中国ミサイルの台湾通過にアメリカは「抗議すべき」=米司令官

China conducts a long-range live-fire drill into the Taiwan strait from an undisclosed location

画像提供, EASTERN THEATRE COMMAND via Reuters

中国が台湾上空を通過するミサイルを発射したことについて、アメリカはきちんと抗議する必要があると、米海軍の司令官が16日に発言した。

第7艦隊の司令官を務めるカール・トーマス中将は16日、中国を「誰もが触れなくない腫れもの」と呼び、放置しておけばこうした行為は常態化するだろうと述べた。

ナンシー・ペロシ米下院議長が今月、台湾を訪問して以降、中国と台湾、アメリカ間の緊張関係が高まっている。

中国は自治を行う台湾を、中国大陸と再び統一しなければならない自国の反抗的な領土だとみなしている。中国はペロシ氏訪台に抗議する形で台湾周辺で軍事演習を行ったが、ミサイルを直接台湾上空へ発射したとは認めていない。

今回のトーマス司令官の発言は重要な意味を持つ。第7艦隊は日本の横須賀米軍基地に司令部を置き、約50~70隻の艦船や潜水艦を保有する。アメリカ最大の前方展開艦隊で、この地域で重要な軍事的存在となっている。

<関連記事>

Presentational white space

トーマス司令官はシンガポールで、「この手の事柄に抗議することが非常に大事だ。誰もが触れたくない腫れものが台湾上空にミサイルを放っていると知っている」と記者団に説明。「台湾を通過して公海にミサイルを落とすなど無責任だ」と述べた。

「こうした行為に抗議しなければ(中略)突然、今では前哨基地となった南シナ海の島々のようになってしまう。ミサイルが配備され、大きな滑走路や倉庫、レーダー、聴音哨などがそろった完全に機能する前哨基地だ」

中国軍が約1週間にわたって台湾周辺で軍事演習を行った結果、台湾では海と空の主要な航路が遮断され、実質的に封鎖状態となった。台湾はまた、中国政府が侵攻の準備として軍事演習を行ったと非難している。

台湾当局は、ミサイルはかなり上空を通過したため、脅威にはならなかったと説明している。国防部(国防省)は諜報活動上の懸念があるとして、ミサイルの軌道を公開していない。

日本の防衛省は、中国のミサイル4発が台湾上空を通過したと推定されると発表した。

アメリカをはじめとする国々は、台湾海峡と、中国が戦略的に重要としてる南シナ海で、自国の海軍の活動を活発化。これらの海域が公海だと強調している。

アメリカは台湾を正式に承認していない。しかし、台湾と強力な関係を維持しており、台湾が自衛できるよう武器を販売している。これが、中国の懸念材料となっている。