イスラエル首相、空爆でパレスチナ勢力を「何年分も後戻りさせた」

Firefighters hose a blaze at a warehouse in Rafah, Gaza (18 May)

画像提供, Reuters

画像説明, ガザ地区南部のラファで倉庫の火を消そうとする人たち。目撃者によるとイスラエルの空爆で炎上したという(18日)

イスラエルは18日、パレスチナ自治区ガザ地区への空爆を9日連続で実施した。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスを「何年分も後退させた」と述べた。

ガザ地区の保健省によると、双方の攻撃が激化して以降、同地区では少なくとも215人が死亡した。うち100人近くは女性や子どもだという。

イスラエルは、ガザ地区での死者には戦闘員が150人以上含まれていると主張している。ハマスは戦闘員の被害を明らかにしていない。

ネタニヤフ首相は、ハマスが「想像以上の打撃」を被っていると説明。軍事行動を「平穏が戻るまで続ける」と話した。

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救援物資が運び込まれる

ガザ地区の境界はイスラエル軍が封鎖しているが、18日に短時間、ケレム・シャローム検問所の通行が許可された。これにより救援物資が運び込まれた。

国連はイスラエルの決定を歓迎。主要なエレズ検問所の通行も認め、人道支援のスタッフと物資を地区内に入れるよう求めた。

しかし、ケレム・シャローム検問所で物資が運搬される中、パレスチナ側から迫撃砲やロケット弾による攻撃が発生。境界から14キロ離れた農場で働く、タイ出身の労働者2人が死亡した。

これを受け、イスラエルは同検問所を再び閉鎖した。エレズ周辺でもイスラエル兵1人が軽傷を負ったという。

一方、ガザ地区とエジプトの境界で唯一、イスラエル管理下にない通行所のラファ検問所からは、燃料を載せたトラック15台と、食料や医療品を積んだトラック18台が地区内に入った。

国連人道問題調整事務所(OCHA)は、ガザ地区で5万2000人が家を失い、うち4万7000人が国連の運営する学校に避難していると話した。

動画説明, ガザ地区への空爆続く ハマスはイスラエル南部にロケット弾

イスラエルの被害

イスラエルの医療関係者によると、攻撃の連鎖が続く中、イスラエルではこれまでに子ども2人を含む12人が亡くなった。

イスラエルは、パレスチナのハマスと、別のイスラム組織イスラミック・ジハードの攻撃能力の破壊を目標に、攻撃を今後も続けると宣言している。

イスラエルは今回の衝突が始まった時点で、それら2つのパレスチナ武装勢力がガザ地区で備蓄しているロケット弾や迫撃砲は、計1万2000発に上ると推定していた。

イスラエル軍によると、18日午後3時までに、パレスチナ武装勢力は約3300発のロケット弾をイスラエルに向けて発射した。うち450~500発は途中で落下し、ガザ地区内に被害をもたらしたという。

動画説明, ガザ地区の状況は「壊滅的」と、現地の国境なき医師団スタッフ

外交努力は成果出せず

イスラエルとパレスチナの攻撃の応酬を止めようと外交努力が続けられているが、成果は出ていない。

国連の安全保障理事会では、フランスがエジプトやヨルダンと協調し、停戦を求める声明案を提出している。しかし、アメリカは国連として声明を出すことに反対している。

安保理は18日にも会合を開いたが、1時間もしないうちに散会した。

ヨルダン川西岸でも死者

パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区でも18日、パレスチナ人が少なくとも3人死亡した。保健省が明らかにした。

死者3人が出たのはラマラ周辺。イスラエルのガザ空爆に抗議する人たちと、イスラエル警察の衝突が発生した。警察は「激しい暴動」の中で発砲されたため撃ち返したと説明した。

同地区と東エルサレムで暮らす多数のパレスチナ人はこの日、抗議の意を込めてゼネストを実施した。イスラエルのハイファなど、アラブ系住民が多数を占めるイスラエルの都市でも、ストライキが行われた。

そのため、公共サービスや学校、多数の事業所が休業となった。

Palestinian protester near Ramallah (18 May)

画像提供, Reuters

画像説明, ヨルダン川西岸地区では抗議活動が激化した(18日)

ヨルダン川西岸地区ヘブロンでも、イスラエル軍兵士を襲おうとしたパレスチナ男性1人が死亡したと、イスラエル軍が発表した。

このほか、エルサレムのダマスカス門でも衝突が発生し、イスラエル軍が数人を拘束した。

Map showing key holy sites in Jerusalem

今回の武力衝突は、東エルサレムでの数週間にわたるイスラエルとパレスチナの緊張の高まりを経て、イスラム教徒とユダヤ教徒の両方にとっての聖地で、衝突が起きたことがきっかけとなっている。

ハマスはイスラエルに対し、聖地から引き上げるよう求め、ロケット弾を発射。イスラエルは報復として空爆を実施した。