オーストラリア、「不快な」フェイク写真めぐり中国に謝罪要求

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オーストラリアの兵士がアフガニスタンの子どもを殺しているように見えるフェイクの写真を、中国の政府高官が30日、ツイッターに投稿した。オーストラリアは同日、謝罪を求めた。
同国のスコット・モリソン首相はテレビ演説で、「不快な」写真をソーシャルメディアで共有したことについて、中国政府は「恥を知るべきだ」と述べた。
中国とオーストラリアの間では現在、政治的な緊張が高まっている。
一方、オーストラリア軍にはアフガニスタンでの戦争犯罪疑惑がかけられており、今回の写真はそれに関連付けられて投稿されたという。
警告:この記事には不快に感じる恐れのある写真が掲載されています
オーストラリア国防軍(ADF)は19日、特殊部隊所属の25人がアフガニスタンで39人を不法に殺したことを示す「信用できる証拠」があるとする報告書を発表した。
この報告により、オーストラリア軍には非難の声が集中し、警察による捜査も始まっている。
こうした中、中国外交部の趙立堅報道官は30日、オーストラリア兵が血の付いた刃物を子どもに突きつけている合成写真をツイートした。この子どもはさらに、子羊を抱えている。
同国の公共放送オーストラリア放送協会(ABC)はこの画像について、オーストラリアのエリート兵がアフガニスタンで10代の子ども2人をナイフで殺害したという、立証されていないうわさに関連したものだと報じている。
ADFの調査の結果、このうわさを裏付ける証拠は見つかっていない。
しかし報告書では、違法な殺人が行われた「信用できる証拠」や特殊部隊に存在する「戦士文化」について指摘。下位の兵士らが「最初の殺し」として、非武装の民間人の殺害を強いられた例などが挙げられている。

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趙報道官はツイートの中で、「オーストラリア兵によるアフガニスタンでの市民や捕虜殺害の事実にショックを受けている。こうした行為を強く非難し、責任を取るよう求めていく」と語っている。
オーストラリアは、この投稿は「偽情報」だとして、ツイッターに削除要請を出している。
モリソン首相は、ツイートは「本当に不快で、非常に攻撃的で、全く憤慨している」と語った。
「中国政府はこの投稿に関して恥を知るべきだ。国際社会における中国の権威を低めるものだ」
「これは偽の画像であり、オーストラリア軍に対するひどい中傷だ」
首相は両国間の緊張関係についても言及し、「だが、こういうやり方ではだめだ」と指摘。他国がオーストラリアと中国の関係を注視していると警告した。
緊張関係はどうなる
中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国。モリソン首相の発言は、同国政府が行った中国批判としては最も語調の強いものとなった。
両国の関係は、オーストラリアが新型コロナウイルスの起源について中国に調査を要求したことから悪化。さらに、中国がオーストラリアの内政に干渉しているという疑惑も持たれている。
こうした批判に対し中国は、貿易停止やオーストラリア製品への追加関税など、経済的な打撃を加えることで対抗している。
在豪中国大使館は今月初め、オーストラリアが中国との関係を悪化させようとしているとされる政策14項目を、地元メディア向けに発表。これには中国の投資計画の阻止や、華為技術(ファーウェイ)の第5世代移動通信システム(5G)の禁止、「新疆や香港、台湾の諸問題をめぐる、絶え間ない理不尽な介入」などが含まれていた。
オーストラリアはこれに対し、政策的な立場は変えないとした上で、中国の貿易政策は「経済的な威圧行為だ」と指摘している。






