バイデン氏、選挙結果の否定は「カオスへの道」と警告 中間選挙控え

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今月8日に行われる米連邦議会の中間選挙を前に、ジョー・バイデン米大統領は2日夜、ワシントンで演説し、選挙での敗北を受け入れようとしない候補によってアメリカが「カオスへの道」を進みかねないと警告した。ワシントンの玄関口、ユニオン駅での演説は、主要各局が生中継した。
バイデン大統領は有権者に対し、8日の選挙では「政治的暴力」に対抗して団結するよう呼びかけた。
バイデン氏はさらに、ドナルド・トランプ前大統領を名指しはしないながらも、「敗れた前大統領」と呼び、その支持者たちが「陰謀論と悪意に基づくうそ」をまき散らしていると批判。その影響で一部の共和党候補が、たとえ選挙で敗れてもその結果を受け入れないと宣言する事態になっていると述べた。
「そうなればアメリカはカオス(混とん)への道を進むことになる。まったく前例がない。違法だ。そしてアメリカらしくない」と大統領は警告した。
これに対して野党・共和党は大統領が「世論を分断し、批判を避けようとしている」と反論した。
中間選挙では下院の全435議席、上院(定数100)は3分の1の34議席が改選されるほか、多くの州の州知事も改選される。多くの予想では、共和党が下院の多数党に返り咲くとみられている。上院は果たして民主党が維持するのか、あるいはこちらも共和党が奪還するのか、不透明な情勢。
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「大きなうそ」が暴力扇動と
バイデン氏はさらに、民主党幹部ナンシー・ペロシ下院議長の夫がサンフランシスコの自宅で襲撃され重傷を負った事件に言及し、「2020年大統領選が盗まれたなどという(トランプ氏による)大きなうそ」が、こうした暴力事件の背景にあると批判した。
「このうそが燃料となって、政治家への暴力や有権者への威圧がこの2年間で危険なほど増えた」と、バイデン氏は述べた。
ペロシ議長宅襲撃からまもなく米政府は、「イデオロギー的な怨恨(えんこん)」を動機にした人間が、選挙の候補や選挙職員に対して「過激主義による暴力」を働く「危険が高まっている」として、全国の捜査機関に注意喚起した。
調べによると、議長宅襲撃の容疑者は、ペロシ議長を人質に取り、「自分にうそをついたら」膝を割るつもりだったとしている。「ワシントンから出てくるうそがもう我慢ならず」、「決死の覚悟」で議長宅に押し入ったのだと警察に話したという。殺人未遂や誘拐未遂などの罪で訴追された容疑者は、11月1日の罪状認否では、無実を主張している。
アリゾナ州の連邦地裁では1日、武装したり防弾チョッキを身に着けたりして投票箱を監視していたトランプ支持者の集団に、そうした行動を禁止する命令を出している。
他方、共和党のケヴィン・マカーシー下院院内総務はバイデン大統領の演説について、「アメリカが団結しなくてはならない時に、バイデン大統領は国を分断し、批判の矛先を避けようとしている。国民の生活費高騰につながった自分の政策を、話題にできないからだ。アメリカ国民は聞く耳を持たない」と書いた。
ロイター通信とイプソス社の世論調査によると、アメリカの有権者の半数が投票詐欺は広く起きている問題だと答えた。実際には、そのような不正はきわめて異例。
BBCがアメリカで提携するCBSニュースによると、中間選挙で共和党からさまざまな公職に出馬している候補595人のうち、306人が2020年大統領選の結果を疑う発言をしているという。










