トランプ氏、ウクライナは全土をロシアから取り戻せると 立場を一転

画像提供, Reuters
アメリカのドナルド・トランプ大統領は23日、ウクライナは「全土を元の形で取り戻すことができる」と、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。ウクライナとロシアの戦争に関して、立場を大きく転換させた。
この発信に先立ち、トランプ氏はこの日、米ニューヨークで開かれている国連総会で演説。その後、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。
トランプ氏は投稿で、ウクライナはヨーロッパと北大西洋条約機構(NATO)の支援と、ロシア経済への圧力によって、「この戦争が始まった時点の元の国境線」を取り戻すことができるとした。
また、「もしかしたら(ウクライナは)それよりも先まで行くかもしれない」とも書いた。それが何を指すのは明らかにしなかった。
トランプ氏は、2014年2~3月のロシアによるクリミア侵攻と併合については言及しなかった。ロシアはその8年後の2022年2月に、ウクライナ本格侵攻を開始した。
自分の立場を変えたことに関しては、トランプ氏は「ウクライナとロシアの軍事的・経済的状況を知り、完全に理解した後」でのことだと説明した。
また、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領について、「プーチンとロシアは大きな経済問題を抱えている」とし、「今こそウクライナが行動すべき時だ」と書いた。さらに、ロシアを「張り子のトラ」と呼んだ。
投稿の最後では、アメリカがNATOへの兵器売却を継続すると保証した。兵器の一部はウクライナに渡されることになる。
トランプ氏はこれまで、戦争を終わらせたいとの願いを繰り返し表明している。ただ、終戦に至るにはウクライナが領土を放棄することになる可能性が高いと警告してきた。ゼレンスキー氏は一貫してこれを拒絶してきた。
トランプ氏のこの日の投稿は、悲惨な状況だと言い続けてきたウクライナに関して、自らの方針を180度転換するものだ。
トランプ氏が予測不可能なことはよく知られているが、今回の動きは、同氏が米アラスカでプーチン氏と首脳会談をしてから1カ月以上停滞している和平交渉に、揺さぶりをかける試みとみられる。
ゼレンスキー氏は歓迎
ゼレンスキー氏は、トランプ氏の「大きな変化」を歓迎した。
国連本部で記者団の取材に応じたゼレンスキー氏は、「戦争が終わった後」にアメリカがウクライナに安全の保証を与える意思があると理解していると話した。
保証はどのようなものかと問われると、「うそはつきたくない。具体的なことは決まっていない」と答えた。ただ、兵器や防空、ドローンに関する支援強化の可能性に言及した。
ゼレンスキー氏はその後、米FOXニュースの番組に出演。トランプ氏の投稿には驚いたが、トランプ氏とアメリカが「戦争の終わりまで私たちと共にある」という「前向きなシグナル」だと受け止めたと述べた。
また、「プーチンがトランプ大統領にあまりに何度もうそをついていたことも、私たちの違いを示して、大きく作用したと思う」と話した。
ロシア軍機の領空侵犯については
トランプ氏はこの日、国連での演説のあと、このところ東欧ポーランド、ルーマニア、エストニアでロシア軍の戦闘機やドローンによる領空侵犯が相次いだことに関して、記者団の質問に答えて、NATO加盟国はそれらを撃墜すべきだと述べた。
ロシアは、ポーランドの件については意図的な侵犯ではなかったと主張。ルーマニアの件ではコメントしていない。エストニアの件をめぐっては領空侵犯を否定している。
NATOの同盟国がロシア軍機を撃墜した場合、アメリカは同盟国を支援するのかと質問されたトランプ氏は、「状況次第だ」と答えた。











