【COP26】 新しい気候合意は「石炭火力発電の最期」を告げる、ジョンソン英首相

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ボリス・ジョンソン英首相は14日、北部グラスゴーで開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で採択された成果文書「グラスゴー気候協定」について、「石炭火力発電の最期」を告げる「ゲームチェンジングな(状況を一変させる)合意」だと述べた。
COP26に参加した197カ国・地域は13日夜、新たな気候変動対策に関する合意を採択した。石炭の使用については、当初の合意文書案に含まれていた「段階的に廃止」から、「段階的削減」という表現にとどまったが、ジョンソン英首相はこの合意は素晴らしい成果だとした。
合意採択を協議する最後の全体会議で、インド代表が「段階的に廃止」という表現に反対。中国もインドの主張を支持し、各国は最終的に「段階的削減」という薄められた表現で合意した。
それでも、気候変動の原因となる温室効果ガスを排出する石炭の使用削減について、国連の気候関連合意文書が言明するのは初めてだった。
2週間の日程で開催されたCOP26は、石炭火力をめぐる議論が紛糾し、12日までとなっていた会期が1日延期されて合意に至った。
合意をめぐっては、内容が不十分で、今世紀末までに世界の気温上昇を工業発達以前(1850~1900年)から摂氏1.5度に抑えるというCOP26の主要目標を達成できるものではないとの批判の声もある。
科学者たちは気温上昇を1.5度に抑れば、気候変動による最悪の影響を回避できるだろうと期待している。
意見の違いはあっても
ジョンソン首相は14日、首相官邸での記者会見で、「我々はロビー活動もできるし、おだてることも促すこともできる。しかし、主権国家が望んでいないことを強制はできない」と述べた。
また、「意見の相違はあるが、世界が間違いなく、正しい方向に向かっている」とした。
ジョンソン氏は「人の態度において、転換点に到達した」とし、世界のリーダーたちが自国の「有権者に刺激され、駆り立てられている」と述べた。一方で、「我々がこの問題を何かしら解決したなどと勘違いしようものなら、それは致命的な過ちになりかねない」と述べた。
ジョンソン氏は今回の国際会議の成果を踏まえても、自分の反応は「やや失望の色を帯びている」とした。
とりわけ、気候変動がすでに「生きるか死ぬかの問題」になっている国々はもっと大胆な対策を希望していだけに、それが実現できなかったことに、首相は落胆を示した。
「我々の多くは(大胆な対策実現に)意欲的だったが、全員がそうだったわけではない」と、ジョンソン氏は認めた。
そして、イギリスが各国に行動を強制することはできず、「最終的には彼らが判断し、支持しなければならない」と付け加えた。
石炭に関する合意については、表現が骨抜きになっても「それほど大きな違いはなく」、方向性は「ほぼ同じ」だと思うとした。
西欧と北米のほとんどの国が、海外の化石燃料プロジェクトへの資金援助を来年のこの時期までに中止すると、すでに受け入れているとジョンソン氏は指摘。
「こうしたことを総合すると、グラスゴー気候協定が石炭火力発電の最期を告げたと言っても過言ではない」
「合意が危ぶまれた」
ジョンソン氏と共に記者会見に臨んだアロク・シャーマCOP26議長は、最終交渉の最中に合意成立が危ぶまれたタイミングがあったと明かした。
涙をこえらえながらサミットを締めくくったシャーマ氏は、「世界の重みを肩に感じた、本当に緊迫した1時間があったことをお伝えする。(中略)この合意は間違いなく危険にさらされていた。それでも(合意採択という)ゴールにたどりついた」と述べた。
シャーマ氏は先に、気候変動の影響を受けやすい国々に対し、「中国とインドは自らの立場を説明しなければならない」と述べていた。両国は最後の全体会議で、石炭の使用を「段階的に廃止」という表現に反対し、合意文書の表現が弱められた。
COP26では、2100年までに地球の気温上昇を1.5に抑えることを目標の1つとしていたが、各国の気候対策を追跡している「クライメート・アクション・トラッカー」(CAT)の報告書は、世界の気温が今世紀末までに摂氏2.4度上昇する見通しだとしている。
「1.5度目標」の実現に向けて、さらに温室効果ガス排出量の大幅削減を約束するため、各国は来年また集まる方針。
パトリシア・エスピノーサ国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局長は、合意文書で化石燃料への言及があったことを「巨大な前進」としつつ、特に貧困国においては、石炭火力発電の削減が人々にもたらす「社会的影響」とのバランスをとる必要があると述べた。
エスピノーサ氏は「1.5度目標」は「まだ確実に生きている」とした。しかし、英野党・労働党のエド・ミリバンド影のビジネス相は、「1.5度目標」は「集中治療室に入っている状況だ」と述べている。












