NATO、東側の防衛を強化 ロシア・ドローンのポーランド領空侵犯で

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ポーランドの領空にロシアのドローンが侵入したことを受け、北大西洋条約機構(NATO)加盟の数カ国が、兵士、大砲、防空システムをNATOの東側の国々に送り、安全確保に力を入れる姿勢を示している。
ポーランドでは10日未明、ロシアのドローンが領空に侵入し、3機が撃墜された。このほか、地面に墜落したドローンもあり、これまでにポーランド東部の各地で発見されている。
ロシアのドローンやミサイルがNATO加盟国の領域に侵入したことはこれまでもあったが、今回の事態は、ロシアが2022年2月にウクライナを全面侵攻して以降で最も深刻だ。
これを受け、ポーランドは国連安全保障理事会の開催を要請。12日(日本時間13日)に予定されている。
こうしたなか、NATO加盟国のオランダとチェコは、ポーランドの防衛の支援に乗り出す。ポーランドのヴワディスワフ・コシニャク=カミシュ国防相は11日の議会で、オランダからは防空システム、大砲、兵士300人が、チェコからはヘリコプターと兵士100人が、それぞれ派遣されると述べた。
コシニャク=カミシュ国防相はまた、フランスとイギリスも、NATOの東側を守るため、航空機を配備する可能性があると説明。「ポーランドはその歴史を通して、連帯の言葉と空虚なジェスチャーを繰り返し聞いてきた」、「しかし私たちは今、具体的な宣言を聞いている」とした。
一方ドイツは、リトアニアに軍旅団を派遣する方針を示している。また、「NATOの東側の境界に沿って関与を強化」し、ポーランド上空での警戒活動を拡大するとしている。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領も、ポーランド領空の防衛のため、ラファール戦闘機3機を派遣すると発表。「ロシアが強めている脅しに、私たちは屈しない」と述べた。
他方、ウクライナでの停戦の仲介に成功できていないアメリカのドナルド・トランプ大統領は、侵入が「ミス」によって発生した可能性があると、11日に記者団に述べた。そして、「この状況全体には全く満足していない。終わるのを願っている」とした。

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今回の事態をめぐっては、ロシアが意図的に、ポーランドで緊張を高めようとしたとの見方が出ている。これについてクレムリン(ロシア大統領府)は、これ以上コメントすることはないとしている。
一方、ポーランドのカロル・ナヴロツキ大統領は、「このロシアの挑発は(中略)私たちの能力を試そうとするもの以外の何ものでもない」と発言。ドイツやフランスの首脳らと同様の見方を示した。
ただ、ロシアが意図してドローンをポーランド領内に発射したのかについては、専門家の間でも意見が分かれている。
NATOのアレクサス・グリンケウィッチ欧州連合軍最高司令官は11日、意図的だったかはまだわからないとし、ポーランド領空に侵入したドローンの正確な数もまだ確定できていないと述べた。
ただ、ロシアと国境を接する国々では不安が高まっており、NATOもポーランドも警戒を怠っていない。
ポーランドは、ベラルーシやウクライナとの国境がある東部で、ドローンや小型機の飛行を制限する。ラトヴィアも、東部の空域を1週間、封鎖すると発表した。

こうしたなか、ベラルーシとロシアは12日、「ザパド(西方)2025」と呼ばれる大規模な合同軍事演習を開始する。
ポーランドは、この軍事演習を「非常に攻撃的」なものだとし、「安全保障上の理由から」、11日に日付が変わった時点で国境を閉鎖するとしている。
ロシアはポーランド当局に対し、ベラルーシとの国境を再開するよう求めている。閉鎖によって、ビジネスと移動の自由に「深刻な損害がもたらされる」と警告している。
前回の「ザパド」は、ウクライナでの戦争が始まる数カ月前に実施され、総勢約20万人が参加した。リトアニア軍の情報部門トップによると、今年の演習はそれより規模が小さく、総勢3万人規模だという。












