中国の軍事演習、台湾攻撃の「予行演習」か 「無責任」とアメリカ

画像提供, Reuters
台湾は6日、中国が台湾攻撃の予行演習を実施したと発表した。これを受けてアメリカは、中国の行動を「挑発的」で「無責任」だと非難した。中国は米下院議長の訪台に強く反発しており、アメリカとの重要分野での協力関係の停止も発表している。
台湾の国防部(国防省)は、中国の船と航空機が6日、台湾海峡で任務を遂行したと発表した。一部は、台中間の非公式の緩衝地帯をつくっている中央線を越えたという。台湾の戦闘機が緊急発進し、警告を発した。
台湾軍は、この中国軍の演習について、台湾への攻撃を想定したものだとの見方を示した。
中国は、この日の演習についてコメントしていない。台湾周辺の空と海での軍事演習は、7日まで続くと見られている。これまでに軍用機100機以上、軍用艦10隻以上が参加。実弾が使われている。中国国営メディアは、少なくとも1発の弾道ミサイルが台湾上空を通過したと伝えている。
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こうした緊張の高まりは、ナンシー・ペロシ米下院議長(民主党)率いる米代表団が、台湾を訪れたのを受けたもの。
中国はこの訪問を、中国が台湾に対して主権を主張していることへの挑戦であり、台湾海峡の平和と安定を「著しく脅かす」ものだとした。
アメリカが中国を非難
米政府は今回の軍事演習を受け、中国が緊張を高めていると非難している。
ホワイトハウス報道官は5日、「こうした活動によって、中国は現状変更の取り組みを著しくエスカレートさせている。挑発的、無責任であり、誤算のリスクを高めている」と述べた。
また、「台湾海峡の平和と安定を維持するという、私たちの長年の目標とも相いれないものだ。この目標は、世界の期待でもある」とした。
中国がアメリカとの協力を停止
中国は台湾を、いずれは中国の支配下に入る、離脱した省とみている。しかし自治島の台湾は、自らを大陸とは別の存在だと考えている。
台湾のこうした認識を、外国の指導者らが承認する気配を見せると、中国は激しく反発する。
今回のペロシ氏の訪台については、中国は「とんでもない挑発」だと非難。5日には、同氏とその家族に対する制裁を発表した。また、アメリカとの軍事分野での協議中止し、気候変動、国際犯罪対策などの重要分野における協力を停止すると表明した。
中国外務省の華春瑩報道官は同日、アメリカの外交政策を、米白人警官による米黒人男性ジョージ・フロイドさんの殺害になぞらえ、こうツイートした。
「アメリカが『世界の警察官』を自任し、ジョージ・フロイドを思うままにいじめて首を絞めたように、他国を扱うことは、許されない」
「中国との対話維持に努める」
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は5日、中国がアメリカとの重要な対話チャンネルを遮断するという「無責任な措置」を取ったと非難した。
ホワイトハウスのカリーン・ジャン=ピエール報道官は同日午後の記者会見で、ペロシ氏には台湾に行く「あらゆる権利がある」と説明。中国の新たな措置は「根本的に無責任」だとして、こう続けた。
「私たちは国益と価値を守りながら、中国との対話を維持する努力を続ける」
こうしたなか、台湾の呉釗燮外交部長(外相)はBBCのインタビューで、ペロシ氏の訪台を擁護。「台湾の知名度を上げ(中略)国際社会に台湾は民主主義だと理解されることにつながる」と述べた。
また、中国の大規模な軍事演習を非難した。










