トランプ氏の刑事訴追を勧告、「反乱」関与の疑いで 米下院調査委

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昨年1月の米連邦議会襲撃事件について調査してきた下院の特別委員会は19日、最終会合を開き、ドナルド・トランプ前大統領を反乱の扇動など4つの容疑で刑事訴追すべきだと勧告した。
与党・民主党が主導する特別委は、約1年半にわたって襲撃事件を調査。この日、司法省が以下の4つの容疑でトランプ氏を訴追するよう、全会一致で決議した。
- 反乱の扇動、支援、幇助(ほうじょ)、慰安
- 公的手続きの妨害
- 米政府に対する詐取の共謀
- 虚偽証言の共謀
司法省は、議会委員会の勧告に従う必要はない。検察当局はすでに、トランプ氏を訴追するか検討している。
同省の報道官は19日、この勧告についてコメントを避けた。
勧告は象徴的な意味合いが濃い。しかし、ベニー・トンプソン委員長(民主党、ミシシッピ州)は、「正義への道筋を示すもの」だとした。
また、「法と民主主義の国であり続けるなら、これは二度と起きてはならないことだ」と強調。「信用が崩れれば、民主主義も崩れる。ドナルド・トランプはその信用を破った」と付け加えた。
「いかさま裁判」とトランプ氏側
一方、不正を否定するトランプ氏側は、先月発足した同氏の大統領選の運動組織が声明を発表。特別委について、「『ネバー・トランプ』派による見せ物裁判で、この国の歴史の汚点」だと非難した。
そして、「このカンガルー・コート(いかさま裁判)は、アメリカ人の知性を侮辱し、民主主義をばかにする虚栄心の表れでしかない」とした。
議会襲撃事件は昨年1月6日に発生。トランプ氏の支持者らが議会になだれ込み、ジョー・バイデン氏の大統領当選の承認を妨害した。これまでに900人以上が訴追されている。
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最終報告書で不正を非難
民主党7人と共和党2人の議員で構成する特別委はこの日、最終報告書の予備的な要旨を発表した。
161ページにわたる要旨は、議会襲撃までの期間と襲撃の際に、トランプ氏が有権者の意思を妨害しようと「複数の共謀」に関わったと非難している。
トランプ氏に関与の疑いがあるとした「反乱」については、特別委のジェイミー・ラスキン議員(民主党、メリーランド州)が「合衆国の権威に対する反逆」だと説明。「憲法そのものに根ざす、重大な連邦犯罪」だと付け加えた。
特別委はこれまで、トランプ氏について、2020年の大統領選が盗まれたとの主張を虚偽だと知りながら広めたと主張。さらに、連邦職員、司法省、マイク・ペンス副大統領(当時)に圧力をかけ、大統領選での敗北を覆す手助けをさせたとしている。
そして、バイデン氏への平和的な政権移行を防ぐための最後の手段として、トランプ氏が連邦議会での暴動を扇動したと非難している。
数百ページに及ぶ報告書の全文は20日に公表される予定。
側近の新たな証言映像も公開
この日の特別委では、トランプ氏の長年の側近だったホープ・ヒックス氏の宣誓証言の映像の一部が、新たに公開された。
その中で同氏は、トランプ氏に対しては、選挙について虚偽の主張を続けることで、彼とそのチームが「レガシーを汚している」と忠告していたと供述。彼女の懸念の声を、トランプ氏は受け流したとした。
また、トランプ氏が、「『もし私が負ければ、誰も私のレガシーなど気にしない。だから問題ない。大事なのは勝つことだけだ』というようなことを言った」と証言した。
特別委はさらに、トランプ氏の長女で大統領補佐官を務めたイヴァンカ・トランプ氏について、捜査に対して「前向き」ではなかったと批判した。
報告書によると、イヴァンカ氏、マーク・メドウズ大統領首席補佐官、ケイリー・マケナニー大統領報道官(ともに当時)は、「特定の問題について完全な記憶がない様子を見せたり、(他の側近たちほど)率直ではなかったりした」という。
特別委はこのほか、ケヴィン・マカーシー下院院内総務ら4人の共和党議員を、特別委に従わなかったとして、下院倫理委員会にかけるよう求めると発表した。










