メローニ伊首相がホワイトハウス訪問、米欧貿易協定の可能性を模索

ホワイトハウスで笑顔で会談するメローニ伊首相とトランプ米大統領

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画像説明, メローニ伊首相とトランプ米大統領(17日、ホワイトハウス)

ジェシカ・ロウンズリー記者、ラウラ・ゴッツィ記者

イタリアのジョルジャ・メローニ首相が17日、米ホワイトハウスを訪問し、ドナルド・トランプ米大統領と会談した。両首脳は、米欧の貿易協定の可能性について話し合った。

トランプ大統領は記者団に対し、「貿易協定は100%成立する」と述べたものの、「しかし、それは公正な協定になる」と付け加えた。メローニ首相は、合意成立は可能だと「確信」していると述べ、後に自分の目標は「西洋を再び偉大にすること」だと話した。

トランプ氏は今月初め、欧州連合(EU)からの輸入品に対して20%の関税を課すと発表。その後、この措置を90日間停止した。この一連の動きの後にワシントンを訪れる欧州首脳は、メローニ氏が最初となった。

メローニ氏とトランプ氏はかねて良好な関係を保っている。トランプ氏の関税が世界に与える影響について懸念が高まる中、メローニ氏は、EUとアメリカの橋渡し役としての立場を確立しようとしている。

会談後の記者会見で両首脳は、防衛費、移民、関税について話し合ったと述べた。

大統領執務室での両首脳は打ち解けた様子で、その和やかな空気はイギリスのキア・スターマー首相が2月にホワイトハウスを訪問した際のものと似ていた。

しかしメローニ氏の側近たちは、トランプ氏が外国からのほぼ全ての輸入品に10%の基準関税を課すと決めた状況下の今回の訪問を、「商業上の和平ミッション」と呼んでいた。

トランプ氏はかねて貿易をめぐりEUを強く批判し、EUは「アメリカをだますために作られた」ものだと主張している。

メローニ氏は以前、トランプ政権のこの関税を「完全に間違っている」と述べ、それがEUと同様にアメリカにも損害を与えることになると述べていた。

メローニ氏は、今回の会談で関税については具体的な成果は得られなかったものの、トランプ氏をローマに招待することには成功した。これがトランプ氏が他のヨーロッパの指導者と会う機会になると、メローニ氏は述べた。

EUとアメリカの関係が悪化している状況だけに、トランプ氏のローマ訪問が実現すれば、それをメローニ氏は自分の重要な手柄と強調するものと予想される。特に、トランプ氏が欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と会うことに同意すれば、その意義はさらに大きくなる。

メローニ氏は、トランプ氏を説得できる存在としての評価を高めてヨーロッパに戻ることになる。18日にはローマでJ・D・ヴァンス米副大統領と会談する予定で、欧州とトランプ政権とのパイプ役として存在感をさらに強化するものとみられる。

メローニ氏はトランプ氏を称賛し、その見解に同調するよう慎重に行動した。

会談後の声明で、メローニ氏は「ウォーク(woke、社会問題への認識が高いこと)イデオロギー」を批判し、「違法移民との戦い」を支持。「私の目標は西側を再び偉大にすることで、それを一緒に実現できると考えている」と述べた。

同時に、自分の政権の業績も強調し、「イタリアは現在とても好調で、その首相としてここに座っていることを誇りに思う。イタリアは安定した国、信頼できる国だ」と、メローニ氏は述べた。

メローニ氏は、自分の政府がインフレを抑え、雇用を改善したと強調。トランプ氏に向かって満面の笑みを浮かべ、「自分の国を宣伝することを許してほしい。あなたはビジネスマンだから、私の気持ちがわかるだろう」と話した。トランプ氏も笑顔で応じた。

トランプ氏は会談中、メローニ氏の首相としての働きぶりから、そのイタリア語の響きの「美しさ」まで、称賛をしきりに繰り返した。移民問題に関するメローニ氏の強硬姿勢もたたえ、もっと多くの人が同氏のようならいいのにと述べた。

メローニ氏は、イタリアが手本となっているおかげで欧州に変化が起きていると述べ、前日16日にEUが示した、安全国に関する発表にも言及した。

首相はその一方、イタリアの低い防衛費について質問された際には、時折、わずかないら立ちを見せることもあった。

メローニ氏は、6月の北大西洋条約機構(NATO)会議で、国内総生産(GDP)の2%を防衛費に充てるというNATOの要件をイタリアは満たすことができると発表する予定だと述べた。

NATO加盟国のうち8カ国が現在、防衛費の対GDP比2%という基準を満たしていない。イタリアは現在、防衛費が対GDP比で1.49%で、その8か国に含まれる。

諸外国の防衛費はトランプ氏にとって懸案事項で、NATO加盟国に対し、防衛費の増加を繰り返し要求している。

イタリアの野党指導者カルロ・カレンダ氏は、この訪問を通じて「非常に良い成果が二つあった」と述べ、メローニ首相が「ウクライナ問題については姿勢を変えず、EU首脳とイタリアで会談するようトランプ氏を説得した」ことを成果として挙げた。

カレンダ氏は、メローニ首相が「アメリカとEUの橋渡し役としての信頼性を得た」と評価する一方で、「トランプ氏と『ウォーク文化』との戦い」を首相が称賛したことを批判した。