エプスティーン元被告の性虐待、手助けした受刑者に恩赦を与えないで……被害者遺族がトランプ氏に要望

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未成年女性への性的虐待罪で有罪とされた米資産家ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)の被害者で今年自殺した女性の遺族が、元被告の共犯者で、元被告に関する証言を求められているギレイン・マックスウェル受刑者に恩赦を与えることを検討しないよう、ドナルド・トランプ大統領に要望する声明を7月30日に出した。
要望したのは、故ヴァージニア・ジュフリー氏の遺族の、スカイ・ロバーツ、アマンダ・ロバーツ夫妻と、ダニー・ウィルソン、ラネット・ウィルソン夫妻。声明で、ジュフリー氏が4月に自殺したことをまだ「引きずっている」とした。
両夫妻が恩赦に反対しているマックスウェル受刑者は、エプスティーン元被告による少女虐待を手助けした罪などで有罪とされ、禁錮20年の刑に服している。最近、元被告に関する資料の公開を求める声が高まるなかで、司法省高官が刑務所を訪れて話を聞くなど、再び注目されている。
マックスウェル受刑者がかつて行動を共にし、性的人身売買の罪で起訴されたエプスティーン元被告をめぐっては、「顧客リスト」の存在がうわさされている。一部では、トランプ政権がそれを隠しているとの見方も出ており、政権はそうした政権批判を鎮めようとしている。
こうした流れのなかで、連邦議会下院の監視委員会は先週、マックスウェル受刑者に対し、8月11日に委員会で証言するよう召喚状を送った。
受刑者の弁護団は、将来の訴追の免除が認められるなら受刑者が証言すると表明。また、トランプ氏に恩赦を求め、もし「恩赦を受けられるのであれば、彼女はオープンに正直に証言することを望むだろう」としている。
トランプ氏は先週、マックスウェル受刑者への恩赦を検討しているかと記者団に問われると、「考えていない」と答えた。
ホワイトハウス高官はBBCに、マックスウェル受刑者に関して、「どんな刑の減免も与えられておらず、議論もされていない」と話した。
「刑務所で朽ち果てるに値する」
ジュフリー氏の遺族は、トランプ氏への要望の声明で、「ギレイン・マックスウェルは、残りの人生ずっと刑務所にいて、そこで朽ち果てるに値する怪物だ」とした。
また、マックスウェル受刑者には宣誓下でうそをついて有罪となった前歴があるとし、「自分が有利になる限り、同じことをし続ける」と主張。「自分のことしか考えない捕食者で、良心のとがめなく少女や若い成人女性の人生を破壊した」とした。
さらに、「ヴァージニアはいつも、ギレイン・マックスウェルは凶悪で、しばしばエプスティーンより残酷になることもあったと言っていた」とした。
そのうえで、トランプ氏に対し、「ギレイン・マックスウェルに刑の減免を与えることは絶対に考えてはならない」と要望。「彼女は刑務所にずっといなくてはならない。それよりも刑が軽くされるなら、最悪の形の司法の茶番の一つとして歴史に残るだろう」とした。
トランプ氏の発言も問題視
ジュフリー氏の遺族は、トランプ氏が7月29日に、「私のために働いていた人たちを(エプスティーン元被告が)盗んだ」と発言したことも問題視している。
トランプ氏は、そうした人たちの中にジュフリー氏もいたとした。ジュフリー氏は2016年の法廷宣誓証言で、16歳だった2000年夏に、トランプ氏の私邸兼リゾート施設マール・ア・ラーゴで働き始めたと述べていた。
遺族は今回の声明で、「トランプ大統領が私たちの妹について話し、ヴァージニアがマール・ア・ラーゴから『盗まれた』と承知していたと発言したのは、ショックだった」と説明。
「おかげで、(トランプ氏が)ジェフリー・エプスティーンとギレイン・マックスウェルの犯罪行為に果たして気づいていたのだろうかと、疑問に思うようになった」とした。
遺族はまた、ジュフリー氏がトランプ氏のために働いていた期間に、マックスウェル受刑者の「餌食にされた」ことを「明確にしたい」とした。
エプスティーン元被告は2008年、未成年者に対する売春の勧誘で有罪判決を受け、性犯罪者として登録された。2019年に未成年者の性的人身売買の罪で起訴され、裁判を待つ間にニューヨークの拘置所内で死亡した。
司法省と連邦捜査局(FBI)は今年7月、元被告は自ら命を絶ったとし、「顧客リスト」は存在しないとする調査結果を発表した。
マックスウェル受刑者は、1994~2004年に当時付き合っていたエプスティーン元被告による性的虐待を手助けする目的で、10代の少女4人を勧誘し人身売買をしたなどとして、2021年に有罪評決を受け、2022年に禁錮20年の刑が言い渡された。











