トランプ氏、ガザには「本当の飢餓」があると発言 イスラエル首相と食い違い

画像提供, Reuters
パレスチナ・ガザ地区の状況について、ドナルド・トランプ米大統領は28日、「本当の飢餓」があると述べた。そうしたものはないとする、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の主張と食い違いを見せた。
訪英中のトランプ氏はこの日、キア・スターマー英首相とスコットランドで会談した際に、記者団の質問を受けた。
ガザでの飢餓をイスラエルが悪化させているというのは「あからさまなうそ」だとするネタニヤフ氏の主張に同意するかと問われると、トランプ氏は、「わからない。(中略)子どもたちはとても腹を空かせているように見える。(中略)あれは本当の飢餓だ」と述べた。
また、「誰もあそこで素晴らしいことはしていない。全体がめちゃくちゃだ。(中略)私はイスラエルに、違う方法でやる必要があるんじゃないかと伝えた」と話した。
ガザの状況をめぐっては、国連のトム・フレッチャー事務次長(人道問題担当)が前日、飢餓を食い止めるには「膨大な量の」食料が必要だと警告した。
フレッチャー氏はBBCのラジオ番組で、イスラエルが週末に支援物資空輸を許可したことや、食料運搬のトラックがガザ内を通行できるように軍事行動を一時停止させたことなどの、同国の一連の措置を歓迎。ただ、住民に届いているのは必要分のほんのわずかでしかないとし、「これからの数日が勝負だ。もっともっと大規模な援助が必要だ」と話した。
イスラエルは、軍事作戦を休止した27日の最初10時間で、ガザとの検問所にあったトラック120台分の支援物資が引き取られたとしている。また、ヨルダンとアラブ首長国連邦によって、支援物資のパッケージ28個が上空から投下されたとしている。
一方、イスラム組織ハマスが運営するガザ保健当局は、過去24時間で新たに14人が栄養不良で死亡したと発表した。これで、2023年10月の戦争開始以降で栄養不良に関連して死んだ人は147人となり、うち88人は子どもだという。
ガザへの物資搬入は、イスラエルがすべてを管理している。イスラエルは、ガザで飢餓は起きていないと主張し、食料不足は自分たちの責任だとの非難をはねつけている。
ネタニヤフ氏は飢餓を否定
ネタニヤフ氏は、イスラエルが意図的にガザ住民を飢えさせているという主張を強く非難している。民間人をわざと飢えさせる残虐行為は、戦争犯罪に該当する。
27日には、「なんていう、あからさまなうそだ。ガザへの飢餓政策などないし、ガザでは飢餓は起きてない」とネタニヤフ氏は述べた。
そして、「私たちは戦争の間ずっと、人道支援物資のガザ搬入を可能にしている。そうでなければ、ガザ住民は1人もいない。人道支援物資の供給を妨害してきたのは、ハマスというたった一つの勢力だけだ。またしても、真実がひっくり返されている」と話した。
ネタニヤフ氏はまた、イスラエルが軍事行動を停止し、人道回廊を設置していることで、国連は検問所から支援物資を引き取って配給しない「言い訳がなくなった」と主張。「うそをつくのをやめろ。言い訳を探すのをやめろ。やるべきことをやれ」と述べた。
首相官邸は28日夜、イスラエルが支援団体やアメリカ、欧州諸国と協力し、ガザへの「大量の人道支援物資の流入」を確実にすると発表した。
官邸は声明で、「ガザの状況は厳しい」と説明。ハマスが「検証されていない数字」を発表したり、「慎重に演出や操作された画像を流したり」することで、「人道危機という見方を膨らませ、利益を得ている」とした。
子どもたちが飢えで死亡とWHO
世界保健機関(WHO)は27日、栄養不良が「ガザ地区で危険な状態で推移しており、7月に死者が急増した」と警告した。
WHOによると、ガザで今年これまでに、栄養不良に絡んで死亡した74人のうち、63人が今月に入って死亡した。5歳未満の子ども24人、5歳以上の子ども1人が含まれているという。
WHOは、現在の危機は「完全に予防可能」だと主張。「大規模な食料、保健、人道支援に対する意図的な阻止と遅延」を非難した。
イスラエルはハマスが支援物資を強奪していると非難しているが、ハマスはこれを否定している。米紙ニューヨーク・タイムズは27日、ハマスが組織的に支援物資を盗んだ証拠は見つかっていないとする、イスラエル軍高官の発言を報じた。ロイター通信も先週、ハマスが組織的に支援物資を盗んでいる証拠は見つからなかったとする、米政府の分析について報じた。












