中国、米英豪の新たな安保枠組みを非難 「極めて無責任」

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中国は16日、アメリカとイギリス、オーストラリアの3カ国が安全保障の歴史的な枠組みを構築したことについて、「極めて無責任」で「偏狭」だと批判した。
3カ国による新たな枠組み「AUKUS(オーカス)」では、オーストラリアが初の原子力潜水艦を製造する技術を手に入れる。
領有権争いがある南シナ海における、中国の影響力に対抗することが狙いとみられている。
南シナ海は長年、対立の火種となっており、緊張が高まった状態が続いている。
中国が反発
中国外務省の趙立堅報道官は16日、AUKUSについて、「地域の平和を大きく損ない(中略)軍備競争を加熱させる」と述べた。
また、「時代遅れの冷戦(中略)精神」と批判。3カ国に対し、「それぞれの国益を傷つけている」と警告した。
中国の国営メディアも、AUKUSを非難する論説を掲げた。英字紙の環球時報(グローバルタイムズ)は、オーストラリアが今や「中国の敵に変化した」と書いた。
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イギリス以外で初の技術共有
AUKUSでは、アメリカが50年ぶりに、潜水艦の技術を他国と共有する。これまではイギリスとだけ共有してきた。
これによりオーストラリアは、従来の動力の潜水艦より速度が速く、感知されにくい原子力潜水艦を製造できるようになる。何カ月にもわたって潜水を続け、ミサイルをより長い距離、飛ばすことが可能になる。ただ同国は、ミサイルに核兵器を搭載する考えはないとしている。
3カ国の首脳は15日(オーストラリアは16日)の共同バーチャル会見で、AUKUSについて発表。中国を名指しはしなかったが、安全保障をめぐって、インド太平洋地域で懸念が「飛躍的に増している」と繰り返し述べた。
さらに共同声明では、「似たような考えをもつ、同盟でありパートナーである3カ国が、インド太平洋地域において共有する価値観を守り、安全と繁栄を促進する歴史的な機会だ」と、AUKUSを位置付けた。


アナリストたちはAUKUSを、第2次世界大戦後で最も重要な安全保障の協力体制だろうとしている。
この協力により、オーストラリアは世界で7番目の原潜保有国となる見通し。サイバー分野や、海中のテクノロジーも、関係国で共有する。
アジア・ソサエティー・オーストラリアのガイ・ボーケンシュタイン氏は、「3カ国すべてが(中国の)挑戦的な動きへの対抗を始めるうえで、一線を示すものだ」と述べた。
「世界の安全と安定を守る」
イギリスのボリス・ジョンソン首相はAUKUSを、「世界中の安全と安定を守る」ものだと評した。
同国のベン・ウォレス国防相は、中国が「史上最大規模の軍事費を使おうとしている」とBBCに説明。「当該地域の私たちのパートナーらは、自分たちの立場を守れるようになりたいと思っている」と話した。
中国は近年、南シナ海など領有権に争いのある地域で、歴史的に自国に領有権があると主張し、軍事的な存在感を増している。そのため、地域の緊張を高めていると批判されている。
アメリカも同地域での軍事力を増強するとともに、日本や韓国などパートナーとの協力関係の強化に力を入れている。
オーストラリアに潜水艦を配備することは、同地域におけるアメリカの影響力にとって大きな意味があると、アナリストらはみている。
中国とオーストラリアの緊張関係
中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国だ。両国はかつて、良好な関係を保っていた。
しかし近年、政治的な緊張が深い溝を作った。オーストラリアはウイグル族の扱いをめめぐって中国を批判。また、中国の通信大手・華為技術(ファーウェイ)の一部の機器の使用を禁止し、新型コロナウイルスの起源を中国で調査するのを支持した。
中国は昨年、オーストラリア産ワインに最高200%の関税をかけるなど、対抗措置を取っている。
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は16日、同国はオーストラリアを強く支持すると表明。
「中国政府はここ数カ月で、オーストラリアが後退しないことや、経済的な報復措置の脅威や圧力はうまく作用しないことがわかっただろう」と述べた。
フランスは憤慨
一方、フランスはAUKUSに対して怒りをあらわにした。潜水艦12隻の製造をめぐり、オーストラリアと500億ドル(約4兆円)規模の契約を交わしていたが、破棄されるためだ。
フランスのジャン=イヴ・ルドリアン外相は、「まったくの背信行為だ」と、フランスのラジオで話した。「オーストラリアとは信頼関係を築いていたが、それが裏切られた」。
欧州連合(EU)外務トップのジョセップ・ボレル氏は16日、フランスの失望は理解できると発言。EUはAUKUSについて相談は受けていなかったと話した。
「今回のことで再び必要性が増したのは(中略)ヨーロッパの戦略的自主性を優先することについての検討だ」
ブリンケン米国務長官は、アメリカとフランスは「極めて緊密に」協力しているとし、今後もそれは続くとした。









