香港議会選、投票率が過去最低に 選挙制度変更後で初

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香港の立法会(議会、定数90)選挙が19日に投開票され、一般有権者が投票できる直接投票枠(定数20)の投票率が過去最低の30.2%になった。中国政府が香港の選挙制度を大幅に変更して以来、初の投票だった。
中国は昨年6月、香港での反政府的な動きを取り締まる「香港国家安全維持法」(国安法)を施行。今年3月には「愛国者」重視の選挙制度改正案を可決し、立法会選挙の候補者は中国政府寄りの選挙管理委員会などの事前審査を受けると決めた。これによって事実上、民主派勢力は選挙から排除されることになった。
立法会の定数90議席の内、直接選挙で選ばれるのは20議席に過ぎない。40議席は中国政府寄りの選管が選び、30議席は伝統的に中国政府寄りの職能団体が選ぶ。
BBC中国語のマーティン・イップ記者によると、投票所に向かう有権者の流れは一定して続いていたものの、農村部を除けば長い行列は見られなかったという。
香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、投票率に目標は設定していないと強調してきた。中国国営新華社通信は、100万人以上の香港市民が投票によって「外部勢力のうそや中傷を打破した」と伝えた。香港政府の憲法担当、曾志偉(エリック・ツァン)氏は、今回の「改善」された選挙について欧米メディアが中傷運動を展開していると批判していた。
「私の一票は意味ない」
この日の選挙に先立ち、香港政府は登録有権者450万人に一斉メールを送るなどして、投票を呼びかけていた。
香港最大の親中政党「民主建港協進同盟(DAB)」の李慧琼主席は19日、「投票所の情報では投票する人はあまり多くない」と記者団に述べ、有権者に投票するよう促した。
一方、AFP通信が取材した20代の会計士の女性は、自分は投票しないと述べ、「結局のところは北京(中国政府)側の人間が勝つので、私の一票には何の意味もない」と話した。
香港ではこれまでに多くの民主改革派指導者が逮捕されたり、選挙から締め出されたり、亡命したりしている。香港の裁判所は今年5月、国際的に著名な民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏に対し、1989年の天安門事件の犠牲者を追悼する無許可の集会に参加したとして、禁錮10カ月を言い渡した。
かつての学生活動家リーダーで、民主化を求める政党・香港衆志(デモシスト)党首だった羅冠聰(ネイサン・ロー)氏は、中国が「香港国家安全維持法」を導入した直後に海外に逃れた。香港当局に追われているロー氏は今回の選挙について、「なんでも言いなりになる議会に投票して、何もかも大丈夫だというふりをするなど、誰もそんなことはしたくない」のだと米紙ニューヨーク・タイムズに書いた。
一部の民主活動家は市民に、投票をボイコットするか、抗議の表現として白票を入れるよう呼びかけた。白票の投票は合法だが、白票の投票を促したり、投票しないよう呼びかけることは、現在の香港では違法となっている。
19日には香港の市内各地に1万人以上の警官が配置された。 香港警察トップの蕭沢頤警務処長は「なめらかな手続きを確保するため」としていた。









