ガザの20歳女性、搬送されたイタリアの病院で死亡

イタリアに到着したガザの少年が、オレンジ色の制服を着たイタリアの当局者に手を引かれて歩いている

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画像説明, イスラエルがパレスチナ・ガザ地区での軍事作戦を開始して以来、合わせて180人以上の子供と大人がイタリアへ運ばれている。画像は飛行機を降りて、オレンジ色の制服を着たイタリアの当局者に手を引かれて歩くガザの少年

重篤にやせ細り、治療のためにイタリアへ搬送されたパレスチナ・ガザ地区の女性が15日、入院先の病院で死亡した。

死亡したのはマラ・アブ・ズフリさん(20)。13日の夜行便で母親とともにイタリア・ピサへ移送された。イタリア政府の支援計画に基づく措置だった。

ピサ大学病院によると、ズフリさんはイタリア到着から48時間もたたないうちに心停止となり、死亡した。ズフリさんは「非常に複雑な病状」で、著しい体重と筋肉の減少がみられたという。イタリアのメディアは、ズフリさんが深刻な栄養不良に陥っていたと報じている。

ガザで人道問題を担当するイスラエルの軍事組織、イスラエル占領地政府活動調整官組織(COGAT)は17日、ズフリさんが白血病を患っていたと発表した。

COGATは声明で、イスラエルは「特に子どもを対象に、患者の医療搬送を促進しており、世界各国にこうした要請を行うよう奨励している」と説明した。

イスラエルがガザでの軍事作戦を開始して以来、合わせて180人以上の子供と大人がイタリアへ移送されている。

イタリア外務省によると、今週には、深刻な先天性疾患や外傷、四肢の切断などを抱える31人の患者とその同伴者が、ローマ、ミラノ、ピサに到着した。

こうした中、イギリスでは国会議員が政府に対し、病気や負傷したガザの子どもたちを「遅延なく」イギリスで受け入れるよう求めた。これは、キア・スターマー首相が数週間前に、避難計画の設置を約束したことを受けた動き。

英内務省は、数百人の子どもを「迅速に」ガザから避難させる意向を示している。、子どもと保護者の入国には生体認証検査が必要だとしている。

国連は、ガザで栄養不良の発生が広範囲に広がっていると警告している。国連が支援する専門家グループが先月公表した報告書は、「飢饉(ききん)という最悪のシナリオが進行中だ」と指摘している

イスラエルはガザで飢餓は起きていないと主張し、国連機関がガザ境界で援助物資を受け取らず、住民に配給していないと非難している。

攻撃と栄養不良で死者増加とハマス運営の保健省

イスラエル当局は、ガザ市の住民に対し、17日からテントやそのほかの装備品の提供し、その後「安全地帯」への移動を開始すると発表した。

イスラエル政府はこの声明の数日前、イスラエル国防軍(IDF)がガザ市を占領するだろうと発表。同市最大の地区ザイトゥンでは数日間にわたり激しい空爆が続いている。

ハマスが運営するガザ市当局の広報担当者はBBCに、6日間にわたるイスラエルの容赦ない空爆や砲撃、破壊作戦により、ザイトゥン地区では「壊滅的な状況」が生じ、大規模な避難が発生していると語った。

ハマスが運営するガザ保健省によると、16日のイスラエルによる攻撃で少なくとも36人が死亡した。

また、栄養不良による死者は11人増え、飢餓関連の死者数は合わせて250人を超えたという。

IDFは「民間人への被害を軽減するよう取り組んでいる」としており、ハマス運営のガザ当局が公表する死者数の信頼性を疑問視している。

イスラエル政府は、ガザでは栄養不良は起きていないと主張。IDFは民間人ではなくテロリストを標的としており、人道危機の責任はハマスにあるとしている。

ハマス運営のガザ保健省によると、イスラエルのガザ軍事作戦により、これまでに6万人以上のパレスチナ人が殺害されているという。