米アラスカ州沖で「高高度物体」撃墜=ホワイトハウス

米政府は10日、アラスカ州沖で正体未確認の「高高度物体」を撃墜したと発表した。ジョー・バイデン米大統領の命令を受けてのことだと、国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は説明した。
カービー調整官は、F22戦闘機が撃墜した無人の物体は「小型乗用車」の大きさで、民間航空への脅威になり得るものだったと話した。物体の目的や、出所は不明だという。
アメリカ政府は今月4日、アメリカ領内の大西洋上空で中国の気球を撃墜している。この気球をめぐっては、アントニー・ブリンケン国務長官の訪中が中止になっている。
<関連記事>

北極の方向へ
カービー調整官は10日の記者会見で、アラスカ沖で撃墜した物体の破片落下範囲は、東海岸のサウスカロライナ州沖で撃墜した気球の破片落下範囲より「はるかに小さい」と話した。
調整官によると、物体はアラスカ北方上空の高度1万2000メートルを時速30~40キロで北極に向かって移動していたという。
民間旅客機の航行高度は最高1万3700メートルに達することがある。
凍ったボーフォート海から破片を回収するため、ヘリコプターや輸送機を現場へ派遣したという。


「今のところ所有者がだれか、国か企業か個人か、わかっていない」とカービー氏は述べた。
米政府がこの物体を最初に捕捉したのは、9日夜だったという。
カービー氏によると、戦闘機2機が接近し、無人だと確認。バイデン大統領はこの報告を受けた上で、撃墜を命令したという。
「我々は領空の警戒を続ける」とカービー氏は述べ、「大統領はこの国の安全保障利益を守るという自分の責務を、最優先に考えている」と話した。
回収破片を分析へ
国防総省報道官のパット・ライダー准将は、米東部時間10日午後1時45分(日本時間11日午前3時45分)にF22戦闘機がサイドワインダー・ミサイルで、物体を撃墜したと発表した。
戦闘機はアラスカ州アンカレッジのエルメンドーフ・リチャードソン合同基地から出発したという。
ライダー准将によると、すでに相当の量の破片が回収され、輸送船に積み込まれている。「分析のため研究室へ」送られると、准将は述べた。
米政府によると、北東方向へ移動していた物体が偵察行動に関与していたかは まだ不明。ホワイトハウスでの記者会見で記者が「気球」と呼んだ際には、カービー氏はそれを訂正している。
カービー氏は、詳しい撃墜地点を明らかにしなかったが、連邦航空局(FAA)は事前にアラスカ北部デッドホース上空の約30キロ平方メートルの範囲を航行禁止にしたという。
カナダのジャスティン・トルドー首相はツイッターで、「アメリカ領空を侵犯した物体」について「説明を受け、対応に賛成した」と書いた。

画像提供, Getty Images
「風まかせ」の様子
ホワイトハウスによると、現時点でアメリカ上空にこれ以外の不審な物体は確認できていない。
カービー氏は、アラスカ沖で撃墜した物体は中国の気球とは異なり操縦機能がなく、「文字通り、風まかせ」の様子だったと話した。
国防総省によると、今月4日に東海岸沖で中国の気球を撃墜してから数時間後には、ロイド・オースティン米国防長官が中国の魏鳳和国防相に、緊急時の特別電話で連絡をとろうとしたものの、中国側は電話を取らなかったという。
中国政府は10日、アメリカ政府による「政治的な画策と騒動づくり」を非難した。
バイデン大統領は9日、中国の気球への対応について「(アメリカの)安全保障が深刻に脅かされたわけではない」としつつ、領空侵犯は国際法違反だと述べた。









