トランプ氏によるポートランドへの州兵派遣は「違法」、米連邦地裁が判断

ガスマスクを着け、銃を持った州兵が路上に並んで立っている。周囲は日没後で暗く、背後には電気がついた建物が見える

画像提供, Reuters

アメリカ・オレゴン州ポートランドの連邦地裁は7日、ドナルド・トランプ大統領によるポートランドへの州兵派遣は違法だとの判断を下した。

トランプ氏は地元当局の反対を押し切り、州兵を複数の都市に派遣するよう命じてきた。これが、連邦法違反にあたるかどうか、数週間にわたり法廷闘争が続いていた。

ポートランドへの州兵派遣をめぐってはすでに、連邦地裁が一時差し止めを命じていた。今回の裁判所判断は、この差し止め命令を恒久的なものにした。

トランプ政権は連邦当局による非正規移民の一斉摘発に対する抗議デモを抑え込むための一環として、ポートランドやシカゴ、ロサンゼルス、ワシントンなど主に民主党員が首長を務める都市に州兵を派遣してきた。

ポートランドの連邦地裁のキャリン・イマーグート判事はこの日、トランプ政権による州兵派遣を恒久的に阻止する判断を全米で初めて下した。イマーグート氏はトランプ氏の大統領1期目に、連邦判事に任命された。

政府はこの決定を不服として控訴するだろうと、広く受け止められている。最終的には、連邦最高裁に持ち込まれる可能性がある。

イマーグート判事は先週、トランプ政権の訴えを退け、2件の差し止め命令を出した。一つはオレゴンの州兵をポートランドに動員することを阻止するもの。もう一つはより広範な内容で、ほかの州からオレゴン州へ部隊を派遣することを阻止するというものだった。トランプ氏は過去に、カリフォルニア州やテキサス州から部隊を派遣しようとしたことがある。

州兵を連邦政府の管理下に置く「合法的根拠ない」

106ページにわたる判決文の中で、イマーグート判事は、大統領が州兵を動員することを永久に禁じるものではないとしつつ、ポートランドに関しては「大統領には、州兵を連邦政府の管理下に置く合法的根拠がなかった」と指摘した。

判事は、大統領が部隊の派遣を命じる必要があるような反乱あるいは反乱が起きる危険性は存在しなかったと書いた。

また、トランプ氏が合衆国憲法修正第10条に違反したとも指摘した。修正第10条は、合衆国憲法が連邦政府に明示的に委任していない権限は、各々の州に留保されると定めている。

イマーグート氏はさらに、大統領が「アメリカ各地の市街地に軍を配備」できる基準の設定は上級裁判所に委ねるとしつつ、「その境界線がどこにあるにせよ、被告側はそれを明確に示せていない」と付け加えた。

オレゴン州で実際に起きていることをめぐり、州や地元当局とトランプ政権との間で意見が対立している。

司法省はポートランドを「戦争で荒廃した」街と形容し、ポートランドの移民収容施設が暴力的に包囲されたと主張している。

ホワイトハウスは以前、「我々が一貫して主張してきたように、トランプ大統領は地元の指導者が対処を拒んだ暴力的な暴動を受け、連邦資産と職員を守るために法的権限を行使している」と説明していた。

しかし地元当局や多くの市民は、暴力行為は広範囲におよんでおらず、ポートランド警察によって封じ込められていると主張している。

「この裁判は、この国が憲法に基づく国家なのか、それとも戒厳令下の国家なのかを問うものだ」と、ポートランド市のキャロライン・ターコ顧問弁護士は述べた。