トランプ氏、銅に50%の関税を課すと表明

銅鉱山で2人が作業している。ともに、オレンジ色のヘルメットとズボン、黄色のベストを着けている

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画像説明, チリ・ランカグア近郊マチャリにある、世界最大規模の銅鉱山「エルテニエンテ鉱山」の作業員(4月2日)

ナタリー・シャーマン・ビジネス記者、BBCニュース

アメリカのドナルド・トランプ大統領は8日、他国から輸入する銅に対して50%の関税を課す方針を明らかにした。銅の輸入をめぐっては、トランプ氏は2月、アメリカの安全保障に与える影響について調査するよう商務長官に命じていた。

トランプ氏は、アメリカの産業の保護と促進につながるとして、関税措置の拡大を進めている。こうした動きの一環として、医薬品や半導体、木材などについても、同様の調査が予定されている。

トランプ氏の今回の発表を受け、アメリカの銅の価格は過去最高値を記録した。ハワード・ラトニック米商務長官によると、50%の関税は今月末ごろに発効される見通し。

ラトニック氏は、トランプ氏が数日中に大統領令に署名するだろうとしている。

トランプ氏はこの日、テレビ放送された閣議の中で、突然こう述べた。「今日は銅だ。(税率を)50%にする」。

米地質調査所(USGS)によると、アメリカが昨年輸入した精製銅は約81万トンで、国内消費量の半分に相当する。

最大の銅供給国はチリで、次いでカナダが続く。

銅は軍装備品や電気自動車、建設資材などに不可欠だ。アメリカの現在の銅に対する関税率は、50%をはるかに下回っている。

トランプ氏が今回表明した銅関税は、最近導入された鉄鋼・アルミニウムに対するものと同じ税率で、業界関係者の予想を上回る水準。

業界関係者の中には、一部の国や製品が対象から除外される可能性もあるとして、最終的な判断が出るまでコメントを控えたいとする人もいる。

チリ国営の銅生産会社コデルコの会長は、50%の銅関税が「すべての国に適用されるのか、それとも一部の国に限定されるのかを確認する必要がある」と述べた。

米シンクタンク「ケイトー研究所」のスコット・リンシコム経済・通商担当副所長は、今回の発表は「これまでとほぼ同様に」不透明さをあおる一方で、何らかのかたちで関税が引き上げられることを「かなり明確」に示していると指摘した。

「アメリカで歴史的に高水準の関税が導入されることになる。我々はただ、その具体的な税率と対象範囲について論争するしかない」とリンシコム氏は述べた。そして、この関税措置はアメリカの生産者の助けになる一方で、銅を原材料として使用する多くの米企業にとっては打撃となるだろうと付け加えた。

関税の対象除外を待ち続ける英鉄鋼メーカー

トランプ氏が表明した銅関税とは別に、ホワイトハウスは、世界各国からの輸入品に対する税率を8月1日から引き上げるため、準備を進めている。

トランプ氏はすでに、ほとんどの輸入品に10%の関税を課しているが、より高い関税については発動していなかった。これは、金融市場が急激な関税引き上げに反発したことや、米経済団体が時間的猶予を求めたことを受けての対応だった。

アメリカの貿易相手国の多くは、8月1日までにアメリカと関税をめぐる合意を締結することを望んでいる。

トランプ氏は8日、欧州連合(EU)との協議が順調に進んでいるとしたうえで、「おそらく2日以内に」新たな関税率を通知する書簡を送付することになると述べた。

一方でイギリスの鉄鋼業界は、自国製品が50%の関税対象から除外されるかどうか、不透明な状況にある。

この合意は6月に発効したものの、金属製品に対する関税引き下げについては最終決定には至っていない。

現在も、イギリスからアメリカに輸出される鉄鋼・アルミ製品には25%の関税が課されている。7月9日までに詳細が決定しなければ、税率は50%に引き上げられる可能性がある。

ホワイトハウスは、イギリスとの協議の現状について、コメント取材に応じていない。

トランプ氏は、医薬品に対して最大200%の関税を課す方針も表明している。ただし、少なくとも1年間の猶予期間を設ける意向だとしている。

(追加取材:オリヴァー・スミス)