ゼレンスキー氏、ウィトコフ米特使が「ロシアの言い分を広めている」と批判

ウィトコフ米大統領特使とウクライナのゼレンスキー大統領

画像提供, Reuters/EPA

画像説明, ウィトコフ米大統領特使とウクライナのゼレンスキー大統領

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日、アメリカのスティーヴ・ウィトコフ中東特使が「ロシアの言い分を広めている」と非難した。ウィトコフ氏が、ロシアとウクライナの和平合意がウクライナの5地域の状況にかかっていると示唆したことを受けたもの。

ウィトコフ氏は11日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と5時間にわたり会談した。その後、ウィトコフ氏は米FOXニュースに対し、戦争を終わらせるための合意は「いわゆる五つの地域に関するものだ」と述べた。

ゼレンスキー大統領は17日にキーウで記者会見した際、「ウィトコフ氏はロシア側の戦略を取っていると思う」と述べ、「これは非常に危険だと思う。意識的なのか無意識になのかはともかく、彼はロシアの言い分を広めているからだ」と批判した。

ウィトコフ氏が言う「五つの地域」のうち四つは、ウクライナ東部のドネツク州、ルハンスク州、ザポリッジャ州、ヘルソン州を指している様子。この地域の大部分は、ロシアが2022年にウクライナ全土を掌握する目的で全面侵攻を開始した後、ロシア軍の占領下にある。

5番目の地域はクリミア半島の意味だと考えられている。ロシアは2014年にクリミアを併合したが、国際的には認められていない。

「この地域は我々のものだ。私たち国民のもので、私たちだけでなく、未来のウクライナ国民のものだ。(中略)だから、(ウィトコフ氏が)何の話をしているのか、私には理解できない」と、ゼレンスキー氏は述べた。

ウクライナ和平の協議のためフランス大統領府を訪れ、マクロン仏大統領(左)とあいさつする、ウィトコフ米大統領特使(中央)とルビオ国務長官(17日、パリ)

画像提供, EPA

画像説明, ウクライナ和平協議のためフランス大統領府を訪れ、マクロン仏大統領(左)とあいさつする、ウィトコフ米大統領特使(中央)とルビオ米国務長官(17日、パリ)

これに先立ちウィトコフ氏は15日放送の米FOXニュースのインタビューで、「この和平合意は、いわゆる五つの地域に関するものだ。しかし、それにはもっと多くのことが含まれている(中略)世界全体にとって非常に重要なことが起こりつつあると思う」と述べていた。

また、「それに加えて、とても魅力的な商機を通じて、ロシアとアメリカの関係を再構築する可能性があると信じている。それが、この地域にも本当の安定をもたらすと思う」と、ウィトコフ氏は話していた。

アメリカとロシアは、外交関係の回復を目指して協議を続けている。

ゼレンスキー氏がウィトコフ氏を批判したのは、今回が初めてではない。3月にも、「彼は軍人には見えない。将軍にも見えないし、そのような経験もない。私の知る限り、彼は不動産の売買が非常に得意だが、これは少し違う」と述べていた。

17日にはゼレンスキー氏のコメントに先立ち、アメリカとウクライナ、ヨーロッパの高官らがパリで、ウクライナでの和平実現について協議した。アメリカからは、ウィトコフ氏とマルコ・ルビオ国務長官も参加した。

フランス大統領府で会談する(左から)アメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、ウクライナの各国代表団(17日、パリ)

画像提供, Reuters

画像説明, フランス大統領府で会談するアメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、ウクライナの各国代表。左から2人目がウィトコフ特使、3人目がルビオ国務長官(17日、パリ)

中国がロシアに「武器を供給」とゼレンスキー氏

ゼレンスキー氏はこの日、記者団に対し、「ついに中国がロシア連邦に武器を供給しているという情報を得た」、「中国の代表者がロシア領内で一部の武器の製造に関与していると考えている」とも話した。

中国はこのコメントにまだ反応していないが、この戦争ではこれまで、中立的な立場にあるとしてきた。

中国政府は先週、中国人がロシアのために戦っているとゼレンスキー氏が主張したことに対し、「関係者は中国の役割を正しく冷静に理解し、無責任な発言をしないように」と述べていた。

記者会見するゼレンスキー大統領

画像提供, EPA

画像説明, 「中国がロシア連邦に武器を供給しているという情報を得た」と記者会見で話すゼレンスキー氏(17日、キーウ)

トランプ氏はゼレンスキー氏について

一方、ドナルド・トランプ米大統領は同日、ゼレンスキー氏を再び批判した。トランプ氏は先に、ゼレンスキー氏が戦争を始めたと非難していたものの、この日は記者団に向かってそのコメントを一部撤回しつつ、「大ファンではない」と述べた。

ホワイトハウスでイタリアのジョルジャ・メローニ首相と記者団を前にしたトランプ氏は、「ゼレンスキーの責任だと言うわけではないが、戦争が始まったことを自分は決して喜んでいない」と話した。

「彼のせいだと言うわけではないが、何が言いたいかというと、彼が最高の仕事をしてきたとは言えないということだ、わかるか? 私は大ファンではない」と、トランプ氏は述べた。