米政府、撃墜した3飛行物体は「無害の可能性」 12日の撃墜で1発目命中せずと米軍

FBI agents looking at wreckage

画像提供, Reuters

画像説明, 米連邦捜査局(FBI)は回収された気球の残骸の分析を進めている

米ホワイトハウスは14日、米軍が先週末にアメリカやカナダで撃ち落とした3つの未確認飛行物体について、中国のスパイ活動疑惑と関連している兆候はないとの見方を示した。

米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は、これらの物体は「商業団体や研究団体と関係のある、つまり無害なもの」である可能性があると述べた。

アメリカとカナダの当局者はこれまでのところ、墜落した3つの物体の残骸の発見・回収には至っていない。

中国政府は先に、アメリカが「むやみに攻撃したがり、過剰反応している」と非難した。

米軍は南部サウスカロライナ州沖で4日、中国の偵察用気球とみられるものを撃墜した。

米当局は、気球は中国から飛来したもので、偵察目的で使用されていたと主張。

一方で中国は、気球は偵察用ではなく、気象観測用のものが風で飛ばされたと説明している。

アメリカは4日の気球撃墜に続き、米アラスカ州沖カナダ北西部ユーコン準州の上空、さらに米ミシガン州上空でも「高高度物体」を撃ち落としている。

カービー氏は14日の記者会見で、残骸を発見・分析するまでは3つの物体の目的や、どこから飛来したものなのかを決定づけることは困難だと述べた。

「我々は、これら3つの物体がPRC(中華人民共和国の略)の偵察活動の一部だと、具体的に示す兆候」、あるいは「外部情報収集活動に明らかに関与関与していた」ことを「示す兆候などは確認していない」と、記者団に説明した。

また、米情報機関が検討している「有力な説明」として、「これらの物体は単に商業団体や研究団体と関係がある気球の可能性がある。したがって無害である可能性がある」と付け加えた。

一方で、物体が自分たちのものだという主張は、どの企業や組織、他国の政府からも寄せられていないとした。

Map showing balloons taken out by US military
画像説明, 米軍が2月に撃墜した飛行物体

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Presentational white space

未確認物体の撃墜、1発目命中せず

ミシガン州のヒューロン湖上空では12日、米軍のF22戦闘機が「AIM-9Xサイドワインダー」ミサイルを発射して物体を撃ち落としたが、最初の1発は目標を外したという。

「1発目は失敗し、2発目が命中した」と、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は14日、訪問先のベルギー・ブリュッセルで明らかにした。

「我々は、ミサイルの最大有効射程距離まで確実に空域に障害物がないようにするため、どんな苦労も惜しまない。そして今回の事案では、ミサイルはヒューロン湖の水中に、無害なかたちで落下した」

こうした中、中国外務省はアメリカ側の対応を批判した。

「アメリカの多くの人が、『このようなコストのかかる行動が、アメリカとその納税者にどんな利益をもたらすのだろうか』と問いかけている」と、同省の汪文斌副報道局長は14日述べた。

気球から「重要な残骸」回収

米軍は13日、南部サウスカロライナ州沖で4日に撃墜した中国の偵察用気球とみられるものからセンサーなど電子機器を回収したと発表した。FBIが回収物の分析を進めている。

捜索隊が「すべてのセンサーや電子機器を含む重要な残骸を現場で発見した」と、米北方軍は説明した。

米上院では14日、軍幹部がこの件について議員への機密ブリーフィングを行った。

チャック・シューマー上院院内総務(民主党)は飛行物体がもっと早い段階で検知されなかった原因について、議会が調査を開始することになると述べた。

他方、ルーマニアでは14日、同国領空に侵入した飛行物体を調査するために戦闘機が発進した。

ただ、パイロットは物体の位置を特定できず、30分後に任務を終了したと、同国国防省は説明した。

Navy divers helped recover the balloon from the Atlantic Ocean

画像提供, US Navy

画像説明, 大西洋上での気球の残骸回収に海軍のダイバーも加わった