トランプ氏は「現実から乖離」 大統領選不正の主張めぐり元側近が証言

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昨年1月6日の米連邦議会襲撃事件を調査している米下院特別委員会の2回目の公聴会が13日に行われた。この日公開された過去の証言映像の中で、ウィリアム・バー前米司法長官は、ドナルド・トランプ前大統領が2020年大統領選で不正があったと主張して聞く耳を持たず、「現実から乖離(かいり)していた」と話した。バー氏の証言から、大統領選をめぐるトランプ陣営の深い分断が浮き彫りとなった。
トランプ陣営は2020年の大統領選後、トランプ氏の敗北を受け入れた「チーム・ノーマル」と、選挙結果を認めないトランプ氏に忠実な支持者の2つに分断された。
下院特別委員会は、トランプ氏が政権を維持するためにクーデターを企てたと非難している。
2回目の公聴会に先立ち、トランプ氏の選挙対策本部長を務めたビル・ステピエン氏が、妻の陣痛が始まったとして出席しないことが発表された。
ステピエン氏の弁護士が代わりに声明を発表し、同氏のこれまでの非公開証言の映像が公開された。
それによると、トランプ氏の側近たちは2020年11月の選挙で勝利宣言を行わないよう同氏に助言していたという。
トランプ陣営の中で少数派の「チーム・ノーマル」は、選挙で敗北したとトランプ氏に伝えた。しかし、もう一方の人々は結果を受け入れなかったという。
「ルディのチーム」
トランプ氏支持派は、同氏の顧問弁護士を務めたルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長にちなんで「ルディのチーム」として知られるようになった。ジュリアーニ氏は選挙が盗まれたと最も声高に主張していた。
ステピエン氏と、ジェイソン・ミラー元顧問は選挙当日の夜、ジュリアーニ氏が酩酊(めいてい)状態にあったようだと証言した。
ミラー氏によると、ジュリアーニ氏は選挙結果がまだ出ていない段階で、「勝利宣言し、我々が完勝したと言おう」とトランプ氏に提案したという。
ジュリアーニ氏は広報担当者を通じ、選挙当日の夜は酩酊していなかったと主張。ミラー氏がなぜ「そのような誤った主張をするのか」分からないとした。

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トランプ氏に勝利宣言をしないよう忠告した人々の中にはバー前司法長官も含まれる。バー氏は証言動画の中で、投票機で不正があったとか、投票用紙が「破棄」されたなどとする主張には根拠がないと、トランプ氏に繰り返し伝えたと述べた。バー氏は、こうした主張を「クレイジーなものだった」とした。
しかしトランプ氏は認めようとせず、不正があったとする主張を広め続けた。トランプ氏の主張に「やる気をなくした」と、バー氏は証言した。
「『こんなことを本当に信じるのなら、彼(トランプ氏)は現実と乖離していることになる。本当にこんなことを信じているのなら』と私は思った」
特別委員会は、選挙で不正があったとするトランプ氏の主張が、議会襲撃に直接つながったと示そうとしている。
「彼(トランプ氏)と彼の最側近である大統領顧問たちは、これらの主張が虚偽であることを知っていた」と、民主党のゾーイ・ロフグレン議員(カリフォルニア州)は述べた。「それでも、彼らはとにかくそれを広め続けた」。
特別委員会は15日と16日にも公聴会を開く予定。










