エプスティーン元被告の捜査資料にトランプ氏の名前と米紙報道 ホワイトハウスは強く反発

白髪で白いひげを生やしたエプスティーン元被告がカメラを見ている

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画像説明, ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは23日、性犯罪者として登録されていた資産家ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)に関する司法省が保有する資料に、ドナルド・トランプ大統領の名前が出てくると、政府関係者の話として報じた。ホワイトハウスは強く反発している。一方、フロリダ州の連邦地裁は同日、司法省から出されていた、元被告の捜査に関する大陪審の資料の公開請求を退けた。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、エプスティーン元被告の関連資料には、著名人ら数百人の名前に交じって、トランプ氏の名前も複数個所で出てくるという。

元被告の関連資料に名前が出てくることは、不正行為を犯したことの証拠にはならない。トランプ氏はこれまで、元被告の事件に絡み、不正行為に問われたことはない。

同紙によると、パム・ボンディ司法長官は2月、ホワイトハウスでの定例ブリーフィングで、元被告の関連ファイルには元被告と交流のあった多くの人に関する伝聞情報が含まれており、トランプ氏の名前も出てくると伝えていた。

ボンディ氏はまた、捜査記録には児童ポルノや被害者情報など、公表されるべきではないものが含まれているとも、トランプ氏に報告していた。

ホワイトハウスのスティーヴン・チャン報道官は、この報道を「民主党とリベラルメディアがでっち上げたフェイクニュースの続報にすぎない」と切り捨てた。

司法省も同様に報道内容を否定。クリック数を稼ぐのが目的の「虚偽と風説の集合体」だとした。

米連邦捜査局(FBI)のカシュ・パテル長官は、「犯罪的な情報流出者とフェイクニュースメディアは、中傷とうそでトランプ大統領をおとしめようとたゆまぬ努力を続けており、この話も同じだ」と述べた。

この報道のあと、他の米メディアも同様の報道をしている。BBCはこの報道について、独自に検証できていない。

ロイター通信は、ホワイトハウス関係者の1人が、資料にトランプ氏の名前があることを否定しないと話したと報じた。この関係者は、司法省が2月に保守派のインフルエンサーらに配布したエプスティーン元被告の関連ファイルに、トランプ氏の名前が含まれていたと説明。トランプ氏の娘を含む、同氏の家族の電話番号も含まれていたと述べたという。

トランプ氏は先週、捜査ファイルに自分の名前が出てくるとボンディ長官に言われたのかと記者団に問われた際には、「いや、いや、彼女は......ごく簡単な説明をしただけだ」と答えていた。

司法省の資料公開請求を退ける

フロリダ州の連邦地裁のロビン・ローゼンバーグ判事はこの日、エプスティーン元被告のフロリダ州での事件に関する資料を公開するのは、州法に違反するとの判断を示した。

トランプ政権は、元被告の資料の公開を求める圧力に直面しており、司法省に対して先週、公開の承認を裁判所から得るよう指示していた

エプスティーン元被告は、性的人身売買の罪で起訴され、裁判を待っていた2019年にニューヨークの拘置所で死亡した。その死をめぐっては、「顧客リスト」の表面化を恐れる有力者らに殺害されたといった見方が、トランプ氏の支持者の一部からも出ている。

元被告と一時、交友のあったトランプ氏は、昨年の大統領選挙期間中、元被告に関するファイルを公開すると約束した。しかし、司法省と連邦捜査局(FBI)は今月、著名人らの関与を示すような「顧客リスト」は存在せず、元被告は自殺だったと結論づけた

ボンディ司法長官は以前、事件に絡んで「多くの名前」や「多くのフライト記録」を近く公表すると表明していたこともあり、この変わり身は、トランプ氏の熱心な支持者らからも怒りを呼んだ

こうしたなかでトランプ氏は先週、ボンディ氏に対し、大陪審の全資料の公開に努めるよう指示。これを受けて司法省は、フロリダ州とニューヨーク州の裁判所に、それぞれの州における事件に関する資料の公開を請求した。

フロリダ州連邦地裁のローゼンバーグ判事は、12ページにわたる判決文の中で、同州を管轄する連邦控訴裁が定めた大陪審の秘密保持に関するガイドラインにより、記録は公開できないと裁定。「裁判所の手は縛られている」と述べた。

そして、「広範な公益」と「米国民への透明性」のためにファイルを公開すべきだという政府の主張は、公開のために必要な「特別な状況」の要件を満たしていないと判断した。

一方で、関連書類の公開について司法省側が追加の法的主張をできるよう、新たな裁判を開くことも決定した。

大勢が集まる暗いパーティー会場で、25年前のトランプ氏がメラニア氏の腰に手を回し、マクスウェル受刑者の腰に手をまわしたエプスティーン元被告と並んでカメラに笑顔を向けている

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画像説明, 2000年2月に撮影された写真。左からトランプ氏、この5年後に同氏と結婚したメラニア氏、故エプスティーン元被告、マックスウェル受刑者

エプスティーン元被告の事件では、元被告による少女虐待する手助けをした罪などで禁錮20年の刑に服しているギレイン・マックスウェル受刑者に、再び関心が集まっている。

同受刑者の弁護士によると、同受刑者は司法省の高官と面会して事件に関して話をする予定がある。また、連邦議会下院の監視委員会は同受刑者に対し、8月11日にも刑務所から委員会に出席し、証言するよう召喚状を送っている。

ただ、下院のマイク・ジョンソン議長は、マックスウェル受刑者に正確な証言を期待することはできないと警告。「この人物は、罪のない若者に対する恐ろしく、口に出せないような、謀略的な行為によって、何年も服役することになったのだ」と述べた。

ジョンソン氏は22日、下院を予定より1日早く休会にした。エプスティーン元被告の事件に関して情報公開を迫る議会の動きを停滞させる狙いがあるとみられる。

しかし、下院の監視小委員会は23日、司法省にファイルの公開をさせることに賛成した。採決では与党・共和党の委員3人も公開を支持した。

ただし、法的にこれを進めるには、下院監視委員会の共和党のジェイムズ・コーマー委員長の署名が必要になる。