イタリア南部沖で移民の船が難破、少なくとも59人死亡
イタリア南部の沖合で26日、多数の移民を乗せた木造船が難破し、12人の子どもを含む少なくとも59人が死亡、数十人が行方不明になっている。陸上と海上で大規模な捜索活動が行われている。
移民を乗せた船はイタリア南部カラブリア州の町クロトーネ近くに着岸しようとした際にバラバラになった。当時は天候が悪く、船は岩に衝突したという。
映像には船体の一部や、粉々に砕かれた木材が浜辺に打ち上げられている様子が確認できる。
移民の多くは困難な状況から逃れようとして船に乗っていたと、イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領は述べた。
現場を訪れたマッテオ・ピアンテドージ内相は、最大30人が行方不明になっている可能性があるとした。
イタリアのアンサ通信は、死者の中には生後数カ月と思われる赤ちゃんも含まれると報じた。
遺体は近くのリゾート地の浜辺で回収された。
イタリアの沿岸警備隊は、「沈没後に海岸にたどり着いた人を含め」80人の生存が確認されたと発表した。
生存者は毛布の下で身を寄せ合い、赤十字職員が対応にあたっている。病院に搬送された人もいる。
少なくとも150人が乗船していたと、生存者らは話している。
60人以上が行方不明か
実際に船に何人乗っていたのかは不明だが、救助隊員はAFP通信に対し、「200人以上」が乗船していたと語った。これが事実であれば、60人以上が行方不明になっている。
船はアフガニスタン、パキスタン、ソマリア、イランからの移民を乗せ、数日前にトルコを出港した。
毎年、紛争や貧困から逃れるために大勢の人が、アフリカからイタリアへ渡っている。
カラブリア州クトロのアントニオ・チェラーゾ市長はRAIニュースに対し、「これまでにも移民が上陸しているが、このような悲劇は初めてだ」と語った。

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税関警察によると、生存者の1人が移民売買の容疑で逮捕された。
昨年、イタリアへの移民流入を食い止めることを公約に掲げて首相に選出されたジョルジア・メローニ氏は、「深い悲しみ」を表明し、人身売買業者のせいで死者が出たと非難した。
「安全な旅だという誤った見通しのもと、男性や女性、子どもの命を(避難する)『チケット』代と交換するなんて非人道的だ」と、メローニ首相は声明で述べた。
「政府は(移民が祖国を)出発するのを阻止し、このような悲劇が展開されるのを防ぐために尽力している。今後もそうするつもりだ」
カルロ・カレンダ元経済相は、海で困難に陥った人は「どんな犠牲を払ってでも」救助されるべきだとしつつ、「違法な移民ルートは閉鎖しなければならない」と付け加えた。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、「深く悲しんでいる」、「罪のない移民の命が失われるというのは悲劇だ」と述べた。そして、欧州を目指す移民に関する課題に対処するため、欧州連合(EU)の亡命ルールの改革を進展させるための「努力を倍加させる」ことが極めて重要だとした。

移民の権利を擁護することが多い、キリスト教カトリック教会のトップ、ローマ教皇フランシスコは、死者、行方不明者、生存者のために祈りを捧げていると述べた。
複数の監視団体によると、2014年以降、地中海中部では2万人以上が海上で死亡または行方不明となっている。
地中海で捜索救助活動を行う「Migrant Offshore Aid Station」(漂着難民の救護所)のレジーナ・カトランボン所長はBBCに対し、欧州各国が連携して、助けを必要としている人を助けなければならないと述べた。
また、アフリカや中東に物理的に近い国が率先してこの問題に取り組むべきだという「近視眼的ビジョン」に終止符を打つよう呼びかけた。
「欧州諸国間では依然として、助けを必要としている人を助けに行くために積極的に協力し合うということがない」とし、各国政府に対し、連携して捜索救助活動を改善し、安全かつ合法なルートを見いだすよう求めた。







