ベラルーシ、拘束した乗客女性の映像を公表 家族は「彼女らしくない」

画像提供, Reuters
ベラルーシが国際線の旅客機を自国に緊急着陸させ、搭乗していた反体制派ジャーナリストを拘束した問題で、ジャーナリストの交際相手で共に拘束された女性の映像が25日、公表された。家族らは2人の身の安全を懸念している。
ギリシャからリトアニアに向かっていたライアンエアー4987便は23日、ベラルーシの首都ミンスクの空港に緊急着陸させられた。空港では、乗客でジャーナリストのロマン・プロタセヴィッチ氏(26)と、交際相手のロシア人、ソフィア・サペガ氏(23)が、ベラルーシの警察に拘束された。
ベラルーシ当局は25日、サペガ氏の映像を公表した。その中で同氏は、プロタセヴィッチ氏が関係するオンライン番組「ブラック・ブック」の編集長を務めており、ベラルーシの警官や治安部隊らの個人情報を公表していると話した。

画像提供, Reuters
ただ、圧力がかかった状態でそうした話をした可能性が高い。サペガ氏の母親はBBCに、「私の友人からも電話があり(中略)これは彼女らしくないと言われた」と述べ、娘が自由な状態で話したのか疑わしいとした。「彼女は体を揺らし、目はうつろで、何かを忘れてしまうのを恐れているようだ」。
「(映像を)できるだけ大きくしてみた。(サペガ氏は)問題ないようだった。温かい服を積めて、ミンスクに向かう。小包を届けたい。見たところ、彼女は薄い上着しか持っていない」
<関連記事>
前日の24日には、プロタセヴィッチ氏の映像が当局によって公表された。同氏も圧力下で録画に臨んだとみられる。
プロタセヴィッチ氏は、昨年8月のベラルーシ大統領選と、その後の抗議デモに対する当局の弾圧に関する報道をめぐって、犯罪行為に及んだとされている。同氏は自らがテロリストのリストに加えられており、死刑に処せられる恐れがあると述べていた。
ベラルーシはヨーロッパで唯一、死刑を維持している。
拘束は2カ月以上
ベラルーシ当局は、サペガ氏を最短でも2カ月拘束するとした。同氏の弁護士のアレクサンドル・フィラノヴィッチ氏も、拘束は2カ月以上に及ぶだろうと述べた。
同弁護士は「ソフィアは今日、尋問を受けた。犯罪に問われた。2カ月の拘束という予防措置が取られた」とBBCロシア語に話した。サペガ氏はミンスクにある国家保安委員会(KGB)の拘置所で勾留されているという。
プロタセヴィッチ氏の母親ナタリア・プロタセヴィッチ氏は、ポーランド南部ヴロツワフでAFP通信の取材に応じ、「息子の救出を国際社会に求める」と話した。息子の逮捕以来、寝ていないという。
「彼は1人のジャーナリストでしかない。1人の子どもでしかない。お願いですから(中略)助けてください。彼を救ってください! 彼は向こうで殺されてしまう!」
母親はまた、息子を「正義の闘士」だとした。
「向こうは戦闘機を送って、この若者を捕らえた! テロリズム行為以外の何物でもない。彼は人質に取られた。純粋な仕返しだ!」
「私の息子であるこの若者は、ただ何が起きているかの真実を伝えたかっただけだ。間違ったことは何もしていない」
交信内容を公表
欧米各国は今回の問題について、ベラルーシによるハイジャックだとして非難している。ベラルーシは機内に爆弾がある恐れがあるとして、戦闘機を緊急発進させ、旅客機の航路を変更させていた。
欧州連合(EU)加盟27カ国の首脳らは24日、ブリュッセルの会合で、ベラルーシ上空の飛行禁止と、同国に対するさらなる経済制裁を求めた。
ヨーロッパの航空会社数社は、ベラルーシ上空を飛行しないと表明している。

画像提供, HO via EPA
一方、ベラルーシの運輸省は25日、ライアンエアー4987便とミンスクの航空管制官とのやり取りだとする交信内容を公表した。
それによると、管制官は何回か同便に、ミンスクの空港に着陸するよう「勧告」していた。ただ、これが事実かは証明されていない。
ベラルーシ当局はそれまで、ミンスクへの着陸はパイロットの独自の判断だったと説明しており、それと矛盾することになる。










