ルビオ米国務長官がイスラエル訪問、両国関係は「かつてなく強固」と ガザ市で攻撃続くなか

スーツ姿でキッパをかぶったネタニヤフ氏が、女性関係者から説明を受けている。その様子を背後から、ルビオ氏と白い服にキッパをかぶった男性が見ている

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画像説明, エルサレムの聖地「西の壁(嘆きの壁)」を訪れたイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相(中央手前)とマルコ・ルビオ米国務長官(中央奥)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は14日、アメリカとイスラエルの関係は「かつてないほど強固だ」と述べた。アメリカのマルコ・ルビオ国務長官はこの日、イスラエルがカタールの首都ドーハで、パレスチナのイスラム組織ハマスの幹部を攻撃した件を受け、ガザでの戦争をめぐる協議のためにイスラエルを訪問した。

ネタニヤフ首相は、エルサレムの聖地「西の壁(嘆きの壁)」を訪れた際、記者団に対し、両国の関係は「嘆きの壁の石のように強く、そして耐久力がある」と語った。

これに先立ち、ルビオ国務長官は、ドナルド・トランプ米大統領が、アメリカの重要な同盟国のカタールに対するイスラエルの攻撃に不満を抱いていると述べた。一方で、米・イスラエル関係は「非常に強固だ」とも強調した。

ルビオ氏の訪問は、イスラエル軍がガザ市内の高層住宅の破壊を続けている中で行われている。ガザ市では、地上侵攻による制圧が予想される中、数千人が避難を余儀なくされている。

「当然ながら、我々はこの件について不満がある。大統領も不満を表明した。だが今は前に進み、次に何が起こるかを見極める必要がある」と、ルビオ氏はイスラエルへ向けて出発する前に述べた。

ルビオ氏はまた、トランプ氏の最優先事項はすべての人質の帰還と戦争の終結であることに変わりはないと付け加えた。イスラエルがカタールで攻撃を開始した時、ハマス幹部らはガザでの停戦に向けたアメリカの最新提案を協議するため、ドーハに滞在していた。

ドーハへの攻撃が、米・カタールの協力姿勢を複雑にしたかとの質問に、ルビオ氏は、「カタールは複数の分野で良好なパートナーであり続けている」と答えた。

カタールは、中東におけるアメリカの主要な同盟国で、アメリカの大規模な空軍基地がおかれている。カタールは今後の対応を協議するため、15日にもアラブ・イスラム緊急首脳会議を開催する予定だ。

カタール政府は、イスラエルによる攻撃を「臆病な行為」かつ「国際法の明白な違反」だと非難している。

カタールのムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・アル・サーニ首相は14日、国際社会に「二重基準を放棄」し、イスラエルの「犯罪」に対して処罰を科すよう求めた。

アラブ・イスラム諸国のサミットに先立って行われた準備会合で同首相は、イスラエルの行為はガザでの戦争終結に向けたカタールの仲介努力を止めるものではないと付け加えた。

一方、イスラエルのネタニヤフ首相は、カタールでの行動は「完全に正当化されるものだ」と述べ、その理由として、2023年10月7日の攻撃を計画したハマス幹部を標的にしたことを挙げた。

ガザには現在、48人のイスラエル人の人質が拘束されており、そのうち20人が生存しているとみられている。人質の家族らは、ネタニヤフ首相こそが「帰還と和平合意の唯一の障害」だと主張している。

人質と行方不明者の家族フォーラムは、イスラエルによるカタールへの攻撃について、「合意が近づくたびに、ネタニヤフ氏がそれを妨害することが明らかになっている」とソーシャルメディアで指摘した。

ガザ市への攻撃続く

ネタニヤフ首相によるガザ市の占領計画は国際的に批判されている。国連は、飢饉(ききん)が宣言された地域での軍事的エスカレーションは、民間人を「さらに深刻な惨事」へと追いやると警告している。

BBCが検証した14日の映像には、ガザ市のアル・カウサル・タワーに爆弾が命中する様子が映っていた。地元当局者はロイター通信に対し、少なくとも30棟の住宅が破壊されたと語った。

イスラエルはここ1週間でガザ市に対して5回の空爆を完了したと発表。標的は500カ所以上に及び、その中にはハマスの偵察・狙撃拠点や、トンネルの開口部を含む建物、武器庫などが含まれていたと説明している。

動画説明, イスラエルはガザ市の高層住宅への攻撃を続けている

イスラエルは、ガザ市の住民に対して市を離れ南部へ向かうよう求めている。イスラエル国防軍(IDF)は13日、推計で約25万人のパレスチナ人が避難したと述べた。ただし、数十万人が依然として同地域にとどまっているとみられている。ハマスは住民に対し、退避しないよう呼びかけている。

イスラエルは南部でも空爆を実施しているため、南部ガザも安全ではないと多くの住民は話す。

ガザ市で避難生活を送るムスバフ・アル・カファルナ氏はロイター通信に、「爆撃はあらゆる場所で激しくなっていて、私たちはテントを撤去した。20世帯以上の家族がいて、どこへ行けばよいのか分からない」と語った。

ハマスが運営するガザの保健省は14日、イスラエル軍によって殺害された68人の遺体が、13日に病院に搬送されたと発表した。

荒れて乾燥した丘を、大きな荷物を載せたトラックや荷車が列になって登っている

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画像説明, イスラエルによるガザ市への砲撃から逃れ、南へ向かうパレスチナ人たち

国連が支援する世界の食糧安全保障専門家らが、8月22日にガザ市での飢饉を確認して以来、同省は、領域全体で少なくとも144人が飢餓および栄養不良で死亡したと報告している。イスラエルは、支援物資の搬入を促進する取り組みを拡大していると述べており、栄養不良関連の死者数については保健省の発表に異議を唱えている。

イスラエル軍は、2023年10月7日にハマスがイスラエル南部を攻撃し、約1200人が殺され、251人が人質に取られたことを受けて、ガザでの軍事作戦を開始した。

ガザの保健省は、それ以降のイスラエルによる攻撃で少なくとも6万4871人が殺されたと報告している。