英イングランド、ワクチン証明提示を義務付け 与党の多数が造反も可決

A person's NHS COVID domestic Pass is displayed on a smartphone screen within the NHS App

画像提供, PA Media

イギリス下院は14日、イングランドでの新たな新型コロナウイルス対策案を可決した。今後はナイトクラブやスポーツの試合会場、大型イベントなどへの入場の際、2回のワクチン接種証明書か、直近に受けた検査での陰性証明書を提示する必要がある。

「COVIDパスポート」と呼ばれる証明書に関するこの日の投票では、与党・保守党から99人が反対票を投じ、ボリス・ジョンソン政権下では最大の造反となった。ただし、最大野党・労働党から支持を得たため、政府案は可決された。

労働党のサー・キア・スターマー党首は多数の造反が出たことについて、「すでに損なわれている首相の権威に、さらに大きな打撃が加わった」と述べた。

「政府の基本的な機能さえ果たせないほど、弱体化している」

造反したサー・ジョフリー・クリフトン=ブラウン議員は、来年にもジョンソン首相に対する不信任案が提出される「可能性が出てきたことを意味する」と述べた。

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イングランドでは今後、以下の対策が導入される。

  • 18歳以上は大型イベントや施設に入場する際、COVID-19ワクチンを2回接種した証明書か、直近48時間以内に受けたPCR検査かラテラルフロー検査の陰性証明書、あるいはワクチンを打てないなどの例外に当たる証明書を提示しなければならない
  • NHSが提供するCOVIDパスや、NHS検査・追跡システムからの電子メールなどが証明書となる
  • このルールは、ナイトクラブ、500人以上が集まる屋内の座席のない会場、4000人以上が集まる屋外の座席のない会場、1万人以上のあらゆる会場に適用される

こうした入場に関する規制は、すでにスコットランドやウェールズ、北アイルランドの各自治政府が導入している。

投票ではまた、屋内でのマスク着用の義務付けや、国民保健サービス(NHS)で働く医療従事者のワクチン義務化も継続することが決まった。

さらに、ワクチン接種が完了している人が濃厚接触者となった場合には、これまで自主隔離が義務付けられていたが、これを日常的なラテラルフロー検査に切り替える案も承認された。

オミクロン株感染者は5000人超に

イングランド医務主任のクリス・ウィッティー教授は14日、閣僚らに対し、オミクロン株の感染者の入院が急激に増えていると警告した。

この閣議に参加していたジョンソン首相も、感染の「急増」に危機感を示したものの、首相官邸は、これ以上の制限は計画していないと述べた。

イギリスではこの日、新たに5万9610人が新型ウイルスに感染。保健当局によると、オミクロン株への感染が発覚したのはうち633人で、累計では5346人となった。

また、陽性判明から28日以内に亡くなった人は150人に上った。

一方、ブースター(追加)接種プログラムは加速しており、この日だけで51万3722回分が投与された。

スコットランドでは、人々の集まりを3世帯以内にとどめる制限が発表された。また、店舗や飲食店などは、他社との距離をとる措置や、保護用スクリーンを導入するよう求められている。

スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン第一首相は、これらの制限はクリスマス当日には適用されないと述べている。