ロシア外相、EUやNATO加盟国を攻撃する意図はないと発言 国連総会

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ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は27日、ロシアには欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の加盟国を攻撃する意図はないと国連総会で述べた。一方、ロシア政府に向けられた「侵略」には「断固とした対応」を取ると警告した。また、2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる攻撃をロシアは非難するとしつつも、パレスチナ・ガザ地区における住民殺害やヨルダン川西岸地区の併合を正当化するものはなにもないと、イスラエルを非難した。
国連総会の一般討論で演説したラヴロフ外相は、「NATOおよびEUへの攻撃を計画していると事実上非難されているロシアに対して、武力による脅迫がますます当たり前になっている。プーチン大統領は、こうした挑発を繰り返し論破してきた」と述べた。
「ロシアはこれまでそのような意図を持ったことはなく、現在も持っていない。しかし、わが国に対するあらゆる侵略行為には、断固として対応する」と外相は強調した。
ラヴロフ外相は米ロ関係にも言及し、「現在のアメリカ政権の姿勢には、ウクライナ危機を現実的に解決する方法に貢献しようとする意欲だけでなく、イデオロギー的立場を取らずに実利的な協力関係を構築しようとする意欲も見られる」と述べた。
ロシアによるウクライナへの全面侵攻は3年目に突入している。ロシアは27日から28日朝にかけて、ウクライナに対し過去最大級の夜間ドローン攻撃を実施した。
ドナルド・トランプ米大統領は23日、それまでの立場を逆転させ、ロシアに奪われた領土をウクライナが奪還できるとの考えを示した。トランプ氏は、NATO加盟国は自国の領空内でロシアの航空機を撃墜すべきだとまで述べている。
NATOは、東欧などで最近相次ぐ領空侵犯を受けて、防衛のために「必要なすべての軍事的および非軍事的手段」を用いると警告している。
19日にはエストニアが、ロシアが軍用機で自国の領空を侵犯したと非難した。また、10日に領空侵犯したロシアのドローンを撃墜したポーランドでは、同盟国の対応の一環としてNATOによる防空任務が実施された。
他方、デンマークが自国の空港上空にドローンが飛来したと発表した件について、ロシア政府は関与を否定している。デンマークは、この一連の事案が「専門的な実行者」によるものと見られるとしながらも、ロシアの関与を示す証拠はないと述べている。
イスラエルを批判
ラヴロフ外相は中東情勢についても言及した。イスラエルによるガザ地区のパレスチナ人の「残虐な殺害」や、ヨルダン川西岸地区の併合計画には「いかなる正当性もない」とイスラエルを非難したほか、イスラエルによる中東諸国への攻撃が地域を「爆発させる」恐れがあると警告した。
イスラエルはこれまで、ガザでの軍事作戦はハマスを打倒するために必要だと主張している。さらに、ハマス排除の目的を理由に、カタールを含む中東の他国への空爆を正当化してきた。
ハマスが運営するガザ地区の保健省によると、イスラエルの空爆により、これまでに少なくとも6万5926人が殺されている。一方、2023年10月7日の攻撃では約1200人が殺害され、251人が人質として拘束された。
外相は中東情勢をめぐりさらに、イギリスやフランスを含む国々が最近パレスチナ国家を承認したタイミングを疑問視し、承認をこれほど長く控えていたのは、「承認すべき人も物も何も残らない」状態になるのを待っていたからではないかとくぎを刺した。
ラヴロフ外相はイランについては、西側諸国が外交努力を妨害したと非難した。これは、ロシアと中国が主導した制裁再発動の延期を求める土壇場の試みが、26日に失敗したことを受けた発言。ラヴロフ氏は、この措置を「違法だ」と述べた。
制裁は、グリニッジ標準時28日午前0時に発効した。











