フランス、パレスチナ国家を正式承認 「平和のための時が来た」

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フィオナ・ニモニ
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は22日、パレスチナ国家を正式に承認すると宣言した。米ニューヨークの国連本部でフランスとサウジアラビアが主催した、パレスチナ問題解決に向けた首脳級会議で表明した。21日には、カナダ、オーストラリア、イギリス各国がパレスチナ国家承認を発表していた。
マクロン大統領は国連本部で、「平和のための時が来た」と述べ、「ガザで続く戦争を正当化するものは何もない」と強調した。
マクロン大統領は、ベルギー、ルクセンブルク、マルタ、アンドラ、サンマリノの各国もパレスチナ国家を承認することを明らかにした。
ニューヨークの国連本部ではこの日、フランスとサウジアラビア主催でイスラエルとパレスチナとの「2国家共存」による和平を推進する会議が開かれた。主要7カ国(G7)のうち、ドイツ、イタリア、アメリカは出席しなかった。
パレスチナ・ガザ地区での人道危機やヨルダン川西岸地区での入植地拡大をめぐり、国際社会によるイスラエルへの圧力が高まっている。
イスラエルは、イスラム組織ハマスによる2023年10月7日のイスラエル攻撃で約1200人が死亡、251人が人質にとられた事態を理由に、パレスチナ国家承認はハマスへの報酬になると主張している。
ハマスがガザで運営する保健省によると、2年近く続くイスラエルのガザ攻撃で、6万5000人以上のパレスチナ人が殺害されたという。
イスラエル軍は現在、ガザ市の制圧を目指して地上作戦を展開している。かつて100万人が暮らしたガザ市では、飢饉(ききん)が確認された。
こうした状況を踏まえ、マクロン大統領は首脳級会議で、戦争を終わらせ、ハマスに拘束されているイスラエル人質の解放を実現するよう訴えた。さらに「終わりのない戦争の危険性」に警鐘を鳴らし、「正義は常に力に勝る必要がある」と強調した。
マクロン大統領は、国際社会が中東において、公正かつ持続的な平和を築けずにきたと指摘。「イスラエルとパレスチナが平和と安全のもとで共存できる」ようにする「2国家解決の可能性を守るため、私たちは全力を尽くさなくてはならない」と語った。
サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン外相も、ムハンマド皇太子を代表して国連で演説し、2国家解決こそ、地域に恒久的な平和をもたらす唯一の道だと繰り返した。

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国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、ガザの現状が「道義的にも法的にも政治的にも容認できない」ものだと述べ、イスラエルとパレスチナの和平には2国家解決が「唯一信頼できる道」だと強調した。
パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長は、アメリカが自分自身と他のパレスチナ高官のビザを取り消したため国連総会に出席できず、代わりにビデオリンクで会議に参加した。
アッバス議長は恒久的な停戦を求め、ハマスがガザを統治することは認められないとし、ハマスは武装解除してパレスチナ自治政府に「武器を明け渡す」よう訴えた。「我々が求めているのは、武器のない統一国家だ」とも議長は述べた。
アッバス議長はまた、ハマスによる2023年10月7日のイスラエル攻撃を非難し、イスラエル国民に向けて「我々の未来もあなた方の未来も、平和にかかっている。暴力と戦争はもうたくさんだ」と呼びかけた。

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マクロン大統領は、ガザの「安定化ミッション」にフランスは貢献する用意があるとし、パレスチナ自治政府の参加のもと、ハマスの解体を監督する暫定行政機構の設置を求めた。
フランスは、ハマスに拘束されている全ての人質が解放され、停戦が合意されるまで、パレスチナ国家への大使館開設は行わないとした。
他方、イスラエルのダニー・ダノン国連大使は、マクロン大統領の発表直前に記者団に対し、2023年10月7日の攻撃以降、2国家解決は選択肢から「外れた」と言い、今週の国連での協議を「茶番」と呼んだ。また、イスラエルが占領下のヨルダン川西岸地区を併合する可能性も否定しなかった。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ヨルダン川西岸の西側にパレスチナ国家は存在しない」と強調し、イツハク・ヘルツォグ大統領も国家承認は「闇の勢力を勢いづかせるだけだ」と批判した。
マクロン大統領の発表に先立ち、パリでは21日夜、エッフェル塔にパレスチナとイスラエルの旗が掲げられた。フランス各地の複数の市庁舎も22日にパレスチナの旗を掲げたが、政府は地方自治体に中立を保つよう指示している。
これに対してパレスチナ国家を承認しない方針を示しているイタリアでは、約80の都市で親パレスチナ派が抗議活動を展開した。メローニ政権は、存在しない国家を承認するのは「逆効果」になるとの見解を示している。
ドイツ政府は、パレスチナ国家承認は現時点では議論対象ではないという姿勢。ヨハン・ヴァーデプル外相は22日にニューヨークへ向かう際、「ドイツにとって、パレスチナ国家承認は(和平)プロセスのもっと終盤で行うものだ。しかし、そのプロセスは今すぐ始めなくてはならない」と述べた。











