自身のソーシャルメディア・プラットフォーム「Truth Social」で、民主党主導の特別委を、ものごとを「でっちあげ」る「政治的ハッカーであり悪党」だと一蹴した。
トランプ氏の支持者は2021年1月6日、連邦議会が2020年大統領選でのジョー・バイデン氏の勝利を認定するのを阻止しようと、議事堂を襲撃した。下院特別委はこの事件の経緯について、約1年にわたり調査を行ってきた。
特別委はトランプ氏が権力維持のためにクーデターを企てたと非難している。
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6時間の会合とツイート
この日の公聴会では、トランプ氏が2020年12月19日未明に投稿したツイートと、それに先立ちホワイトハウスで開かれた、6時間に及ぶ騒然とした会合が焦点となった。
特別委メンバーのジェイミー・ラスキン議員(民主党、メリーランド州)は、その会合について、「動揺」に満ちたもので「普通ではなかった」と述べた。
トランプ氏はこの時すでに、ホワイトハウスの側近や自身の選挙チーム内の人物から、民主党のバイデン氏に政権を移譲すべきだと伝えられていた。
しかし、2020年12月18日、選挙で広範な不正行為があったとする根拠のない主張を追求するよう促していた、一部の外部顧問らをホワイトハウスに迎え入れた。トランプ氏個人の顧問弁護士だったルディ・ジュリアーニ氏や、マイケル・フリン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らのこのグループは、トランプ氏に投票機の押収を軍に命じるよう提案していた。
この会合には当時の大統領法律顧問パット・シポローネ氏ら側近も介入した。数時間におよぶ言い争いの中で、シポローネ氏は「言葉の」攻撃を受けたが、「証拠はどこにあるのか?」と尋ねて「押し返し」続けたと話した。彼らは証拠を提示しなかったと、シポローネ氏や数人の側近は証言した。
公聴会で公開されたビデオ証言の中で、シポローネ氏は「この中の誰かが大統領に良いアドバイスをしていたとは思わない」と述べた。
投票箱を押収するという案は却下され、会合は19日午前0時過ぎに終了した。同午前1時42分、トランプ氏は「2020年(大統領)選挙に負けたというのは、統計的にありえない。1月6日に(ワシントン)DCで大きな抗議デモを行う。そこに来てくれ、ワイルドになるぞ」などと支持者に呼びかける内容をツイートした。
証人買収の可能性
特別委のラスキン議員は、この投稿が選挙が自分から盗まれたというトランプ氏の主張を信じた支持者に「衝撃を与え、刺激した」と主張した。
特別委は、このツイートが過激派集団「オース・キーパーズ」や「プラウドボーイズ」の参加を促すサイレン・コール(何かをするよう駆り立てる呼びかけ)になったと指摘した。これらの集団のメンバー2人は、扇動的共謀罪で訴追されている。
ツイッターの従業員は匿名で、トランプ氏のツイートの後、オンライン上で暴力的な言葉が増えたと特別委に証言。「公然と殺人を犯す」ことをほのめかす反応もあったとした。
公聴会では、トランプ氏が議会の調査で証言する予定の人物に接触しようとしたとの証言も伝えられ、 証人買収の可能性が浮上した。
特別委メンバーを務める共和議員2人のうちの1人、リズ・チェイニー氏(ワイオミング州)は、司法省にこのことを通知したと述べた。
チェイニー氏によると、トランプ氏が連絡を取ろうとした人物は電話には出ず、代わりに弁護士に警告を発したという。
2024年大統領選への出馬の可能性を示唆しているトランプ氏は、公聴会について、インフレがまん延する中、民主党政権の「惨状」からアメリカ国民の目をそらそうとする試みだと述べた。
米調査会社ギャラップ社によると、今週の米紙ニューヨーク・タイムズの世論調査では、バイデン氏を支持すると答えた有権者はわずか33%で、議会襲撃事件直後のトランプ氏の支持率を下回った。









