中国の気球、世界5大陸で飛行=米当局

Navy personnel recovering balloon

画像提供, Getty Images

画像説明, アメリカの軍と沿岸警備隊は、撃墜した気球の残骸の回収作業を続けている

米軍が領空で撃ち落とした、中国の偵察用とみられる気球について、米当局は8日、世界5大陸にまたがって飛行している気球群の1つだとの見方を示した。

アントニー・ブリンケン国務長官は、米上空を気球が飛行していたことについて、「この広範な計画の標的はアメリカだけではない」と述べた。

また、気球の残骸から収集した情報は数十カ国と共有しているとした。

米ワシントンポスト紙は匿名の米当局者の話として、中国が偵察気球のプロジェクトを実行しているとの見方を伝えた。沿岸部の海南省から気球を操作し、日本、インド、ヴェトナム、台湾、フィリピンなどの国々を偵察対象にしていたとみられるという。

一方、BBCと提携する米CBSニュースは政権幹部の話として、米当局が今月6日、中国の偵察活動の疑いについて同盟国40カ国に説明したと伝えた。

2019年には気球がハワイとフロリダ上空を通って地球を一周したなどと説明したという。

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Presentational white space

米情報当局者らは、気球は中国軍が偵察目的で使っていたとみている。

これに対し中国は、気球は偵察用ではなく、気象観測用のものが風で飛ばされたと主張している。

欧州やアジアでも偵察か

米国防総省報道官のパット・ライダー准将は8日の記者会見で、同じような気球が北南米、東南アジア、東アジア、ヨーロッパで運用されていたと考えられると述べた。

また、「これらの気球とその追跡方法について多くを学んだ」とし、アメリカは今では「この種の活動を警戒する」能力があるとした。

ライダー氏はさらに、気球はすべて偵察目的だが、大きさや機能において「バリエーション」があると述べた。

米当局は、これまで少なくとも4回、米上空を気球が飛行したとみている。ただライダー氏は、そうした事案の詳細を明らかにしなかった。

回収作業を継続

米上空を飛行していた気球は、米戦闘機が今月4日、サウスカロライナ州沿岸で撃墜した

こうした動きは外交危機へと発展。ブリンケン国務長官は中国訪問を直ちに中止した。ここ数年で初の米中間のハイレベル会合となるはずだった。

米海軍は7日、大西洋の米領海上で撃墜した気球の画像を公開した

米当局によると、気球は全長約60メートルで、積載部分は地域間旅客機に匹敵する大きさがある。重さは数百~数千キロ超とみられる。

海軍と沿岸警備隊は、なおも海上で気球の残骸を捜索している。専門家らは、残骸から気球の機能や通信方法を分析できるとしている。だが、米当局がこれまでにどんな情報を得たのかは不明。

中南米の上空でも今月3日、別の気球が発見された。中国は自国の気球と認めたが、民間のものだとした。

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