ロシアの侵略、阻止しなければウクライナを越え拡大と ゼレンスキー氏が国連で警告

画像提供, Reuters
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は24日、米ニューヨークで開かれた国連総会で演説し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を止められなければ、プーチン氏は「この戦争をより広範により深部へと推し進め続けるだろう」と警告した。
ゼレンスキー氏は、同盟関係にある国々が一致団結して支援を強化しなければ、さらに多くの国がロシアの侵略に直面することになると述べた。
また、軍事技術の進歩によって、あらゆる国が世界的な軍拡競争の脅威にさらされているとし、「武器が誰が生き残るかを決定している」と指摘。人工知能(AI)に関する国際的なルールを設ける必要性も訴えた。
ゼレンスキー氏の演説に先立ち、アメリカのドナルド・トランプ大統領はロシアとウクライナの戦争に関して、立場を転換させた。トランプ氏は23日のソーシャルメディアの投稿で、ウクライナは「全土を元の形で取り戻すことができる」と初めて述べた。
国連総会での演説で、ゼレンスキー氏は、ウクライナに安全の保証を提供するには国際機関の対応は「弱すぎる」と批判。「長年にわたる軍事同盟に属しているからといって、自動的に安全が保証されるわけではない」と付け加えた。この発言は、北大西洋条約機構(NATO)を念頭にしたものとみられる。
「我々は今、人類史上最も破壊的な軍拡競争の中を生きている」と、ゼレンスキー氏は述べた。
ゼレンスキー氏は、「今ロシアを止めること」は、「核弾頭を搭載したドローンを最初につくるのは誰かとあれこれ考える」よりも安上がりだと主張した。
また、自立飛行型ドローンや無人機の開発は、従来の戦争行為よりもはるかに大きなリスクをもたらすとし、AIとその兵器化に関する国際的なルールの整備を求めた。
ゼレンスキー氏はさらに、ヨーロッパはウクライナと欧州連合(EU)加盟国のルーマニアとの間に位置するモルドヴァをロシアの影響にさらして失うわけにはいかないと述べた。西側諸国は、プーチン氏の勢力圏からジョージアとベラルーシを救う機会を逃したとも、ゼレンスキー氏は述べた。
親EU派のモルドヴァ大統領マイア・サンドゥ氏は、クレムリン(ロシア大統領府)が暴力行為をあおり、恐怖を広める目的でモルドヴァに「数億ユーロを投入している」と非難した。
旧ソ連構成国であるモルドヴァは28日に議会選挙を控えている。こうした中、モルドヴァではロシア政府とつながりのあるネットワークが偽情報を拡散していることが、BBCの調査で明らかになっている。
先週には、ロシアと国境を接するエストニアとウクライナと国境を接するポーランドが、ロシアの戦闘機やドローンが領空に侵入したことを受け、ほかのNATO加盟国との協議を要請した。同じくNATO加盟国のルーマニアも、ロシア製ドローンが領空に侵入したと発表している。
ロシアの戦闘機やドローンによる、欧州諸国の領空への侵入を受け、トランプ氏は23日の国連での演説後、NATO加盟国は領空を侵犯するロシア機を撃墜すべきだと語った。
ゼレンスキー氏はトランプ氏を称賛するとともに、米大統領と「良い会談」を行ったと述べた。
ゼレンスキー氏は23日に記者団に対し、アメリカは戦争終結後にウクライナに安全の保証を提供する意向だと理解していると語った。
その内容について問われると、具体的な詳細は把握していないとしつつ、さらなる兵器や防空システム、ドローンが提供される可能性があるとした。
トランプ氏は23日に、EUとNATOの支援があればウクライナは勝利できるかもしれないと示唆。ウクライナは和平の条件として「領土交換」を受け入れざるを得ないだろうとする従来の立場を転換させた。
米大統領はまた、ロシアを「ウクライナであてもなく戦っている」「張り子のトラ」と形容した。
これに対し、クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は、「ロシアがトラであるはずがない。むしろクマだ。それに『張り子のクマ』などというものは存在しない」と反発した。
ペスコフ氏は、トランプ氏の発言は「ゼレンスキーが提示した構想の影響を受けたもののようだ」と、記者団に述べた。
そして、「その構想は、我々の現状認識と完全に相反するもの」だと付け加えた。
こうした中、アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は24日、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相と協議した。これは、トランプ氏が先月にプーチン氏を米アラスカ州に招いて以来、最も高位の米ロ間協議だった。
米国務省の短い声明によると、ルビオ氏はトランプ氏の「殺害行為をやめるべきだという呼びかけと、ロシアとウクライナの戦争をめぐる持続的な解決に向けてロシア政府が意味のある行動を取る必要性」を改めて伝えたという。
クレムリン側はこの協議について、即座にコメントしていない。












